“ママじゃない私” ポートレート

いつものあなたの、いつもと少しだけ違う顔。いろんなママたちの、「ママじゃない顔」ポートレート。

「“私が大事” は こんなに大事!」 presented by エミ

こんにちは。息子がめでたく入学。幼稚園の送り迎えがなくなって運動不足が懸念されるエミです。

さる某日、「ワークライフバランスプレゼン勉強会」にて、30分間のプレゼンをしてまいりました。(以下、撮影はすべて、橘ちひろちゃんです。)

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これは、マミースマイル保育園の代表であり、ワークライフバランス研究をされている雁瀬暁子さん が月に1度ひらいている勉強会。

テーマはほぼ、発表者の自由にまかされていて、私のプレゼンタイトルは、
「“私が大事”は こんなに大事!」
という、自己肯定に関するお話。

ええ、子育て中だしね、子どもの自己肯定感を育てる話・・・かと思いきや!
 「大人こそ、自己肯定感を大事にしようじゃぁ、ありませんか!!」
という思いを、熱く語らせてもらいました。気分は松岡修造ですよ!

いやでも、修造ってすごいのね。
録音で自分のプレゼンを聞き返してみると、全然熱くなかった(笑)。
スササササー、と、そうめん流しのそうめんのように、駆け足に流れていってました。たはっ。

それでも、やってみてよかったなー、と思いましたよ。
こんな機会はもう二度とないかもしれないので、朝ドラとか歴史とか夫とか、
話したい話はギューギューに詰め込んでね!!
 

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( 唐突に夫婦写真・・・私のSNSとか「ママじゃな」とか、全然嫌がらず協力はしてくれる(子どもを見てくれるとか)けど、普段まったく見ることのない夫。なぜか?今回は発表を聞きにきたので、ちひろちゃんが写真を撮ってくれましたー。私「発表どうだった?」 夫「ママじゃな の意味が初めてわかった。「ママさんジャーナル」の略だと思っていた」 私「・・・・・」 )




もちろん、「ママじゃな」の話もメインのひとつでした。
「ママじゃない“私”ポートレート」。
私、という言葉が入っている。

いくつになっても、どんな状況にあっても、まずは「私」。
私は、どうしたいか。私は、どう思うか。

そんな「私」をしっかり持って、
なおかつ、大人は、「私」を表現していくことが大事だと、今、思います。

いい年して、しかも女性で、しかも稼いでもいない専業主婦が、自分自分と言うなんて・・・
なんか、大人げなくて、恥ずかしいような気がしますよね。
でも、どれだけ多くの人が、「私」の声を挙げられるかが、すごく重要な時代なんじゃない?

みんなが「私」というものの優先順位を下げてしまったら。
その場の空気に流されたり・・・長いモノに巻かれたり・・・
「個人を尊重」するよりも「集団の利益」が優先されて、
個人の思いは、わがままとみなされる。そんな、悲しい、危ないことになりかねません。

みんなと違う子がいじめられるとかさ。ブラック企業とかさ。
自衛隊南スーダンが、日報を廃棄してるとかしてないとかさ。
集団の暴走でしょ。

子どもたち一人一人、私たち一人一人は、学校や、会社や、国のために存在してるわけじゃない。
私たち一人一人のために、集団があるのです。
人間が1人でできることには限界があるから、
助け合い、支え合うために、集団を作ったのです。本来。

「私」を大事にするのは、私自身のためでもあるけど、
私と同じように、あなたも、他の人も、誰もが尊重される社会を作って、
子どもたちに渡してあげるためでもあると思うのです。

ほんとにね。
どれだけ多くの人が、自分のことや、自分の家庭や自分の仕事「以外のこと」に目を向けて、発言・行動できるかどうかに、かかってると思うんですよね。

もちろん、今、たとえば闘病してるとか経済的に苦しいとか、
人生で「自分のことで精一杯なターン」にいる人は、今はそのことだけを考えてもらっていいのです。誰だって、いつそういうターンに入るか、わからないわけですよね。

でも、今はそうじゃない、ちょっとは余裕があるという人は、
自分の半径5mより先のことも、ちょいちょい見てさ、
「これはおかしい」 「こうあってほしい」 
と、いちいち意思表示していかないと、
社会の歪みって、気づいたときには恐ろしい形で、自分たちに襲いかかって来るからね。

まして、自分の子ども・孫世代がその犠牲になったら、たまらない。

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(今回、定員14名のお部屋だったんですが、満席御礼で、“おしりあい” 初対面で椅子を半分こしてくださった方も~ありがとうございました!)
 

・・・と、この場で、修造ばりに熱く綴ってみましたが。
そんなプレゼンができる場をいただいて、本当に感謝しています。
幼稚園の仲間、茉莉ちゃんを通じて、カレー屋さんで偶然出会えた雁瀬さん!
(たった1ヶ月半前の話だ)

私のほうは雁瀬さんのことを以前から存じ上げていて、
ちゃっかりTwitterでもフォローしたりしてたので、
これはラッキー!と食いついて、その数時間後にはfacebookで友だち申請させてもらったのでした。
それがご縁で、今回プレゼンさせてもらって・・・

この勉強会は、「プレゼンの練習に使う場」として設定されているんです。
すばらしいことだと思います。
みんなどんどん活用したらいい! 特に、普段、人前で話す機会がない人!

持ち時間30分。長いような、短いような?
とにかく、それなりに準備が必要ではあります。

でもね、「ママじゃな」世代…30年、40年の人生経験があれば、
30分語れるテーマって、何かしらあるんじゃないかと思います。誰にでも。
それは、子育てのことかもしれないし、
転勤生活のことかもしれないし、
ごはんのこと、スポーツのこと、あるいは、病気をしたり離婚をしたことかもしれない。

そんな自分の経験や関心があることを、30分語れるように、整理して、深める。
・・・って、今後につながる、すごく大きな一歩だと思います。

そして、そんな話を聞いてくれる人たちが、きっといる。
私も、皆さんに聞いてもらって、「なんか・・・これからもっとがんばろう↑↑↑」って気分になりました。

それでね。
しろーとインタビュアーの私。せっかく皆さんに集まってもらったんだから、プレゼンが終わったあとに、ひとつ質問してみたのですよ。
その回答がまた、面白くて・・・。
長くなってきたので、次の記事に書きますね。

⇒皆さんの 「こんなこと実践してるよ」 をシェアします
 

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(プレゼンのあと、後半は、全員参加のディスカッションだったんです!
 これがまた面白くて! 6/18にまた、重なるところのあるテーマでやりますので、
 高宮アミカスに来られる方はぜひぜひ~!)
 
 

vol.26 むつみ の 「ママじゃない私」ポートレート

 

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学校を卒業したあと、地元の新潟県長岡市で、そして結婚して福岡に来てからも、図書館で働いていたむっちゃん。
子どもができてからは専業主婦になり、今では、小6から年少さんまで4人のお母さんです。
家族みんなヒツジが大好き! 
おうちのあちこちを羊毛グッズが彩り、本格的な糸車まであります。ヒツジのイベントに参加したり開催したりもしょっちゅうで、この年末年始はオランダへ。貸しバンガローを拠点に自炊しながら、2週間のヒツジ旅を家族で満喫したとのこと・・・!



オランダの人々の楽しみ方を知る

 

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―――オランダのヒツジ旅、facebookの投稿を見てたけど、すごくいいなって思ったよ。子ども時代の思い出になるってのもあるけど、「大人が自分の好きなことを楽しんでる姿を見せる」って、すごくメッセージになると思う。

そうなの。パパが一番好きで、楽しんでるからね(笑)。

―――印象に残ってることを教えてくれる?

今回、滞在中に通った羊の農場でね、「森を2時間歩きましょう」っていう自然と歴史を巡るツアーがあって参加したんだけど、すっごく寒いの。緯度でいえば樺太と同じくらいなんだけどさ、でもオランダの人はそんなに分厚い防寒着じゃないの。で、2時間平気な顔してペースを乱さず歩いていくわけよ。

なんていうのかな・・・歩くことがレジャーになってるんだよね。ガイドさんが森の木の説明とかをサラッとしてくれるんだけど、それだけなの。日本人ってさ、もっと求めるじゃない?


―――求めるよね。なんか、エンターテイメント的な要素を…スタンプラリーとか。

でしょ? 回ったらお菓子をもらえるとかさ。でも、オランダにはそういうのないの。すっごく寒い中、ガイドさんのサラッとした説明を聞きながら、2時間スタスタ歩くんだよ。なんか、すごいなって思った。楽しみ方が違うんだろうね。

―――ある意味、主体的なのかもね。自分で歩いて、見て聞いて感じるものを大切にしてるというか。スタンプラリーとかって、いってみれば与えられたものを消費してるのかもしれない。

そう。日本人って、効果をすぐ求めたがるのかな。

―――「森に行ってきたよ」って言ったら「何があるの? そこで何するの?」って聞かれるような。

「何が得られるの?」とかね。

―――子どもたちはどういう反応だった?

けなげについて歩いてたよ、2時間。「これがオランダの人たちの楽しみ方なんだ」って、なんとなく感じたんじゃないかな。

そうだ、トイレもなくてねー。日本だったらさ、森の中でもあちこちにあって、絶対ガイドさんも頭に入れてて、「ここだったら借りれます」とかあるじゃない? ないからね、全然。


―――それ、どうするの?! ホントに。

2時間かかるってわかってたから、事前に何回も行かせて、大丈夫だったけど。今回の旅、トイレ問題はけっこうあったよ。お金もかかるしね。

―――ん? 有料なの?

