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“ママじゃない私” ポートレート

いつものあなたの、いつもと少しだけ違う顔。いろんなママたちの、「ママじゃない顔」ポートレート。

vol.20 itsuko の 「ママじゃない私」 ポートレート

 

 

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梶田さんのどんぐり文庫で“ママじゃな”を紹介させてもらった数日後、メールでコンタクトくださったのが今回のモデルのitsukoさんです。

「いつも子どもの写真を撮るか、子どもと一緒の写真がほとんどのお母さん。たまには自分が主役になって、一人で映ってみませんか?」というのが“ママじゃな”のテーマのひとつなんですが、彼女からのメールには
 『本当に自分の写真って少ないので、30歳という節目の年でもある今、お願いしたいと思いました』
とありました。わー、大歓迎です! 

7歳、4歳、2歳と3人のお子さん達のママであり、【グローバル育児®】のインストラクター・コーディネーターというお仕事もされてるitsukoさん。ブログこちらですよ~!



納豆を一人で1パック食べられたときの幸せ!(笑)

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―――アンケートの回答で印象的だったのが、日々の楽しみや、幸せだな~と感じる瞬間について、とても身近で細かいことを列挙されてて。

そうでしたか? 何書いてたっけ(笑)。

―――「満月を見ること」、「家から朝日や夜景を見ること」、「子どもと一緒に9時に寝るぞ!と決めてお布団に入ること」、「納豆を1人で1パック食べられたこと(普段は娘さんに横取りされるから)」とかね。

あー、書いてましたね(笑)。

―――身近な小さいことでちょっとした幸せを感じられるのって、暮らしを楽しむ秘訣じゃないかなと思って。それが、itsukoさんのハッピーオーラにもつながってるんじゃないかな。アンケートに、「昔から、よく人に“いつも楽しそうやね”と言われる」と書いてありましたよね。

そうなんです。

―――昔から、そんなふうに、小さなことで楽しめるタイプでしたか?

そうですね。くだらないことでも企画して盛り上げたくなっちゃったり。自分なりの、なんかマニアックなツボに入っちゃって笑いが止まらなくなったり・・・。

―――企画! すごいですね。アイデア出したりするのは・・・

もう、大好きですね。なんかこう、「全部楽しいほうにもっていきたい」って感じでした、昔は。母親になってからはそんな機会は少なくなったけど、学生時代の友だちに久しぶりに会ったときとか、そういう感じを思い出しますね。今ちょうど、結婚式が多い時期なんですよ。

―――そっか、30才前後って、そうですよね(←もう久しく結婚式に行っていない人 笑)。

 

◆ご主人は、「生きる力が強い人」

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―――itsukoさんは、ご主人との出会いは?

大学時代ですね。

―――ご主人、釣りがお好きとか。

今日、ちょうど休みで、めちゃめちゃ久しぶりに行ってるんですよ。夜3時ごろに家を出たかな。

―――えー、本格的なやつですね! 何が釣れるんだろう?

本人はマグロを狙ってるんですけど(笑)。だいたいは、ヤズとかタイとかイカ、カサゴ・・・。

―――(ちひろ)あー、お刺身おいしそう・・・

―――ブログで、釣った魚をご主人が自分でさばいてる写真、見ましたよ。

それが好きっていうか、自分でちゃんとやりたいみたい。神経を締めてウロコは水につけず・・・・みたいな、鮮度を保つためのやり方がいろいろあるみたいなんですよ。

―――へー! 新鮮な魚をさばいたくれて、丸ごといただけるなんて贅沢! ほかにも、アウトドアなことされるんですか?

バイクとかスノボ、バレーボールとかスポーツも好きだったけど、子どもができて仕事も忙しくなって、いちばん好きな釣りに絞って。なんか、そういう、「これだけは」っていう好きなものがあるのは、うらやましいなと思います。

―――ああ、わかります、そういう気持ち。

私は、何でも手を付けるけど、極められないタイプなんですよね(笑)。

―――ご主人について「生きる力が強い人」とアンケートに書いてたのは、どういうことですか?

なんか、人と接するのがうまいんですよね。すごい面白い話をするとか、めっちゃ笑顔…とかいう感じじゃないんですけど、人に好かれる。たぶん、人にいろいろしてあげられる人だから。気を遣ってるわけじゃないんです。無理してないから、本人も疲れずに、ほんとに自然とやってあげてる。

―――へええ、それはすごいですね! でも、ご自分がそうだったら、奥さんにも、そういう優しさや気遣いを求めてはこられないですか?

