“ママじゃない私” ポートレート

いつものあなたの、いつもと少しだけ違う顔。いろんなママたちの、「ママじゃない顔」ポートレート。

番外編: 何度でも 何度でも

 

こんにちは。30過ぎてから睡眠力の衰えを感じるエミです。昔は、「3,2,1,グー」と、のび太くん並みの寝つきの良さを誇っていたのですが。

 

■大人には時間が足りない

 

ポツポツと友だちに「ママじゃな」ブログを宣伝してます。見てくれた友だちからは、「(ママ業で)忙しい中、こーゆーことやって、すごいね」のようなことを言われることがあります。

そうでなくとも、個人ブログのほうで無駄に長い文章を垂れ流しているので、 「毎日あんなに書けるってことは、相当、時間の使い方がうまいのでは?」 「集中力があるから、長い文章もダーッと短時間で書いているのではないか?」などと聞かれることもあります。

残念ながら真相はまったく違って、夫が一人・子どもが一人の小さな家庭の専業主婦たる私には、仕事をしている方や、子どもが2人3人いる方などより、断然、時間があるわけです。加えて、うちの夫は、かなり手がかからないどころか、みずから家事育児にすごく手をかけてくれる人で、それをいいことに、さらに極限まで(笑)家事の手抜きをしながら、どっかりとパソコンの前に座り、だらだらとTwitterやらまとめサイトやら見ながらブログを書いたり。

むしろ「怠惰の極み!」 (←ハマカーンの「ゲスの極み!」 ふうに読んでね・・・って、もう古いか)なのが、このわたくしです。

そういえば会社員時代には、上司によく 「あんたはほんと、ケツに火がついてからやるタイプだね」 「テストは全部一夜漬けで乗り切ってきたやろ?」 と言われていました。地味にコツコツのオタクタイプを自認している私としちゃー、大変、遺憾な評価であります。何が私をそう見せてたのかしら…。

ともかく、「短い時間をうまく使って大集中!」なんて、どこかで安く売ってたら断然買いたい能力です。今回は、集中力について考えてみたいと思います。

 

■「散漫に集中」ノ ススメ

 


集中力の産物かどうかは別として、この「ママじゃな」の記事にせよ、個人ブログにせよ、私に割と大量の生成物があるのは事実です。個人ブログのほうは、生成物っていうより排せつ物に近いような気もしますが(笑)、あれでも私なりに精魂傾けてる記事もあったりするのだ!

そーゆーものは、書く前に、ぼんやりと考えている時間がけっこうあるんです。しかも細切れ。茶碗洗いながらとか、エレベーターを待ってる&乗ってるときとか、布団に入って目をつぶった時間とかに、「何書こうかな~」「どういう順番かな~」と、ちょこちょこ思いを巡らせてます。

ブログだけじゃなく、仕事に関してなども、昔からなんとな~くそういう癖があったんですが、あるときキリンジ*1がインタビューで作詞作曲の方法について、

    • 弟: ファミレスに行くなど、場所を変えてみたりしながら、1回の長いトライをするんじゃなく、短いトライを繰り返す感じ
    • 兄: 散漫に集中する。掃除をするなど、雑事をしながらボヤーッと考えてると閃いたりする。


と異口同音に答えていたときは、飛び上がって喜びました。お、おんなじ~! アタシ、あの才能豊かな兄弟と、おんなじことやってる~! 「散漫に集中する」って表現がすばらしいですよね! さすがインテリ詩人(笑)

ってことで、今さらですが、今回のBGMにはキリンジのナンバーから、この時期にぴったりの「雨をみくびるな」をどうぞ。
 


雨を見くびるな KIRINJI キリンジ(P.D.M.) - YouTube

 

■時間を気にしてちゃ良いものはできない



昔、僭越にも、塾講師やら家庭教師やらのバイトをしてまして。幾人かのお母さんに、「うちの子は、集中力がなくて。家で勉強するときも、タイマーをかけて、テストのようにやらせたほうが良いのでしょうか?」と聞かれたことがあります。