駅のトイレも、1回につき0.5ユーロかかるんよ。お店にもトイレないことしょっちゅうあるね。マックとかでも。

―――私たちがそれ聞いたら「えーっ?!」て思うけど、逆に外国の人が日本にきたら「えーっ?!」なんだろうね。なんか、むやみやたらにトイレがある国だなーって。

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◆旅はスリルとアドベンチャー(とケンカ)でいっぱい!

 

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そうそう、空港とか、厳戒態勢なんだよ。日本の警察みたいなささやかなピストルを内側に持ってるんじゃなくて、すごい長い銃をみんなこうやって(両手で上に掲げ持つ)持ってるの。

―――おお、ドキッとするね。

実際にブリュッセル空港でテロもあったからね。平和への意識っていうのかな、全然違うよね。

―――日本人もいろいろ考えなきゃいけないんだろうけどね。
2週間の旅行中には、トラブルとかアクシデントはなかった?

あるある、しょっちゅうある。もうねー、まずブリュッセルの空港に着いたの昼の3時なのに、レンタカーに乗り込んだの5時だよ。

―――うわーっ。

ナビがついてないから空港でwifiSIMカード買おうとしたら、売ってる店がお休みなんだよ。日曜日で。日本で、空港の店が日曜午後に休んでるとかありえないでしょ?! もうさ、10何時間もフライトして、やっと着いて、よかったーって思ったら、子ども4人連れて、スーツケース3個とか持って空港をぐるぐるぐるぐる歩いて…

―――つ、つらい!

やっと車に乗っても、反対通行だしマニュアル車でしょ、「スタート、はいストン」ってエンスト(笑)。ダンナが運転して私がナビするんだけど、地図もめちゃくちゃ見にくいし、高速道路も、さっきの森の話と同じで、あんまり看板がないんだよね・・・。

なんとか泊まるホテルの近くまで来て、パーキング見つけようとしても、旧市街だから道が細くて、一方通行で、ぐるぐるぐるぐる・・・。見えてるのに曲がれない。


―――子どもたちは?

その頃にはもう疲れて、後ろで寝てた。

―――よかった。寝ててほしい(笑)。

最初はすごく心配してたけどね。がたんがたんエンストするしさ(笑)。

(ちひろ)家族でそういう経験をするって大事ですよね。アドベンチャーっていうか、スリルがあって。

もう、全然うまくいかないんだ、ってわかると思う(笑)。

―――でも、最後には何とかなる。なせばなる!

そうそう、自分でがんばればなんとかなる(笑)。

―――そういうアクシデントのとき、ダンナさんは、イライラしたりしないの?

すっごくする!

―――わーっ。そうかぁー。

だからもう、大げんかだよ、2人で! 

―――そうなのか(笑)。

もう、やりたいことは全部やりたい、家族と一緒にやりたい、って人だからさ・・・。

―――キャンプとかもハードそうだもんね。

そうなのよ。何でも家族と一緒にやりたい人だからさ、子どもが少々具合悪くても、「大丈夫だろ」とか言って連れていく。

前もさ、1月の始め、寒ーい時期のキャンプで、1人がお腹が痛くなっちゃって、夜中に寒ーい中おむつを替えに行ってさ、おトイレの電気がつかないからパパを叩き起こして電気を持たせて、子ども抱いてトイレに入って、「拭けたかー」とか言ってさ・・・寝袋も汚しちゃってさ・・・


―――ぎゃーっ。つ、つらい!

夜中にそういうことやってて、起きて朝ごはん食べてたら、ゲーゲー吐き出す子が2人・・・。

―――べ、別の人が?

そう。食中毒だったみたい。だから帰り道はさ、テント道具を後ろにいっぱい詰めてぎゅうぎゅうの車の中に、元気な子が1人、お腹痛い子が1人、ゲーゲーの子が2人、その看病で疲れてる私、みたいな(笑)

―――あはははは。いや笑いごとじゃないよね(笑


◆家族で世界を見て、触れて

 

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ほんっと、家族を連れまわすからね。もう、毎回ケンカだよ。

―――面白いね。なんかこう、ダンナさんについて行くけど従うわけじゃなく、ケンカもして(笑)。

主張しないと通じないのよ。言いたいことは言わないと伝わらない! 以心伝心なんてないな、って結婚してしばらくして気づいた(笑)。

―――いいと思う! 黙って受け容れるんじゃなくてさ、夫婦は対等なんだから、言いたいこと言い合って、折り合っていく姿を子どもに見せるのも大事じゃない?

子どもに見えないところでやればいいんだけどね、もう緊急事態の連続だから(笑)。

―――子どもたちもいろんな経験して強くなりそう。

丈夫になるよね、虫がいてもトイレに入れたりとか(笑)。

―――「懲りずに」というと言葉は悪いけど(笑)、いろんなトラブルがあってもまた行くってことは、しんどさ以上の価値があるんだよね。

やっぱり家族でやるのは価値があると思うよね。もうほんと、思い出がぼろぼろと(笑)。

オランダでも、基本的に親が行きたいところに行くからさ、大きい子たちは「なんで私たちが行かないかんと? パパの友だちの家やけん、パパだけ行けばいいやん」とか言ったりするんよね。


―――あー、そうだよね。

でも、普通、旅行ってホテルに泊まってごはんもお店で食べて、現地の人と話す機会なかったりするじゃない。でもパパの友だちの家に行ったらさ、そこの家にも子どもいるから、ごちそうしてもらって、子ども同士で言葉がわからないながらも遊ぶ・・・そういう経験っていいんじゃないかなって私たちは思うから、連れていくんだけど・・・

―――すごくいいよね。その良さが、今はまだ子どもたちにはわからないかもしれないけどね。

「あの家でこういうことしたね、日本とはやり方が違うよね」って気が付いたりね。
外国に知ってる人がいると、ニュースを聞いたときとかも、とらえ方が違うと思うんだよね。より身近に感じるというか。



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オランダ旅行中、農場のワークショップ子どもたちが作った作品。もちろん羊毛です!)
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オランダから買って帰った糸車たち。古いほうは約40年前、オランダに住んでいる時に入手したもの)
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(お部屋のいたるところに羊のモチーフが)


◆手をかけて、工夫する暮らしを

 

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―――アンケートに「家事が好き」って書いてあったよね。「ママじゃな」のモデルさんの中でも珍しいかも・・・

そうなんだ? 家がきれいになるのって、目に見えるからうれしいよね。手をかける意義があるというか。主婦の仕事って、やってたらどんどん上手になるしね。

―――料理も好き?

うん。でも料理はまだ全然。こういうおもてなしするのもさ、センスのいい人はすばらしいよね。

(ちひろ)えー、これ最高だよ! お皿もすてきだし。

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オランダの農村の伝統的なお料理、エルテンスープとトマトスープ、ハード系食事パンを添えて。エルテンって、えんどう豆です♪ すっごく美味しい!)

いやいや、もっと人を見習いたいよ。
家事は、うまくできてるかはわからないけど、イヤじゃないんだよ。次はあそこをこういうふうにしたい、とか考えるのが楽しかったりする。

ダンナも自分で何でもやりたい人だからさ、あの台所の扉も自分たちでつけたの。ホームセンターに行って木材買ってきて、ドリルで穴開けて・・・。楽しかったよ。どの木がいい?って選んだりして。


―――義務感でやるとつらいけど、自分の暮らしを好きなようにカスタマイズするのって、本来、楽しいことなんだろうね。

どうやったらできるかな?って考えたりね。これは難しいけど、どうしたらやりやすいかな?って工夫したり。

―――むっちゃんって、すごく真面目だよね。

そう! そうなの。私、真面目なの(笑)。

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◆大人になったら、楽になった 

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―――むっちゃんに書いてもらった事前アンケートを見ると、全体的に、充実感とか肯定感をすごく感じたんだよね。

(ちひろ)あー、わかる!

―――物事の捉え方もまっすぐな感じがして。

まっすぐかどうかはわからないけど、ぽわーんとした子だったのよ(笑)。こんなに喋る子じゃなかったし。
だから人の悪口とかは言わなかったけど、今思えば、あんまり人のこと見てないから、悪いところにも気づかなかったのかも。


―――強いほうだったと思う? 精神的に。

いやー、ものすごく動じるよー! くよくよもするし・・・。

―――でも、やっぱり今のほうが逞しくなったかな?

生きやすくなったなあと思う。どこにも所属しないでいい、無理しなくていい、っていうか。悪口を言う人とは距離をおけばいいんだ、って。
小さいときは、この空間イヤだなって思いながらそこにいた、とかあったけど、今はそこからすーっと離れる知恵だとか、あるでしょ。だから大人になったら楽になったと思うな。

今、子どもが「こういうことあった」ってメソっとしてたら、「あー、そういえば、昔こういうことあったな、どうすればいいかわかんなかったな」って思う。


(ちひろ)小さい頃って、酷だよね。クラスがすべてみたいなとこあるし。だから、小さい頃から海外を知ってるっていいですよね。

世界はここだけじゃない、ってことは知っておいてほしいかな。行きたいところに行っていいんだ、ってことをね。
私は大人になってから思ったけど、子どものときからそう思っていいと思う。無理することないんだ、って。幸せになっていい、っていうか。



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◆今ならもっとできるはず

 

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―――図書館司書になりたいっていう気持ちは、学生時代からあったんだよね?

