“ママじゃない私” ポートレート

いつものあなたの、いつもと少しだけ違う顔。いろんなママたちの、「ママじゃない顔」ポートレート。

大池どんぐり文庫、梶田さんに会いに行きました

 

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すてきな家庭文庫「大池どんぐり文庫」を長いこと主宰していらっしゃる梶田由美子さん。ずっと前から、ぜひ「ママじゃな」に登場していただきたいと思っていた方です。

文庫では、通常月2回のオープン日にやってくる子どもたちに、膨大な、そして選び抜かれた蔵書を貸し出しています。物語の語り聞かせ“ストーリーテリング”や、絵本の読み聞かせの時間もあります。
この快く、あたたかい空間はどのようにできたのか、以前からずっと知りたかったのです。2人のお子さんも既に育てあげていらっしゃる、ママとしても大先輩の梶田さんに、勇気を出して、取材のお願いをしてみました! 今回の代打カメラマンは、みやこ食堂でおなじみの京子ちゃんです。梶田さん、京子ちゃん、よろしくお願いしまーす!



●大好きなどんぐり文庫、大好きな梶田さん

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―――私がお友だちに連れられて初めてうかがったのは、「赤ちゃんどんぐり」の日ですね。0歳~就園前までの小さい子たちに読み聞かせやわらべうたをしてくださって・・・うちの子は1歳になる前、10か月くらいのときだったかな? 

そうでしたね。かわいかったですよねぇ。

―――中には当然、はしゃいだり、機嫌の悪い子たちもいるんだけど、なぜか騒がしく感じない、まとまった雰囲気で、すごくびっくりしたんです。「こんなことができるんだ!」って。
子どもが集まれば騒然とするのが当たり前だと思っていたから、どんぐりさんの落ち着いた雰囲気には本当に癒されて・・・

そうでしたか。それは良かったぁ。来てくださってるお母さんの声って、案外、聞ける機会がないので、今うかがって、「あーよかった」と思いました。

―――ね、そうだよね?(と、本日のカメラマン京子ちゃんに)

―――(京子)ほんと、梶田さんに癒されてます。

子どもと本のおかげだと思いますけどねぇ。そして、本当にいろんな方が助けてくださっているからですね。

―――どんぐり文庫のいちばん最初って・・・?

13年前だと思うんです。私たちが対応できる人数は限られてるから、チラシをまいたりとかはしないで、「口コミで来てくださったら、そのご縁を大事にできたらいいね」という感じで広がって・・・。
なんか、「緊張してる」って言う割に、ぺらぺらしゃべってますけど私(笑)。


―――ぜひぜひ、どんどん聞かせてください!

私ひとりでは、する勇気がなくってですね。私、声帯がちょっと弱いのか、幼稚園の先生をやっていたころも、声がよく枯れていたんです。だからお話の活動はなかなか難しくて・・・

―――子どもと接しようと思ったら、声の問題は、けっこうシリアスですよね。

そうなんです。でも、あるお友だちが、「だいじょうぶ。梶田さんが声が枯れてても、そのときには、私が読みますから。やりましょう!」って言ってくださって、それで、勇気が出たんですよ。
ほかにもたくさんの方に助けてもらって・・・「本を読んであげるのはできないけど、裏方をやるわ」って、ずっと文庫の貸し出し係をしてくださってる方とか。いろんな方の支えがあって、楽しい時間を過ごさせてもらってるんですよ。



●文庫のルーツ、原点

子どもも本も、もともと好きではあったんですね。私、大きくなっても、ずっと児童文学を読んでるような人だったんです(笑)。で、いちばん最初はですね、高校のときに・・・・ (と本棚に本を取りに行く梶田さん)

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これ、『子ども図書館』っていう石井桃子さんの本をたまたま読んでね。
ご自身で家庭文庫を始めた、その7年間くらいの記録なんです。私自身が子どもの頃に楽しんだ本がたくさん出てきて、文庫での子どもの様子もわかりやすく書いてらっしゃって、私、すっかりうれしくなってしまってね。何度も何度も繰り返し読んじゃ、わくわくできるんです。