それは感じたことないですね。人として、変にやらしい部分がないから、ものすごく付き合いやすいです。

 

◆「自分の軸」がわかれば楽になる

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―――itsukoさん自身は、くよくよしたりすることありますか? 楽しいことだけじゃなく、悲しいことや、人のちょっとした言葉・・・マイナスのことも気づきやすいほうですか?

感じやすいですね。自分ではそう思います。

―――そうなんだ。じゃ、それで苦しい時もあったりします?

昔はそうでしたね。何か言われたとき、全部相手のせいにして、自分には目を向けないで・・・。今は、「なんでそうなったのかな」「ほんとは、全然違う感情が影響してたんじゃないかな」みたいに考えられるようになりました。たとえば自分に自信がない部分や、コンプレックスがあるから、悪いように受け取っちゃったんじゃないかなとか。

―――(ちひろ) ああ、ある程度、年をとらないとわからないような気がしますね。

―――いつごろから、そんなふうに思えるようになりましたか? 若くしてお母さんになられて、最初は自信がなかったと書かれてましたが・・・

やっぱりすぐにはできなかったですね。何かのタイミングで、だんだん・・・という感じかな。

“自分のいいところも悪いところも客観的に見る” っていう視点を持てたときだと思うんですけど・・・。昔は人のいいところを見ると、なんでもかんでも「自分もそうなれたらいいな」みたいに思ったり、人が持ってて自分にないものを「なんで?」って思ったりしてたんです。


―――ああ、あるある!

でも、できないことはできないと割り切る。自分は得意なことを強みとして伸ばしていけたら、それが自分の軸だなって。あれもこれも、ないものに目を向けてたら、ぐらぐらで軸が持てない。

―――アンケートや、ご自身のブログでも、「自分の軸」という言葉を使われてますよね。「自分の軸を見つける」ってちょっと難しい気もしますが・・・抽象的な言葉でもあるので。

そうですね、自分を引いた目線で見ることですかね。生まれたときから現在に至るまで、どんな時間と空間の中で過ごしてきたか、振り返ることがとても重要だと思います。
私けっこう、ひとつひとつ考えるほうなんですよ。「なんで私これが好きなんだろう?」とか。そうするとやっぱり小さいころにあることが多い。


―――親の影響や、生まれ育った環境の影響って、本当に大きいですよね。

そうなんですよ。そうやってルーツを探って自分と向き合っていったうえで、「じゃあ、今の自分が本当に求めているものってなんだろう? どういう生き方を望んでるんだろう?」と考えると、本質的なものが見えてくるんじゃないかな。
私はそれで、なんかすごく楽になったんですね。人の悪口を言っても何もみたされない、素直に愛情を表現して、ハッピーを追求したい・・・とても自分らしく生きてるって感じがしてきて。


―――自分の中にもともとあるけど整理しきれていない、気づけていない、そういうことがたくさんあるんですかね。

自分を愛せていないところが大きいのかなと思いますね。「こういう気持ち、なんでかな?」と考えたときに、「あ、これって我慢してたことなんだな」とか「それって必要なのかな?」と整理していくと、自分らしさがどんどん浮き彫りになっていくように思います。

―――自分を認める、愛するって大事ですよね。どうしても、人と比べたり、「ちゃんとしなきゃ」って思ったりしちゃうけど・・・。特に、母親になってからが、そういうことを一番考えさせられる。直面してしまうんですよね。誰でも、子どもにとっていい母親になりたいから。

 

◆身の回りのものすべてが「私らしさ」


―――そうやって見つけてきたitsukoさんの軸・・・itsukoさんの強みや、itsukoさんらしさはどういうことだと思いますか?

私は、アイデアを出すとか、何かをスタートするのとかは得意なんですけど、リスクを管理したり、コツコツやったりとか、そういうのが苦手。でも、苦手なことは「しょうがないや」と思ってます。

自分らしさって、自分の身の回りすべてかな、と思います。身の回りすべてに、人それぞれの価値観が表現されてますよね。たとえば出会う人、一緒にいる人もそうだし。使っている食器なんかも、自分がいいと思っているからここにある。使う言葉も。


―――ふむふむふむ。

例えば、自分のことをするための時間をつくること・・・美容室ひとつとっても、小さい子どもがいると難しかったりしますよね。

―――はい、はい。

子どもを置いて美容院なんて、ダメなお母さんかも・・・」って、前は思ってたんですよ。そんなヒマがあるなら遊んであげなきゃ、って化粧も全然してなかった。
でも私、綺麗な雑誌を見るのも好きだし、ビューティーとかヘルシーって自分の中で大事にしたいことなんですね。自分が自分らしく生きることで、笑顔になれるんだなと思うようになりました。