中学の頃から、図書館で働きたいなーとは漠然と思ってた。地元(長岡市)では、図書館バスが楽しかったの。バスの車内に棚がずらっと並んでて、本を満載して市内を巡回するの。

―――福岡では聞いたことないね、図書館バスって。

うん。ステーションが決まっててね、毎日違うコースでいろんなところに行くの。来てくれる人の顔も覚えてて、「あの人はこういうのが好きだろう」って本を乗せて行ったり。

―――面白い! 

小学校に行くコースのときは、『かいけつゾロリ』を多めに持って行ったり。小学校で「お話会させてください」ってお願いして、やったりもしてた。

―――すごく積極的に働いてたんだね。

今思えば、よくやってたよなーって。そんな実力もなかったのに(笑)。

―――本の仕事が好きで一生懸命だった証拠だよね。結婚して福岡に来てからも、図書館に務めてたんでしょ?

そう、履歴書持ってね、「私は図書館で働いていたので、経験があります。ぜひ雇ってください」みたいなことを(笑)。

―――すごい! 募集してないのに?

募集してないのに(笑)。

―――飛び込みだね。

押し売りだよね(笑)。

―――それで採用されたんだから、すごいよ!

すごいよね、たまたまだろうね(笑)。

―――情熱が通じたんだろうねー。本当に、本のお仕事が好きなんだね。
今も、小学校で読み聞かせとかやってるんやろ?

やってるやってる。今、子どもが6、4、1年生だから、入れるときは全部入ってる。

―――楽しそう! 小学生への読み聞かせ

6年生は大人だからねー。笑わないよー。

―――ちょっと冷めた目で見てるんだろうね。

そうそう。冷や汗たらーってなったりするけど(笑)。
でも自分の子が6年生で、家で見せる表情もわかってるからね。家の顔と学校の顔、ちゃんと使い分けてるんだな、みんなもきっとそうなんだろうな、って思えるから、安心できるのよ。


(ちひろ)子供の成長とともに、ますます広がるね。

―――アンケートにも、「(図書館の仕事について)今だったらもっといろんなことができると思う」って書いてたよね。ほんとにそうだと思うし、すごくいい考え方だなと思った。
私もそうだけど、仕事を長く離れてると自信がなくなったりするやん? でも、年齢を重ねて経験が増えたり、若いころはわからなかったことがわかったり・・・できるようになってることも、いろいろあるはずだよね。

私が図書館で働いていたときは、自分に子どもがいなかったからさ。今は、子どもがどういう動きをするかもわかってるから、いろいろ工夫もできると思うんだよね。

―――むっちゃんは、学生時代はどういう本が好きだった?

私ね、読むという行為は好きだったんだよ。でも、何も知識はなくて、表紙とかで選んでたから、身になる読書はできてなかったかな。今思えばね。

―――ああ、私もそうかも。

文学みたいな面にはなかなか触れられないんだな、っていう実感があるね。図書館員になってからもそう思った。子どもって、本棚に行っても、その子が求めてるものにはなかなか辿りつけないんだなって。

―――そうだねー。ほんと、そうなんだよね。たとえば岩波少年文庫とかでも良いものはいっぱいあるけど、子どもがタイトルと表紙を見て、自分が面白いと思える本を選ぶのって難しいよね。

選びきれないんだよね。本棚の前で、どうしようかなどうしようかな、って悩んでる子をよく見るけど、自分もこうだったなーと思うんだよね。
だから、自分でもこれからもいろいろ読んで、「こういう本、どう?」って薦められるようになったらいいなと思う。もっと勉強したいね。




(おわり)
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(むっちゃんのキッチンの壁には何年も前にかいてくれた子供たちの絵、大きくなったらなかなかこんな言葉のお手紙は書いてくれなくなるそうです。なので大掃除してもまたここに張るのだそうです。)


【編集後記】

インタビュー:イノウエ エミ

オランダのおみやげ話を聞きながら、おいしいエルテンスープとパンでランチ・・・心躍る時間でした! オランダ食事や、にせアカシアの木の話、スケートリンクなど、記事で紹介しきれなかったエピソードがたくさんあります。むっちゃんのお友だちは、ぜひご本人から聞いてくださいね。数々のキャンプやイベントなど、一家での強行軍の話も! 人生はアドベンチャーですね。ダンナさんのほうにもお話を聞いてみたいです(笑)。

子どもを見ていると、「自分もそうだったなあ」と思い出してきゅんとする気持ち、わかります。子ども時代は楽しくて、でも時に窮屈でつらかった。子どもが成長すればするほど、親が直接的に助けてやれることは少なくなるかもしれないけど、「大丈夫だよ、自分の気持ちを大事にしていいんだよ、大人になっても楽しいこといっぱいあるし、大人のほうが楽になるよ」と伝えたい、親のそういう姿を見せたいなと思います。

飾らない笑顔で生活を楽しんでいるむっちゃんがすてきです。知り合ったばかりなのにこんなに楽しくリラックスした時間が過ごせて、やっぱり大人は楽しい!

撮影:橘 ちひろ

むっちゃんとは幼稚園で出会いました。熊本への支援チャリティマルシェで写真屋さんをしたときに撮らせていただいたのです。しかも確か朝一番のお客様・・・!100円、寄付金とはいえお金をいただいて写真を撮ったのは初めてのことで緊張して撮りました。
それ以来「むっちゃんって呼んでね」とか、いつも気さくに声をかけていただいて・・・なんだか知るごとに大好きになっていくむっちゃんです。この間共通の知り合いと話している時に「あれ!?なんかちひろちゃんはむっちゃんに雰囲気が似てるね~」と言われてすごくうれしかったです。今回のインタビューも共感するところがたくさんあって(もちろん人としての経験値や成熟度は全く持って違いますが💦)心の底の基礎のあたりが少し似ているのかもなぁと思いました。ほっとするのです。
私昔から羊に似ているってよく言われていたし・・・。いや、関係ないかな 笑

写真はそんなむっちゃんとむっちゃんをとりまくお部屋の雰囲気を出したくて試行錯誤しました。そして私はむっちゃんが冬服コーデが大好きなので冬の公園へ。強風の中でしたがバタバタと・・・。全体的にまとまり切れなかった余韻を残す感じは断然『良きことと』してUPしたいと思います。

「未来の子どもたちのための歴史勉強会&おしゃべり会」 なんてこと、やってます

こんにちは、冬になるとごぼう愛が止まらない、「ママじゃな」インタビュー担当エミです。

最近2回ほど、個人的に、小さな勉強会を催しました。
(↓来てくれる皆さんに持ち寄りを募るスタイル)

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「未来の子どもたちのための歴史勉強会&おしゃべり会」

大げさなタイトルですが、実は日本史関係は私の子ども時代からの趣味でありまして


今後も戦争をしない国であってほしい、
というのは、特に子どもを持つ人間にとっては共通の願いですよね。

けれど
過去に日本が行ってしまった戦争のこと
時の流れと共に風化している部分があります。

もちろん私たちも、戦争を経験した方から見ればコワッパのひよっこですが
そんな私たちでも伝えていかなければ、子どもたちは知りようがありませんよね。

2回目の会に来てくれたサニー安田さん
「若者たちの間には、
『日本は負けてはいけない、強くならなければ』という空気もあるかも」
というようなことを話していました。

若くて勢いがあって、そしてまだ守るものを持たない人たち
不況の中に育ち、将来の見えない若者たちが見ている世界は、
私たち子育て世代が見ているのとは、また違うのでしょう。
そこには深刻さや切実さもあるのでしょう。

若い人たちが過去の戦争についてあまり知らないことも、
今の世の中に対する見方も、その理由をたどれば、
もっと上の世代にあるともいえますね。今の世の中を作っているのは大人ですから。


ちょっと思うのは

勝つか負けるか
安保に賛成か反対か
白か黒か
かんたんにハッキリした答えを出してしまう、極論に走ってしまうのは
白と黒の間にある、無数のグラデーションを知らないからなんですよね。


同様に、
子育て世代のお母さんたちは、
「戦争反対」「原発反対」というスタンスはハッキリしていても
どうしても目の前の子どもや、慌ただしい日常生活にフォーカスしがちです。
政治とか歴史とかとても遠いですよね。


強い国でいなければ、勝たなければ、と思うことも
ただ戦争反対と唱えるのも
「戦争をしない」「負けない」ためには、それだけでは効果は薄くて
戦争をしないっていうのはとても現実的で地道な方策だと思うのです。

むやみに敵を作らないこと
違う民族や違う文化を理解すること
理解できなくても、彼らにも彼らの事情があると想像し受容すること
自分たちの文化や自分たちの希望を、ケンカせずにプレゼンして受け容れてもらえる能力