―――なるほど~! これは、梶田さんの「原点」っていわれたら、すごくわかる気がします。今、パラパラと見ただけでも・・・

(この本の新装版↑をお借りして、読みました。すごく面白かったです! ちょっと、私も文庫がしたくなりました(笑)。事実、この本が出版されてから、日本全国で家庭文庫が急増したくらい、影響力の大きな本だったようです。)


で、「おばあさんになったころに文庫をしよう、うちで」と思ってたんです(笑)。子どもとお茶を飲みながら本の話をできるような文庫がしたいな、とずっと思い続けていて・・・

―――わあ、かわいい、すてきな夢!

そういう文庫がしたいっていうのは、前々から夫には話していたので、おうちを建てるときに、設計の人にお願いしたら、こんなふうに作ってくださったんです。

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(いくつもの大きな本棚には、色とりどりの本が並びます。文庫の日には、子どもたちが思い思いに本を選んで借りていきます。)


子どもだけが持っている特別な力

 

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―――今日の予習にという意味もあって、自分でも『子どもと物語の力』という文章を書いたんですけど・・・ 

 
とても面白く読ませていただきましたよ~。「そうだな、そうだな」と頷きながら読みました。

子どものころって、お話が、大人とは違う入り方をするような感じがして・・・なんていうんでしょうか、ただ見たり聞いたりしてるんじゃなくて、そのまんま入り込んじゃってるような感じがするんです。
子どもたちの顔が、本当にもう、なんていうか、別物のような、別世界に行ってるような。「体中でお話を感じてる」っていうと、なんだか薄っぺらいんですけど、もっと違うんですけど・・・


―――わかる気がします。なんて言ったらいいんでしょうね・・・

そんなときに、大人と子どもってやっぱり違うな、と思うんです。
だから、本当に、子どもの、そのときそのときの年齢に届けたいなあと思って。なかなか入り込んで聞けなくて、「つまんないわ」って言う子もいますけど・・・


―――いますよね、中には。

そんな子が聞けることもあって、それはとてもうれしい瞬間なんですね。お話の楽しみを味わわないまま、いなくなっちゃう子もいますが、こんなふうに聞くお話があるんだなってことを知ってたら、またちょっと違うかもしれないな、なんて・・・自己満足かもしれませんけどねぇ。

―――いやいや、そういう願いというか、祈りをもって活動されているのが素敵だと思います。

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(お話会では、「お話のろうそく」に火を灯して、みんなでお話を聞きます。終わって吹き消すのは、誕生月の子の役目。火が消える瞬間にひとつだけ、それぞれ心の中で願い事を唱えます。)


●耳からお話を聞く体験

 

―――お話会のスタイルは、最初から、今のようなものができていたんですか?

そうですね。大学生の時から長いこと、ボランティア図書館のお話会に所属していましたから、そこで勉強したことが土台ではあったんですね。
文庫を始めてからも、いろんな講座を聞きに行ったり、今も、子どもたちの様子を見ながら、みんなで考えながらやっていますけれど、とにかく、お話をひとつは入れたいなって。


―――お話、というと・・・

ストーリーテリング、耳からお話を聞く体験ですね。 (エミ解説・絵本のように絵を見せながらではなく、語り手が、物語を覚えて語る「語り聞かせ」です)

今ね、中学校でも、「朝読」のときに、月にいっぺん、やっているんですよ。

―――えーっ、中学校で!! 聞いてみたいです! でも中学生向けって、選ぶのが難しそう・・・

そうなの。時間が10分だから・・・。でも探せばいろいろあるんですよ。意外によく聞いてくれるんです。
語り聞かせは、本を持たないから、子どもたちの顔がよく見えるんですよ。最初は眠そうにしていたり・・・


―――授業の前ですもんね。

「俺はそれどころじゃない!」って何かやってる人もいたり、窓際で、「お話よりも、私、外を見ていたいわ」って人も(笑)、いろんな子がいるんですけど、お話が佳境に入るにつれ、みんなこうやって・・・(と、梶田さん、身を乗り出し、目を大きく見開いてみせる)

―――すごい! 中学生がねぇ。たとえば、どんなお話を・・・

あ、持って来ましょうね(と、本棚から取ってきてくださる)。

 

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日本の昔話って、私も知らない話がいっぱいあってね。『オオカミの眉毛』は2年生によくするんですけど、すごく面白がってくれて。

―――あ、意外と短い。(数分で読む) ほんとだ、面白~い!