―――「自分はこれでいいんだ、人がどうであろうと、自分はこのやり方なんだ」って思えることですね。

23才で出産して、社会経験もほとんどない状態で、それが未熟とすら思わない、何も知らない状態で子育てをスタートして。たとえばもっと年齢が上だったりしたら、子どもに対しても違う声かけとかできたんだろうなと思う時期もありました。でも今はそこも通り過ぎて、今を楽しめるようになったかな。

 


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  (お洒落なアジアンリゾート風のお家、そんな中にも自然とマッチしていた

    可愛い世界地図コーナー。そしてitukoさん超笑顔!)

 

 

忙しい日々。葛藤もあります 

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―――敢えて聞きたいんですけど、逆に今、現在進行形で、すごい葛藤したり悩んだりしたことってあります?

葛藤ですか? うーん・・・。

―――お母さん自身が楽しく、楽に生きることが大事である一方で、人間って、悩んだり葛藤したりの経験によって成長する面もあるじゃないですか。

うーん。仕事と子育ての両立・バランスは、常に葛藤してますね。子育てを100%したい気持ちもあり、仕事をどんどんしたい気持ちもあり。「やっぱりこれは手放した方がいいのかな」「でもやれるとこまでやってみたい」とか。頼れることろは人に頼るんですが、「あれ、頼りすぎたかな?」というときもありますし・・・。相当意識しないと、どっちも中途半端になってしまう。

―――やっぱり、まだまだお子さんたち小さいですもんね。

子どもとの時間も含めて、すべて自分の時間だとは思うんですが、それこそ「ママじゃない私」である時間も確保したいんですよ。リラックスして本を読んだりとか。でも、目の前のことが忙しくて、そういう時間は本当に少ない。寝てる時でさえおっぱいあげたり・・・。

―――なんたって、子どもたちはママが大好きですもんね。

もうあと何年かは、この時間の中で、ほんとに細切れの時間の中でできることを、っていう感じですね。

あー、おいしかった。ごちそうさまでした。食べるのすごく好きなんで・・・


―――(ちひろ) でも、よく動くからかな? そんなにぽっちゃりしてないですよね。

あ、娘もだけど、私のことですよ。食べるのが好きって。

―――(ちひろ) え、itsukoさんは全然スリムじゃないですか!

いえいえ。ほんとよく食べちゃって。そういう葛藤もありますね(笑)。

―――どこまで食べるべきか、ガマンすべきか(笑)。


 

◆考える前に動く。子どもを信じる。

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―――ご主人は接客業で週末もお仕事の日が多いそうですが、お子さん3人とのお休みの日、どうしてますか?

出かけますね。もう全然、苦じゃなくなったというか。「3人いて、ああなったら大変、こうなったら・・・」って考えたら出られなくなるから、何も考えずに出ます。

―――ああ、それもitsukoさんらしさですね。まず動く。

失敗して、痛い思いを体験しないとわからないんですよ。でもそういうのもいいかな、って。やってみて気づけばいいや、って。


―――子どもたち連れて、どういうところに行きますか?

自然の中に行くと私も落ち着くので、糸島とか、海ノ中道とか、花畑園芸公園とか・・・そんなに遠出しなくても、もちろん、すぐそこの公園にもよく行きますよ。

―――疲れて、「もうっ! キーッ」ってなったり、「はぁーっ」みたいなことはないですか?

ありますよ! しょっちゅうですね。だいたい3時半くらいに「10分寝かせて…」って感じになるけど、できないまま後半戦突入(笑)。パパがいないときは全部自分でやって、生活だけでいっぱいいっぱい。「何でこんなにきついとかいな?」て考えたら、もっとおかずを作りおきしとけば楽なんだな、と思うけど、でも、だんだんまた、おんなじようになっていっちゃうんですよね(笑)。

―――だんだん余裕がなくなってね。わかります(笑)。

その中で、長男の宿題も見なきゃ、とか。子育ても1人目はいつも手探りですね。声かけとか、慎重にしてますけど、それでOKなのかどうかは、まだわからないですよね。

―――子育ての正解はわからないですもんね。少なくともずっと先にならないと・・・。

とにかく信じていくのが一番だな、って。子どもを。

―――そうですねー。でもそれがまた、難しいんですよね。信じたいけどやっぱり心配、ってのもあるし。

無意識に、「こうなったらどうしよう?」って思って先回りしてやっちゃったりしますもんね。でも、子どもが今できないことも、まだその段階まで来てないだけかもしれないし、親が意識しすぎてるだけかもしれないし、やっぱり自然体が一番だなって。