そして、過去の戦争について知識を深めることです。
人間が実際に犯した過ちを知ること
人間はものすごく愚かなことをしでかす生き物なんですよね・・・

いつの時代も人間の心理や国民性は意外と変わらない。
歴史オタクやってると、つくづくそう思います。
歴史を知ってると、現在の世界の見方もだーいーぶ、変わります。

歴史は教訓の宝庫・・・
それを伝えていくのが大人の責任かなと思っています。
そして、歴史オタクな私にうってつけの業務かなとw 



それでね、私が主催するので私の趣味に走って
近代のざっくりした歴史と共に、
朝ドラや、子育て世代にはおなじみの絵本も参照しつつ、お伝えしているわけです。

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私のトークのスキルはおいといて・・・
ふだん、社会とか政治とかの話をする機会は少なくても、皆さんそれぞれに思うところはあるもので、そんな話をしてもらったり
率直な驚きや質問を口にしてもらったり、
「うちはこうだったよ」という経験談など
みなさんのおしゃべりを聞くのもとても楽しいです。

今回は、絵本とお話にとっても詳しい どんぐり文庫の梶田さん が、
セレクトしてくれた絵本を読んでくださったり
サニーさんにはわざわざギターを持ってきてもらって
名曲『朝食に花を』を弾き語りしてもらったりもして、とても充実した時間でしたよ。

絵本や、絵や、音楽。文学。お芝居・・・
文化やアートが自由に表現できる世界を守らなければいけないですよねー

自分ちは狭くて万年散らかってますので、すぐ人の家に頼るわたくし
第1回も第2回も、別々のお友だちのすてきなお宅をお借りしましたの。
本当にありがとう。
居心地って大事・・・!(←掃除しろ)

みんなで持ち寄りして美味しいランチを食べて喋って、
(私のスマホ写真がヘボくてつらい泣)

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家に帰ったら、ちょっとあらたまった気持ちで
子どもたちに絵本を読んであげたり
ニュースに関心を持ったり、政治を身近に感じたり
芸術や文化を味わえる喜び、表現する喜び、
それを子どもたちの時代にも残していくこと

そんな小さなきっかけになればな、と。

歴史を学ぶと未来を考える
未来を考えると現在の政治について考えなきゃいけないことに気づきます。

政治は遠い気がするし、政治家の顔を見ると憂鬱になるし、
どんな政策が正しいのか、どんな政治家・どんな政党がよいのか
私にもよくわかりません。

でも、わからなくても、見捨てないことが大事なんだと思います。
みんなが無関心になると、そのツケは結局、
自分たちや、さらには子どもたちの世代が払うことになる。


どんなに子どもの食生活や、生活習慣や、人格形成に気を配っても
そうやって育てたあと子どもが大人になって出て行った世界が
そのとき戦争をしていたり、
働くにも結婚するにも暮らすにも困る世界だったら元も子もないですもんね・・・。

また、いつか機会があれば、他の方々ともお話したいなと思ってます
それまでに私もまた勉強しておきますね。

(こういうのって何でもそうだろうけど、反省点いろいろ!)
(でも、やってみなければ、始まらない、進歩しないのです。)
(そして、こういうこと自分でやると、貴重な時間を割いて来てもらえるのが本当に有難く、心からの感謝を覚えます)

次に来られる方々にはもうちっとうまく話せるはずー!
第1回、2回に参加してくださった皆さん、この経験を糧にさせてもらいます。
ありがとう~!

  

◆参加してくれたサニー安田さんが、ライフイズマインでレポートしてくださいました。とてもうれしいです、ありがとうございます!

lifeismine.me

 

 

ご紹介: 「リビング福岡」に、のりこさん!

新年ですね! 
福岡はあたたかいお正月、おみくじ大吉でしたよ!(2年連続ー!) エミです。

さて、ちょっとお知らせが遅くなってしまいましたが、
新年早々、ちょっとうれしい出来事をご紹介します♪

福岡地区にお住まいの皆さん、
フリーペーパー「リビング福岡」 1月1日号がお手元にありましたら、ごらんくださいませ。

5ページ目、
「“バージョンアップ”した3人の女性にインタビュー」のコーナーに、
以前「ママじゃな」に出てくださった、のりこさんが載っています!

しかも!! 
のりこさんとリビング福岡さんの橋渡しをしたのは、
なんと「ママじゃな」なのです(*^^*) 


のりこさんのポートレート記事↑ を見て、
「すてきな方だな。取材したいな」
と興味を持たれた編集者さんが「ママじゃな」に連絡をくださり、
私たちが仲立ちをしたのでした。

うーん、編集者さん、お目が高い。
いい写真、いいインタビューでしたもんね~(笑)


結果、のりこさんはリビング紙の取材を受けて
ちょっと新鮮で楽しい経験をなさったようだし、

「ママじゃな」がプロの方にも見られるサイトになってる!(偶然かもしれんけど!)
というのがわかったのもうれしい。

てか、あれやね。プロにネタ提供してあげてるって感じやね・・・
・・・と、すぐ調子に乗るのは私の悪いクセなんですけど、

思いがけない出会いやつながりがあるものだなあ、
うれしいなあ、面白いなあと思うのでした。

2017年も、カメラ担当ちひろちゃんと共に、マイペースにやっていきたいと思います。
みなさまよろしくお願いいたします♪


(チャレンジ2017! のりこさん掲載、1月1日号の一面です。
 WEBでも見られます! → ぱらぱらリビング|リビング福岡・北九州 )

※あ、「ママじゃな」に御用の方は、コメント欄または mamajanai.watashi@gmail.com までお願いします!

 

 

続いていく日常を ~インタビューと写真、“ママじゃな” ちひろ編~



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実はだいぶ前から私が心の中で温めていた企画、ちひろちゃんにもう一度インタビューをしようの巻を実現しました。
「ママじゃな」を見てて、「こういう写真を撮るちひろちゃんというのは、どんな人なんだろう?」と興味をもってる方もけっこういるんじゃないかと思って。

ちひろちゃんは2010年11月生まれの女の子と、2015年2月生まれの男の子のお母さん。2人目の妊娠中(臨月)にダンナさんの肺癌がわかり、出産3日後に手術。約1年後、肺にまた小さな影が現れて、今夏には転院。食事療法も開始。そんなこれまでのことを、最近、近しい人への報告と自分の整理も兼ねて、facebookに投稿していたちひろちゃんです。今回は、その辺りについても聞いています。

 

◆「なんかいつもカメラ持ってる人」です。

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―――facebookにアップした文章、すごく整理してまとめてあって、変な言い方になるけど、読みやすかったよね。

あ、そう? よかった。読んだ人の負担になったらいけないなーとも思ってたし。

―――ちひろちゃん自身が下を向いてるわけじゃなくて、それなりに普通にっていうか、前向きに暮らしてるのが伝わってきたよ。

よかったー。そんなふうに思ってもらえてたらうれしい。

―――「ママじゃな」の基本の質問やけどさ。ちひろちゃんは、自分では、自分の性格ってどういうふうに思ってる?

うーん。わからんねー。わからーーーん・・・。
あ、なんかね、「写真が好きな人」っていうスタンスがちょうどいいんよね。「あー、なんかいつもカメラ持ってる人ね」って見られ方が・・・楽。


―――それは、カメラのコミュニティの中でってこと? それとも、それ以外の場で?

あ、カメラのコミュニティの中ではね、逆に「子どもがいる母です」みたいな(笑)。でも、子供も大きくなっていくのだろうし、これからはね、そういうのなくして、ばーんと一人で立ち振る舞って・・・みたいとも思うけど。

―――確かに、なんか役割とか属性があるほうが楽ってのはあるかもね。何にもなく、裸でポーンといくよりも。

特に、コミュニケーションってとこで考えると楽やね。

―――10代、20代のころとか、考え込むタイプだったりした?

あー、考え込むタイプだったー。自意識過剰なまでに。よくいえば内省的っていうのかな? 悪くいえば、なんかうじうじした人みたいな。
今はね、もうそんなことないよ。写真のことで言ったら、楽しい、って思って、もっと知りたい上手になりたい、って思うけど、時間が少なすぎるやん、大人って。それでもうけっこう割り切って「ちょっと撮らせて!」って言える度胸がついたなあって思う。いいや、おばちゃんだし。おばちゃんっていいよね。楽。


―――なんか、楽なところにいくってことに対して、若い頃はちょっと否定的だった気がするよね。自分にも他人にも。でも、年を重ねてくるとだんだんね。

楽しむことがまず大事だしね。なんかほら、そういう意味では、夫が癌になってからも思ったけど、結局やりたいことが一番体に良かったりするし。あー、いつか死ぬんだな、って思ったら何でもしとこうって思うし。


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◆神様が手加減してくれた

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―――ダンナさんに癌があるってわかった日、私たち、一緒にいたんよね。たまたまっていうか、一緒にお昼食べようってことになっとって。

そうやったよねー! あのときさ、夫は仕事で私だけが結果聞きに行っていたんよね。もし結果が悪くってがん告知なんかされたらお昼行けんよ、って思っとったけどさ、実際とりあえず行って、スープカレーお代わりしたんよ、私。あれけっこう自信になった!

―――ああー、そうだったんだ。

「あのとき食べれた!」「私、大丈夫!」みたいな(笑)。

―――食べてたよねえ。お腹も大きかったしね。もう臨月でね。

明後日から里帰りします、ってタイミングだったんよね。あのときお代わりできたのが私の心のすごい支えよ。

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―――それからすぐ二人目も生まれて一年半以上経ったけど、ちひろちゃんはその間、よく動いてたよね。
写真にしろ、食事にしろ、治療や転院のことにしろ、いつも何かやったり勉強したりしてたし、友だちや園ママともよく遊んでたし。
家族が病気になったとき、そちらにかかりきりになったり、ふさいでおうちに籠もりがちになったりしても全然不思議じゃないと思うんだけど、ちひろちゃんがそうならなかったのは何でと思う?