(えーっと私シロートなんで・・ただの大学生なんでよくわかんないんですけどォ・・・)とビビりつつ、「や、それ、あんま、効果ないかもです」って答えてました。

たとえば、集中力を行使するため、 「きゅうりの酢の物を3分で作って!」というミッションが出されたとします。

    • ベテラン主婦の場合: タイマーで急かされるまでもなく、トトトトトッと小気味よい音とともに、目にも留まらぬ速さで切り終えてしまう。三杯酢の調味も、一回目の目分量でバシッと決まる
    • ダメ主婦(エミ)の場合: 焦って包丁を速く動かそうとして、指を切る。流血→止血→絆創膏。酢が多すぎたり醤油が少なすぎたりで、三杯酢の味、全然決まらない。

 

って結果になるのは、目に見えてますよね。時間を区切られたからって集中力がドバドバと噴出してクオリティが上がるもんでもない。むしろ逆だったりします。人はどこまでも、自分の能力どおりのパフォーマンスしかできないんだと思うんです。

先に登場した私の上司はすごく優秀な人でしたが、割と残業体質でした。上司=管理職なので、もちろん残業代目当てなどではないですよ。フロアから人が減ってからのほうが仕事が捗るのはよくある話。昼間は、やれ会議だ、電話だ、来客だと忙しいからです。

私も、春と秋の農繁期 繁忙期には、正規の労働時間では片付けられずヒーコラ言いながら残業してたもんですが、上司の場合、周囲が静かになってから創造的な仕事・思考力を要する仕事をよくやっていたのが印象に残っています。彼が何時まで働いてたかは知りません(先に帰るから~♪)。翌朝、ものすごい力作が披露されるパターンです。

それで私が何となく理解したのは、 「何もないところから何かを作ること、深く考えることのためには集中力が必要だが、集中するとは、本来、時間を気にしないことだ」 ということでした。

■瞬発力より大事なもの

 

えーっと、残業代ゼロ法案について述べている稿ではないんですが(笑)、 確かに、良いものをつくろう、良い仕事をしようと思ったら、定時がどうとか、残業代がどうとか、言ってられないところって、あると思います。

脳みそに甘いものを補給したり、(ちなみにその上司は、常時、LOOKチョコレート柿の種を引出の中に忍ばせてました笑)、同僚と談笑してみたり、トイレで5分寝てみたり、you tubeで動画みたり、明日に仕切り直したり、とにかくいろいろやりつつ、なんとかかんとか、できるまで集中し続けないといけないんです。何度でも、何度でも。

大人は忙しくて時間がないから、間違いなく目的を達するために締め切りをもうけます。

「ヒトが集中できるのは45分」なんて脳科学的(?)言説も聞いたことがあります。その短時間にいかにして集中するか、効率を上げるかを追求するのも大事でしょう。

けれど、もっと大事なのは、 「現実的 / 生理的に制限ある時間を、どう超えていくか?」ということじゃないでしょうか。

私たちは往々にして、「ガーッとやれる人」「モードをパッと切り替えられる人」のようなイメージをもとに、「私って集中力がないから~」と言ってしまうもんです。なるほど、短時間で高いパフォーマンスを見せる人は、現実にいます。集中の達人なんでしょう。

集中レベルは、場数を踏むことで、上げられる面もあります。きゅうりの酢の物を3分で作れるお母さんのように。であれば、嘆くべきは短時間に集中できないことではなく、「集中できないと嘆き、無理だと決めつけて、あきらめる」ことなのかもしれません。

忙しい大人が何ごとかを成すためには、

  • 短い時間での集中が切れたあとで、いかにあきらめないか?
  • どうにかして、また時間を作れるかどうか?
  • 短い時間をどうやって充実させるか?

のようなことが大事なのかも。

長い人生、瞬発力で競う局面はあまり多くありません。それよりも、継続や工夫。そもそも、情熱。しつこさとも言えそう(笑)。そういうのが、大人にとって必要な、大きな意味での「集中力」なんじゃないかな。それやり続けたら、しだいに習熟して、1回1回の集中時間の密度も上がっていくんじゃないかな。

・・・・なんてことを、パソコンの前に座って、散々だらだらネットなど見ながら、どーにかこーにか書きあげてみました。うぐぐぐぐ精進します。きゅうりの酢の物も、いつか3分で!

f:id:mamajanaiwatashi:20140410104934j:image:w220 (写真 橘ちひろ)