 

 

◆「サボっちゃった」でなく「手放せてよかった」と思う

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私の中では、「何とかなるやろ」っていうのが落ち着く言葉。「死にゃぁせん」みたいな(笑)。

―――サボることはありますか? 「もういい、今日はお弁当買っちゃおう!」とか。「今日は掃除せん!」とか。

掃除はもう、適当ですよ。それこそ「死にゃあせん」ですね。自分がイライラするくらい汚れると、本末転倒になるから、そこが基準かな。

食事に関しては、お弁当買ったりとかはあんまりしないんですけど・・・。私、料理もすごく得意ってわけじゃなくて、でもあんまり変なもの食べたくはないし、自分でできることを選んで、続けてる感じです。たまに手抜きしちゃったな、ってときは、「サボっちゃった」じゃなくて、「手放せてよかった」って思います。


―――(ちひろ)それ、私も思うようにしよう! 「手放せてよかったんだ」って。いっぱいいっぱいになっちゃってねー、時々。

時々の1回が、長い人生でどれくらいの重さがあるかって考えたらね。3人目で「ほんと限界」みたいなのが結構あって。2人目まで、けっこう頭でっかちでやってたことが、3人目で「もう無理やん」って。

―――物理的に無理になるんでしょうね。手が足りないもん。

もう、深く考えない。「それ汚いやん」とか1人目のとき思ってたけど、もう見ない(笑)。前に次男が、ズボンを前・後ろ反対に履いてて。それ自体、昔だったら「みっともないから履きかえて」って思ってたけど、もういいや、って。で、そのまま、公園で石のすべり台をすべって、破けてるんですね。前後反対だから、前が破れてるうえに、ちょっとおしっこが出て染みができちゃって。

―――あらら(笑)。

もうめちゃくちゃなんですね(笑)。おっかしくて(笑)。着替えさせてもまたどうせすぐ汚れるけん、お風呂までそのままでいいやとか思って。お隣の奥さんも「いいんだよ、それで」と言ってくれて(笑)。世間体や、「こうしなきゃ」って思い込みを手放すと、笑えてくることっていっぱいありますね。


(おわり。)

 

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【編集後記】

インタビュー:イノウエエミ

「ママが自分らしく生きてハッピーであること」「多様性」「今の時代を生きる子どもたちを育ててる」。事前にitsukoさんのブログを見て、キーワードにはすごく共感しつつも、のんびりフワッとやってる「ママじゃな」ですので、キッチリした理論とかはよくわかんないかも・・・と、ちょっとドキドキしつつの ほぼ初対面だったのですが、itsukoさんは優しく気さくに接してくれました。ありがとうございます。

大人っぽいルックスや聡明なお話の内容とは裏腹に、「まず行動してみる。痛い目に合わないとわからないタイプだから」というように、度胸があってひょうきんな部分もあるのかなと。笑い転げていた学生時代の姿も思い浮かぶような気がしました。一緒にいた2歳の娘さんが、すごく天真爛漫に、のびのびと遊んでいて…! itsukoさんが、子どもが今やりたいことをやらせてあげる自由を確保しているのがよくわかりました。

まだ小さい3人の子どもたちの育児を日々がんばってるんだけど、しんどいがんばりじゃなくて、楽しんでる。自分らしさを失わずに・・・。そんなitsukoさんの生活スタイルや考え方を聞いてると、「私もがんばらなきゃ、しっかりしなきゃ」と気負うんじゃなく、なんだかホッとするような気持ちがしてきたのでした。自分は自分でいいんだよね。ほんとそう思います。


写真:橘 ちひろ

お若いこともあるけれど、それでもとびっきり美肌・美髪のitukoさん、写真を編集しながらほ~っとため息ついておりました。すばらしいです。
そして大人っぽい外見からは意外や意外、「大きく口開けて笑ってる写真とかいいなって思う」って聞いて思い切り撮影できました。「どんな写真が好きですか?」って聞いてみてよかった。これからは聞いてみようかな。
itukoさんご本人はあまり迷いのない方なのかな、一つ一つ向き合って考えて答えを出していくことを積み重ねてきた上の迷いのなさというか・・・写真も不思議と迷いなく撮れて、文章にスイスイ入っていきました。