わー、すごーくいい質問。
それはね、きっと神様が、私の性格を知ってて、手加減してくれて、妊娠・臨月・里帰り・出産のあたりに、告知と手術を重ねてくれたんだと思ってんのよ、ほんとにさ。赤ちゃん生まれてきたら考え込む暇がないほどノンストップやしね。
私、三番目で生まれて、あまっちょろくてさ、誰かが何とかしてくれるみたいな人生やけん、手加減してくれたんやと思うんよ。


―――自分ではそういうふうに思ってるんだね。私は、それだけじゃなくて、やっぱりちひろちゃんの性格的な強さもあるんじゃないかなと思ってた。

うーーーん? 心の中は、夫のことどうしようっていうのと、写真のこともっと勉強したいっていうのと半分半分でせめぎあってて、それもよかったのかもね。

―――あ、写真のこともなくならなかった?

うん。なくならなかった。不思議よね。だから、癌のことも、本はあるけど拾い読みぐらいしかできなくて、ネットで調べたりするのもやめて・・・写真もしたいしインスタも上げたいけんさ(笑)。だから、人に聞いたら早いな、って聞くようになったりして。

―――転院も、幼稚園で聞いてみたのがきっかけだったよね。

そうそう、幼稚園のお母さんたちで持ち寄りの「雑穀の会」があってね、「これを作ってきました」って一人ずつ話すときに、尋ねてみたんだよ。この人たちならここで話しても許してくれるだろうと思って・・・。

―――言ってみれば、シリアスな話だもんね。楽しい会で。

そう。でもとても親身に聞いてもらえて、詳しい人がやっぱりいて、すぐにいろいろ教えてくれたり・・・。本当にありがたい。

―――そうやって、人に聞けたのが本当によかったしすごいと思うよ。それまでに信頼関係ができてたからだし、ちひろちゃんがそういうときでも心を閉ざさずにオープンにできたってことだよね。子育てしてても思うけど、助けを求めることができる力って大事だよね。

いや~もう背水の陣みたいなとこもあったけんね。

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◆どうしたら癒してあげられるだろう

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―――食事療法のこと勉強して実践したり、すごい愛を感じるよね。お金も時間も費やして、かんたんなことじゃないと思う。

いや~(笑) 自分のためでもあるかもよ~。

―――facebookの投稿に、「どうしたら癒してあげられるだろう」って書いてたのがすごく印象的で。

いや笑っちゃうんだけどさ、なんか、そういうふうに自分が思えたことが興奮するくらいうれしい。

―――あ、自分でもそうなんだ。すごく愛とか母性みたいなの感じたんだよね。

私、三番目でさ、甘えて育ってきたと思うんだよね。好きなようにやらせてもらったし、いるだけでかわいい、自分が幸せなことが両親にとっての幸せみたいな。自分の気持ちが一番大事と思ってわがままに生きてきたからさ。

―――そうやって、いっぱい愛されて大事にされて育ったからできることかもね。自分も、家族に愛情をかけて、大事にできる。

そうだね、しかもさ、今まで夫にもたっぷり見守られて、好き勝手やらせてもらってきたってのもあるかも(笑)。

―――なるほど~やっぱり愛だね~!

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◆夫婦ともに、よく眠れます 

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―――「病気になっても不幸にはならないどこうね」って話したって・・・。

うん、会話的には「不幸とは思わんどこうね」「あ、そうやね」ぐらいだけどね。状況の重大度はいろんなレベルで人それぞれあると思うけど気持ちの持ちようで感じ方は違うと思うんよね。ほら、不幸と思ったら、んー、・・・損じゃん 笑 いや、実際ね免疫学的にも気持ちが落ち込んだら免疫が落ちるわけだし。「幸せー」って思う回数が多い人生のほうがどう考えてもいいしって思って。

―――病気のこととか、生活の仕方を変えるとか、いろいろ話して決めたの?

散歩を始めようとか食生活は私主導なとこが多いんだけどね。

―――ダンナさんのほうで、そういう変化に抵抗感はなかった?

うん、意外にない。もっと抵抗あるかなって思ってたけど。

―――そうなんだね。夫婦で話し合えるのは大事だね。

大切だよね~ほんっとそうだよね。ほんと夫婦の時間ほしいなあと思う。なんか、小さい頃の話とかいっぱいしたりさ。

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―――最初にわかったときは、彼は落ち込んでた? やっぱり・・・。

んー。わかりにくいね。ただひとつ言えるのは、不思議とよく寝られる。私もだけどね。

―――ずっと? ちひろちゃん、眠れないことは?

うん、ないよ。写真の作業とか、好きなことしてて寝れないときはあるけど(笑)。

―――手術のあとは3か月ごとに検査があって、毎回検査前は夫婦でとても緊張してるって・・・不安だよね。

うん。自分は不安になるとイライラするってことがわかった(笑)。そのイライラが家族にも向かっちゃうんだよねー。

―――そういうときは、どうしてる?

延長保育を頼んで預けたりするのもいいよね。子ども子どもらしくいられる場所って大事だなあって思う。


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◆きらめいて見える瞬間を

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―――自分の写真についてはどう? 「ママじゃな」を始めた頃から比べても、ずいぶん進化したように思うけど。なんか写真のことわかってるみたいなこと言ってるけど私(笑)。

いやいや、言って言って。まだまだ、表現というよりは技術を得始めているっていう時期だけどね。

―――感性みたいなのが爆発するようになった感じがするよ。技術がついたからそう見えるのかな?

あ、そうかもね。たとえば、このコップを撮るにしても、いろんな撮り方に今のほうが気づいてると思う。角度とか光とか、カメラの操作でいろんな表現方法があるなって。
10年くらい前にさ、撮るのやめちゃったときは、どう撮っても同じような写真になっちゃって、光にばっかりこだわってたからかな。そこらへんの反省点も今はわかる。


―――技術的に行き詰まってたから、気持ち的にも行き詰まっちゃったのかもね。

同じ瞬間ってのはないからさ、撮り続けたらもっといい瞬間を切り取れたりするから、そこらへんが進めたらうれしい。

―――ちひろちゃんの写真人生で、写真を撮らなくなってたブランク時期がある、ってのは、案外重要かもね。

ふふふ。なかなか、オツなもんですよ。


(後述:今と昔の自分はきっと違う・・・っていうちょっとした自信も少し出てきたのです。昔はモロかったなぁ~しみじみ 笑 あと、「ありがたみ」や「時間の貴重さ」「続けることの価値」なんかも少しは理解できるようになりました。)

 


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―――写真を撮る人の目ってどんな感じなんだろ。ちひろちゃんの写真もだけど、日常を撮ってるの見ると「あ、こんなに素敵な瞬間があるんだな」って思う。普通の目では見逃しちゃってるような瞬間・・・

写真を趣味にしてる人でも、そうだよー。インスタとか見てると「写真してなかったら、こんな瞬間に気づいてなかったなあ」とかキャプションついてること多いね。ほんとそう。きらめいて見えるよ。

―――撮る前に、もう、ちゃんときらめいて見えてるってことだよね。

そうー。ある意味、冷静な目で見ないと撮れないとこもあるけどね。カメラの設定とか。

―――「これは素敵だな」って見えた通りに撮れるの? 撮ってみてから、「思ったより素敵だった」とかなる?

両方あるんだけど、今Lightroomっていうソフト使ってて、パソコンの中で現像できるんよね。色合いや明るさを調整したり、下半分を少し明るめにぼやかしたり、それを使い始めてからは、そのときの感動を思い出せるように仕上げることができるようになってきた。

―――あー、じゃあやっぱり感動に近づけるように調整してるんだよね。もともと目で見た感動に。それはやっぱり感性の世界だよね。写真やってる人や映画を撮る人とかって、目そのものがファインダーっていうか、みんなとは違うものを見てるんだろうなって感じる。

意外に狭くていいんだよ。写真撮るって。それが面白い。

―――そっかー。目は無意識に広く漠然と見てるからね。

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(「へ?ここで撮ったの?」ってくらい小さいスペースで写真が撮れるのも面白い。)


◆光と空のギフト

 

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―――ちひろちゃんは日常の写真をよく撮ってるけど、それって日常を見る目が豊かになって、日常そのものを豊かにしてくれるものかもしれないよね。

うん、ほんとそうなんだよー、めっちゃラッキーって感じ。写真が趣味で。

―――日常がとってもポジティブになるような気がする。

なんかね、光って、どこにでもあるやん。空もそうなんだけど、誰でもその美しさに気づこうと思えば気づけるし、空も見上げようと思えば見れるよね。感じ方はそれぞれだけど、でもだいたい、空はきれいやったら気持ちいいやん? 

それはさ、お金持ちでも貧乏でも、ハッピーでも今とても大変でも、厳しい生活をしてる人や戦争がある地域でもさ、みんな平等に見れるやない? ほんと、光って降り注いでてさ。ギフトだなあって思う。


―――ほんとだねえ。そういうことって、昔から思ってた?

いやいや最近。去年の今ごろに思ったんだよね。ほんと平等だなーって。秋は特に光が美しいからね。
ただ、自分が気づかないとね、気づけないんだけどね。


―――ちひろちゃん、前にさ、「そういう日常の美しいものを美しいと感じられなくなったらどうしよう」っていうようなこと書いてたよね。ツイッターだっけ・・・。

あ、うんうん。書いてたっけね。

―――それもわかる気がする。やっぱり、美しいものに気づけない、美しいと感じられなくなるときもきっとあるよね、人生いろんな状況があるから・・・。
でも、やっぱり普段から心がける、っていうとちょっと違うけど、普段から感じるアンテナを立てておくほうが、気づきやすくなるってのはあると思うんだよね。

そう。気づかなくなっちゃうからね。

―――で、写真に撮ると残るから、それがまたいいよね。撮った写真を見返すと、すてきな瞬間を積み重ねて暮らしてるんだ、っていうのが実感できる。私も日記書いててさ、楽しかったことや感動したことをたくさん書くようにしてるんだよね。

そうだねえ。

―――なんか、語り残したことない? これは話しときたい、みたいな。

いやいや(笑)。光と空が平等だなーって話ができてよかった!!

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【編集後記】

インタビュー:イノウエ エミ

大好きな友だちは、尊敬すべき友だちだった。
と、この2年近くのちひろちゃんを見て思っています。
きっと誰の人生にも、いろんな不安や苦しみに襲われる時期はある。そんな時期にも、美しいものを見て美しさを感じること。毎日の小さないろいろを楽しむこと。ちひろちゃんを見ているとその大切さがわかります。それは、苦しい時期には難しいことですが…。だからこそ普段から大切にしたい。美しいものを感じられる目をひらいておくこと。窓を閉ざさず開けること。外に出て季節の匂いを嗅ぐこと。
路上の花の思わぬ生命力や、眠たげな子どもの顔や、投げ出された赤いタイツ、ビルの上の鱗雲…落ち葉のじゅうたんに伸びる長い影・・・。
この写真たち! ちひろちゃん家族はいつのときも祝福されている。そう思います。それは私たちの家族、私たちの人生も同じ! 光と空はいつもみんなに降り注いでいます。どんなときも。

・・・あら? なんかちょっと、宗教っぽい文章になっちゃってるかしら?(笑) 普段は私たち、他の友人や子どもたちも含めて集まって、美味しいもの食べてご機嫌で飲んだりしながら、他愛ない話をしています。


写真:橘 ちひろ

いや~!ありがとうございます!
なかなか上手く文章でまとめられないでいるのでエミちゃんにまとめてもらって本当嬉しかったです。
本当、エミちゃんって聞き上手の聞き出し上手の汲み取り上手♡
例えば全くしゃべらない相手でも一記事書けちゃうんじゃないかと思います 笑 いや、本当に!
写真はインスタグラムにアップし続けている日々のスナップから抜粋しました。




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vol.25 ちほ の 「ママじゃない私」 ポートレート

 

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ほちゃんはワーキングママ。平日はお仕事なので、土曜日に、おうちにおじゃましましたー。
小学4年生の娘さんに年中さんの息子ちゃん、「ママじゃな」企画コンビの2人、それに子守も兼ねて来てくれた共通の友だち夫婦、それぞれの子どもたちもみんな入り混じっての楽しい持ち寄りランチ! ママじゃな史上、最高に賑やかな中での取材です。
時はハロウィンの季節で、お部屋も素敵に飾りつけしてありましたよ♪ 翌日は別の友人たちを招いてハロウィンパーティするそうで…

 

ハッピーハロウィン♪ パーティ・ピーポゥです。

 

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―――今日もこんなに大人数でおじゃましちゃってるのに、明日もハロウィンパーティなんだね。
ていうか、前に一緒にランチしたときも、「今夜、うちでWiiパーティなんだ」って言ってなかった? もしかしてパーティ好き?

パーティ・ピーポゥなんです(笑)。いや、私、飲むのすごい好きだからさ。

―――あ、そうか。じゃ、子どもを遊ばせつつ・・・ってことね。

外のお店とかだと、子どもたち一緒だとゆっくりできないから。

―――そうだよね。結局、おうちパーティが楽なんだよね。

で、私、なんか今日、服もパンプキンカラーなんだけど。(カーディガン)着てたほうがいいですか? 脱いだほうが?

――(ちひろ)どちらでも。どちらも明るい色で素敵です♪

(これまでのポートレート記事を)見てると、皆さんけっこうシンプルな服装だよね。

―――おうちでの撮影が多いからかな? 部屋着、とまではいかなくても、家で動きやすい感じの・・・。



別居婚のち遠距離通勤、早産、そして東京生活

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―――卒業してからのヒストリーを、簡単に教えてもらえる?

えーっとね、大学を卒業して、縁あって、大分県公務員になりました。

―――具体的にはどういうお仕事?

福祉関係だね。妊娠したのが31か2だから、まあそれぐらいまで。

―――あ、じゃ、結婚も大分で?

大分に住んでるときなんだけど、えっとね、ダンナは大学時代の後輩だけど、彼は一般の会社員になって、福岡に勤めてたの、そのとき。だから最初は別居婚

―――別居婚。ほう。

最初、大分と福岡で1年くらい別居してて、2年目からは北九州で一緒に住んで、夫は新幹線福岡に通って、私は鈍行で中津に。

―――日豊本線ね。けっこう遠いよね?

鈍行で1時間。でも北九州の家は、駅のすぐ隣って感じだったからね。で、夫が東京に転勤になって、私は妊娠中で、中津に一人で職員住宅に住んでて。
産休に入るつもりだったんだけど、妊娠6か月くらいで切迫早産になって、結局8か月で出産。


―――わあ。そうだったんだ。大変だったね。

遠距離だし、あっち行ったりこっち行ったり、仕事も出張も多いしね・・・って感じでいろいろ心配なこともあったから、結局辞めたの。小さく生まれたから少し大きくなるまで実家にいて、それから東京に行って、専業主婦生活が2年くらいかな。で、娘が2歳半くらいでまた福岡に戻ってきて。

―――また、ご主人が転勤になられて。

そう。それで、娘が3才になったときに、また仕事を始めた。と同時に、娘は幼稚園。

―――あ、幼稚園。保育園でなく。

休職中は保育園って入れないし、年度の途中だったから入りにくいから、延長保育が充実してる幼稚園を探してね。

―――それが、今の仕事?

そう。だからもう、長いんだよね。福岡市嘱託です。

―――やっぱり、また福祉系のお仕事ね。

そう。役所って勝手がわかるから、そういう意味ではやりやすくてね。

 

 

◆効率的・・・というより雑なんです(笑)

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―――ちほちゃんてすごくしっかりした人に見られる気がするけど。

あー、そうかもね。第一印象ではね。

―――実際しっかりしてるんじゃない? たとえば仕事してて、ダンナさんは今、単身赴任。すごく忙しいと思うけど、時間のやりくりとか家事とか、合理的に効率的にやれてる感じ。

それはねぇ。やりくりしてるといえばそうなんだけど・・・雑なの(笑)。

―――そうなん?(笑) 家、めっちゃ綺麗やん。

いやいや、普段はこのカウンターやテーブルもね、プリントもあり、あんなのもこんなのもありで、カオス状態(笑)。月曜からスタートして、向こう側からこっちへだんだんモノが侵略してきて・・・

―――わかる! 金曜日にこっちがわまで来たのを、土日にまたがんばって向こうへ戻して、でまた月曜からだんだん潮が満ちるように・・・

だいたいね、ばっちぃのあんまり気にならない。たとえばね、食べこぼしがあって、その上にお茶碗置いて食べても全然大丈夫。

―――おーっ(笑)。それは、もともと? 子ども産んで忙しくなったからじゃなく?

もともと。母親になってから、子どもの教育上、あんまり良くないなと思って、心がけるんだけど、途中でどうでもよくなって(笑)。
だいたい、土日のほうが疲れちゃうわけよ、パーティしたりなんたりで(笑)。けっこう予定も詰め込む。習い事もあって、バスで行くときは朝7時半に家を出たり。


―――もう、出勤と同じやん、それ。

そう。そんなんでいろいろしてたら、月曜からすでにすごい汚い。

―――取り戻せないまま週明けになっちゃうんやね。

で、月曜になったら「もういっか」ってなる。

―――あはははは(笑)

月曜だからしょうがない、って。

―――(笑) いやでも、平日働いて、土日にもいろいろ活動できるって、体力あるよね!

そんなことないと思うんだけど。効率的っていうか、ちゃんとしないで寝ちゃうから。

―――平日も早く寝る?

うん。けっこう早寝早起き。

―――あ、そうなんだー。どれくらいのレベルで早寝早起き?

9時半とか。今はね、子どもたちが先に自分たちで寝てくれるようになったから、ちょっと遅くなってるけど。

―――あ、早い! てか、仕事から帰ってそれまでに片付くのがすごいね。

でも雑(笑)。

―――いや、いくら雑と言っても、ごはん食べさせて片づけてお風呂入れて、洗濯ものだって毎日あるやろ。

まあ、乾燥機が全部やってくれるから。食洗機ルンバもあるし。

―――おお、働く主婦の三種の神器! 朝は何時に起きる?

5時。だんだん冬になると、少し遅くなるけどね。

―――すばらしー! 子どもが起きるまで何してる?

うーん、ボーッとしてる。

―――えっ。

自分の時間というには少ないからね。ボーッとしてたらすぐ6時。

―――ほんとにボーッとしてるの?(笑)

うーん。片づけたりとかね。


 

◆睡眠大事。何をさしおいても寝る!

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―――ともかく、9時半とかに寝て5時に起きるなら、睡眠不足ではないね。

睡眠はすっごく大事にしてる。私すごく雑なんだけど、本当はそれなりに丁寧な暮らしをしたいの。でも、疲れると、どんどん雑になる。

―――わかるわかる。

ま、日常生活は、正直、雑でもまぁいっか、ってとこもあるんだけど(笑)、仕事のほうで集中力が落ちて来るんだよね、疲れると。文字の間違いとか、つまらないミスが増えたり、仕事で話をしていても、なんかこう、ピリッとこなくなる。それが困るから、何をさしおいても寝るようにしてる。昼寝もしてる。

―――あ、昼寝って職場で?

そう、ごはん食べたあと、空き部屋で5分、10分ね。寝て、少しでも雑にならないようにしてる。仕事ではね。

―――仕事は面白い?

うん、やりがいはあるね。

―――福祉系のお仕事で、前向きにウキウキするようなお仕事じゃないよね?

そうね・・・。でも、深いというか。いろいろな方に会って話をするけど、そのたびに学ぶことがあるし、考えさせられるよ。

―――仕事をしてる良さって何だと思う? 

それはなんたって、言い訳をできることだよ。仕事では「子育てが大変」って言って、ママ友には「仕事が忙しくてさ」って(笑)。

―――ああー(笑)。

専業主婦だったら、ある程度、主婦クオリティを求められる気がする。いや、人がどう思うかは別にして、自分がそう思っちゃうのかな。日曜の昼はラーメンでいいやとか、思えないんじゃないかな。いや、私なら思うか(笑)。

―――社会とつながっていたい、みたいな気持ちってある?

あるある。ずっと子育てっていうのも、よだきいしね。“よだきい”って方言だけど。でも、エミちゃんとかの話を聞いてると、幼稚園の帰りに遊ばせたりとか、そういうのはいいなーと思う

―――見られるもんね、子どもの様子が。

見られるし、楽しいよね。

―――仕事でストレスはないの? 

もうお局様だからさ(笑)。

―――ちょ、まさか、ストレス与えてるほうじゃなかろうね、周りに(笑)。

与えてるほうだと思うよ(笑)。与えてるほうはもう、しょうがない、あきらめてもらうしかないね(笑)。

―――割り切るなあ!(笑) 

  

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※あ。お仕事に関して。ちほちゃんに、とても良いページを教えてもらいました。
“社会福祉にかかわる相談者の基本7原則” ですが、
「クライエントの感情表現の自由を認める」
「決して頭から否定せず、どうしてそういう考え方になるかを理解する」
「善悪を判じない。カテゴライズしない」「自らの行動を決定するのはクライエント自身」
・・・・など、我が子や家族、周囲の人々、そして自分との向き合い方でも大事な視点だと思ったので、興味のある人はご参照くださーい。


   

◆よく喋る。夫も子どもも、よく喋る。

 

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私ね、「ママじゃな」に出ようと思ったひとつにはね、写真を撮ってもらおうかなと思ったのよ。大学時代の友だちと久しぶりに会って、レストランで一緒に写真を撮ったら、二の腕が衝撃的でさ。

―――あ・・・なんかちょっと、年齢を感じた、みたいな?

年齢が出てた! あれけっこうショックだった。なんか、私の41才の写真がこの1枚だけって、あまりに悲しすぎると思って(笑)。

――(ちひろ)人が実際に見てる以上に、どうしてか写真には年齢がもっと強調されることがあるから、あんまり気にしなくていいと思いますよ♪

―――そうそう、今日は綺麗に撮れますよ~♪ 今日の写真は、ダンナさんには見せる?

いや~。見せないかなあ。言ってないもんね、今日の(取材の)こと。

―――ちほちゃんはさ、ダンナさんとはよく喋るほう?

めっちゃ喋る。

―――あ、そうなんだー。いいことだよね。ダンナさんもよく喋るの?

喋る。子どもたちもよく喋る。もう~~、よく喋る。

―――よく喋る家族(笑)。いいね。ダンナさんとどんな話する?・・・って聞かれても困るだろうけど。

もう、どうでもいいようなことっていうか、子どもの話とか、お金の話とか(笑)。何でも話す。仕事の内容とかはね、あんまり話さないけど、今日職場でこんなことあったとか。

―――聞いてくれるんやね?

聞いてくれる聞いてくれる。

―――じゃあ今さ、ダンナさん単身赴任であまり喋れないのは、慣れた?

うん。それはそれで。ま、電話で話したりもするし、話さないからストレスが・・・とかってのはないね。職場でもずっと喋ってるし。職場の話をママ友にすると、「あんた仕事してるの?」て言われるくらい(笑)。

     

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(ほら!ママを笑わせて~! ・・・七五三撮影の逆バージョンみたい 笑)

 

 

◆40代、「ホットなママ時代」が終わったあとで

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―――40代になったら楽になった、っていうか、感覚が変わったみたいなこと言ってたよね。30代までは人と比べてちゃんとしなきゃみたいなのがあったけど・・・だっけ?

そうそう。もう出し尽くしたからね、40代は自分にあるものでやってくしかない。

―――周りと比べる感覚はなくなってくるよね、だんだん。

娘が小4だけどさ、もう子どもによってほんとそれぞれになってきてるもんね。
中学受験する子はそろそろ塾に入って受験対策し始めるし、本格的にスポーツしてる子は週4,5回やってたり。小さい頃は、みんなと同じ感覚でスイミングしたり、とかあったけど。


―――そだねー。でも、下の息子ちゃんは、まだ小さいよね、年中さんだから。

それでも、ママとして一番ホットな時期は過ぎた気がする。もっと小さいころはさ、子どもがどういうこと考えてるか、見てたらだいたいわかった。でも今は聞かなきゃわかんないよね。

―――そうだね。もうしっかり、いっちょまえの人格があるもんね。

あとやっぱり、現実的に時間かなー。「お風呂に入って寝なさい」って言ったらできるから。

―――子どもはどんどん大きくなっていくけど、たとえばあと3年後とか5年後とか、どうなってると思う?

あー、たぶん全然変わんないと思う。

―――あ、そう? 時間の使い方とか変わらない?

たとえばさ、子どもが小さい頃ってもっとやることいっぱいあったやん。お尻拭いてあげたり着替えさせたり・・・。そんな手間はもうなくなったけど、だからといって今、私の時間が増えたかといえばそうじゃないわけよ。

―――確かにそうやね。

だから、そういう時間がだんだん拡大していくだけで、やってる感じとか忙しさはあんまり変わらないんじゃないかと思うけど。

―――子どもが大きくなったらこれ始めようとか、あったりしない? 

あー、私ね、習いごとマニア(笑)。

―――そうなんだ!(笑)

なんか、教えてもらったり、話を聞いたりするのが面白い。でも、ほんとにまったくの一人時間がないとできないよね。家族といるときは家族の時間にしないともったいないから。実は私、焦る~って気持ちもある。「子どもを何をし尽くすか?!」みたいな。遊ばなきゃ、って。

――(ちひろ)いいですね、なんか(笑)。ギラギラ。

――― いっしょに遊べるうちに、てことね。中学生になると部活とかもあったりするし・・・。

そうなのよ!

―――ちほちゃんは、なんか、今を生きてるって感じやね。物事を深刻に考え過ぎたり先のことをうじうじ心配したりしないような・・・。

あー、そう。なんか、アホみたいやね(笑)。特に、人と話すと、そういうところが出ると思う。

―――あんまり悩みを人に相談するとか愚痴るとかもなさそう。

どうかなー。あんまり不満とかもないねぇ。いや、日々、小さくイラッとすることはそりゃあるけど、でも、大きく言うと特にないかな。

―――いいことだよね。あんまり、ナーバスになりすぎない力って大事、生きやすさにつながる気がする。

そうねー。私は「楽に生きてる」って言われる。

―――あ、やっぱ言われる? それって、性分なのかな。もともとの性格…。

性分だと思う。血。みんな、ストレスを受け取るほうじゃなく与えるほうね(笑)。

―――(笑) いや良い性分ですよ(笑)。


(おわり。)

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(土曜の昼下がりフル子連れで挑む取材、友人夫婦の最強(!)シッターさんのおかげで楽しくスムーズに終了しました。スペシャサンクスです。写真はF氏がマジックを披露しているところ。写っていないけどもう二人こどもがいるのです。にぎやか~! 笑)

 


【編集後記】

インタビュー:イノウエ エミ
わーわー! 私も雑な星の住人なので、雑なお話のあたり、あるあるの嵐でした。そう、片づけても片づけても、どこからともなく机上にわいてくる書類やら小物やらゴミたち・・・(捨てろよ)
でも、同じく雑だといっても、ぐうたらな雑星人の私と違い、ちほちゃんはアクティブ! 人生いろいろ、雑にもいろいろ。

ストレスを与えるほう」なんて、ほんとはそんなことなくて、ちほちゃんは周りも楽にさせる人じゃないかな。明るくて楽しくてさばけてて、裏表がないな、とすぐわかる。信頼させてくれる懐の深さを感じます。ちほちゃんと話してて、私がもらってるのは元気だと思います。

ふだんは幼稚園のママなど、自分と似たパターンで生活している人と会うことが多いので、仕事をしてる女性の話を聞くと、いろいろな違いも感じ、面白く、刺激的です。楽しいお話ありがとう。そしてさすがパーティ・ピーポゥ、ホストもスピーディで自然体! 子どもともどもくつろいじゃいましたー。 

写真:橘ちひろ
一枚目の写真は自分の「いい!」と思った感覚を信じて、思い切ってこの写真にしましたよ。初のストロボ使用です。
うん、やっぱり好き♡

ちほさんはおしゃべりが上手で表情も豊か、きっとお仕事もバリバリとされているのだろうなぁと、想像するとうっとりします(^_-)-☆
でも正面切っての撮影は案外照れ照れでかわいらしかったです。そして古くからの友人まきちゃんとおしゃべりしているカットはとても柔らかい表情でドキッとしました。このときもっと撮っておけばよかったなぁ。こんな表情も引き出せるようになりたいです。

インタビューでは「ホットな子育て期が終わってきている」と感じられているようで、そのあたりを冷静なのに熱く、でも気負わず捉えているのがいいなぁと思いました。今自分はたぶんホットな子育て時期なのですが(下の子が1歳男児)自分のこれからの事を考えては焦り、反面、子供が手を離れていくことを思えば焦り・・・という感じです。こうやっていろんな方のお話を聞いているととても参考になります。
取材を受けていただいて、本当にありがとうございました~!

 

特別編:デンマーク研修レポート(下)私たちも変われるかもしれない


前の記事、 「特別編:デンマーク研修レポート(上)デンマークってどんな国?」の続きです。

 

茉莉ちゃんのレポートで、もっとも驚き、また印象深かったのは、

デンマークは4時には既に帰宅ラッシュで、
5時ごろには家族が帰宅し、そろって夕食を食べるのがあたりまえ

ということでした。

自動車税が高いこともあり、コペンハーゲンでの主な移動手段は自転車。
専用の自転車道が整備され、子どもを乗せる前カゴ(デンマークは寒いのですっぽりと覆うボックス仕様)つきの三輪自転車で通勤する男性も多いそう。

 

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コペンハーゲンの通勤ラッシュ)

 

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(カメラを向けると恥ずかしがって顔を背けた子を見て茉莉ちゃん、うちの子と同じだなーと思ったそうです)


報告会に同席されていた、福岡ジェンダー研究所理事の倉富史枝さんが

男女共同参画の問題に長年取り組んできたけれど、結局は労働問題に帰するように思います」

とおっしゃっていたとおりですね。

保育所や教育やシングル家庭・・・いろいろな問題がありますが、
結局は、働く環境や働き方が変わらなければどうしようもないよね、って話なんだよな。



さて、わたくし。
この「ママじゃない私、ポートレート」を2年半やってきて、
特別編も含めれば、25人以上の方々にインタビューさせてもらいました。

始めたきっかけは、

「子どもを産むと、「○○ちゃんのママ」と認識され、呼び合うこともあるけど、
 一人一人のお母さんにはそれぞれの個性や生活があって、
 年齢も出身地も趣味も性格も、学生時代や独身時代にやってきたことも、全然違う。
 そういう姿を写して、話してもらったら面白いんじゃないかな。」

という気持ちからでした。

多様性を描き出す企画にしたかったんです。
実際に、多様性、出てるよねって思います。
色とりどりのパレットのように。

いろんな人に話を聞けば聞くほど、いろんな人がいて、いろんな人生があるなーと思います。

けれど最近、同時に、

人々はこんなに多様性に富んでいるのに、社会の枠組みはとても窮屈で強固なものだな、

とも思うのです。

結婚や出産で仕事を辞めている人が本当に多い。
将来的にも、家庭との両立を考えるとやっぱりパートタイマーかな、とか。
ええ、企画者である私やちひろちゃんからして、そうなのです。

私自身もそうですが、専業主婦であることを本人が不満に思っているわけじゃない。
「もともと大した仕事をしていなかったし、仕事の能力が高い人間じゃないし。」
・・・と、多くの人が言います。

でも、家事や育児にだって、
段取りや忍耐力、対応力やコミュニケーション力など、
かなりマルチな能力が必要ですよね。
そのうえ、PTAなど煩瑣な「お仕事」を立派にこなすママたちもたくさんいます。

 

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茉莉ちゃんのレポートで興味深い話がありました。

就職の面接の場面での実験。
 「男性と女性が、まったく同じ履歴書を持ち、まったく同じ発言をする。
  面接官の反応は男女で全く違って、
  男性と同じように振る舞う女性は傲慢で売り込みすぎだと評価され、
  採用は男性に決まる。」

 

うわー、現実にありそう!

学校を出て就職する段階で、
男性と女性は既に、はっきりと区別されているんですよね。
女性に割り当てられるのは、補助的な仕事だったり。

女性のほうもそれが当たり前だと思っていて、
能力があっても、目立つのを避けて遠慮しがちだったりする。
そして、結婚し、出産し、職場を去る。
持てる能力を発揮できる機会がないままの人も多いんじゃないかな。


「私は専業主婦でいい。外の仕事より家の中の仕事の方が好きだし、
 子供の成長をじっくり見ることができる」

という意見もあり、これまた私もそうなんですが
(いや、別に家の中の仕事が好きなわけでもないな…←ものぐさ人間)、

それが女性の特権のようになっている社会の実態はどうなんだろう?とも思うのです。
男性の、いわゆる専業主夫の人もいるでしょうが、女性に比べると、きっと肩身が狭い思いをすることも多いじゃないかな。

私自身、「ママじゃな」みたいな企画をやったり、
子どもの幼稚園の行事や放課後の時間にかかわる時間は楽しいものですが、
その分、私の夫が外で働いていて、つまり夫には、そんな時間も機会もずーっと少ないわけですよね。
なんかごめん・・・って気分にもなります。

だって、子どもが小さくてかわいいのは、人生の中ではわずかな期間なのに。

夫も妻も両方が、家事にも育児にも仕事にも、半分半分くらいでかかわれたらいいなと思います。
いや、人には向き・不向きがあるから、必ずしも半々じゃなくてもいいけど、
男性は外働きが当たり前だよね・・・家族の世話は女性メインの仕事だよね・・・みたいなのが暗黙の了解のように共有されるんじゃなくて、
個々の家族、それぞれの希望が叶いやすい社会だといいなー、と。

 

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実際は、ママじゃな のインタビューで聞いていても、周囲の知人友人を見ていても、
仕事をしている・していないにかかわらず、
家事や育児の作業の大部分を妻のほうが担っている夫婦がとても多い。
残業や休日出勤が多いダンナさんもたくさんいます。

そして、それをみんな「しょうがない」「当たり前」だと思っている。
多かれ少なかれ、みんなそういう中でがんばってるんだから。
もう慣れてるから。
夫に仕事があるだけ有難い世の中だから、と。
たまたま夫の理解や協力が得られている女性は、「私はラッキー」「恵まれている」と言う。

もちろん、受け容れざるを得ない現実があるわけです。
夫(自分)の職場の環境なんて、変えられないし。
とにかく夫がいなかろうが何だろうが、家事育児を回さなきゃいけない。
毎日忙しくて、あれこれ考えるヒマも余裕もないですよね。

でも、個人の生まれや育ち、性格や価値観はこんなに違うのに、
この社会のあり方への態度は、驚くほど共通しているんだなあと、考えてみれば不思議です。
ある意味、子どもの頃から、「それが普通だ」と刷り込まれているのですよね。

 


だから、茉莉ちゃんのデンマーク報告がとても響きました。

4時に帰宅ラッシュ。家族そろっての夕食。休日。
保育所が足りないなんてことはない。
教育費と医療費が無料。

そんな社会も存在してるんです。
私たちは、それを望んでいいんだと思いました。

しかも、それは、デンマークの伝統的風景ではありません。
人々の願いが結びついて、この数十年間で実現してきたことなのです。

倉富さんは、
「家族が愛情を持てる社会づくり」とおっしゃっていました。

家族だから愛し合い助け合うのが当たり前なんじゃない。
保育や医療、介護の環境が充実していて、家庭の中で何もかもを背負わなくていいから、家族が仲良くいられるのだ、と。

子どもたちが子育てをするときには、
変わっていってほしいなと思います。
これは、分不相応で贅沢な願いじゃないはずだ。

私たちが「今のままでいい、しょうがない」と思っていれば、
子どもたちの時代にも、変わらないでしょう。

変えていきたいんだと思って、
そういう目で政治を見つめ、参加していきたいなあ。

政治参加って大ごとのような気がするけど、
茉莉ちゃんも言ってました。

「専業主婦の私が、こんな研修に参加していいのかなと思った、実際に専業主婦は私だけだった。でも、本当はそれが政治参加だし、男女共同参画

広い世界を知ることって大事ですね。
地に足のついた生活は大事だけど、身の回りだけを見ていると、どうしても固定観念にとらわれてしまいます。

知ることが、第一歩。
そう思いながら、新しい年齢を始めたのでした。
・・・そうっ! この日、私の誕生日だったんです!!
またひとつ大人になったとですたい。

長い文章を読んでくださった方がいたら、ありがとうございました。
茉莉ちゃんにも、報告会に携わった皆さまにも、ありがとうございます。

 

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