こっちの『みそ買い橋』は1年生に。あっさりしたお話なんだけど、夫がこれをすごく好きで。

―――えっ、ご主人も昔話を読まれるのですか?

いえ、私がひっきりなしに語りの練習をしてるから(笑)。 聞かざるをえない、みたいな(笑)。

―――聞くともなく聞いてらっしゃるんですね(笑)。

夫にも、いいんじゃないかな?って思ってるんですけどね(笑)。

―――いいと思います! 精神的に、きっと・・・。

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子どもに「怖い話」を聞かせても大丈夫?

 

―――ハッピーエンドでないお話も、語られますか? 私は、子どものころ怖がりで、怖い話や悲しい話はあまり好きじゃなかったんです。今は息子が同じで、こないだは『ねないこだれだ』をゴミ箱に捨ててました(笑)。

ねないこだれだ (いやだいやだの絵本 4)

ねないこだれだ (いやだいやだの絵本 4)

 

あれ、こわいと思いますよ(笑)。

―――1歳ぐらいのときから読んでいるのに、4歳で捨てるのか、と。今、怖くなったのね~と(笑)。だから最近、怖がるかなと思う絵本は、敢えて選んでいないんですけど、ハッピーエンドでない話にも良さってあるから、機会があれば触れてほしいなあとも思ったりして・・・。

あんまり怖がらせなくてもいいですものねぇ。
ただ、怖い話っていうのも、案外、大人と子どもで違うことはあったりしますねぇ。たとえば『三匹の子ブタ』だったら、最後にオオカミが煙突から鍋に落ちたのを、ぐつぐつ煮て晩ごはんに食べました」って言うんです。


―――はい、はい。

そしたら、子どもたち、みんな、ホッとした顔が多いんですね。でも、こないだ幼稚園で語ったときに、お母さんたちは「ん?」って思ったみたいでね。「た、食べた?」っていうような(笑)。

―――大人はちょっと引っかかりますよね(笑)。ちょっと残酷っていうか。

そうですよねぇ。ただ、子どもたちのほうは、子ブタの身になって聞いているので、「よかった、これでもうオオカミはいなくなった」って思ってるんじゃないかな。
なんか、こう、「すっきり、ピタッと終わった」ということに、安心感を覚えているような波長を感じるんです


―――うーん、なるほど~。子どもには納得なんですね。

『かしこいモリー』っていうイギリスのお話があって、私すごく好きなんです。その中にね、私がうちで(語りの)練習をしていると、夫が必ず「おかみさん、かわいそう…」と言う箇所があって・・・(笑)

―――おかみさんっていうのは・・・?

お話のメインストーリーとは関係ない脇の登場人物なんだけど、ちょっとかわいそうなめにあうところがあるんですね。

エパミナンダス 1

エパミナンダス 1

 

(『かしこいモリー』は、このお話集『エパミナンダス』の中に収録されています。おかみさん、なんと袋詰めにされてボコボコにされちゃうシーンがあるそうです!! きゃー)

でも、子どもは意外と平気なんです。

ただ、何年か前に幼稚園で語ったときは、ものすごーく怖がっている子がいましたね。ある方は、「私は、あの話、小学3年生くらいにするわ」とおっしゃってました。「いちばんギャングエイジのころにすると、すごくぴったりくるような気がするのよ」って。


―――ああ、ギャングエイジに! なるほど! 

聞き終わったとき、やんちゃな男の子が「モリー最強・・・」ってつぶやいてたことがありました(笑)。

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やっぱり、お話がぴったりくる年代ってあるのかなー、って思ったりします。
ギャングエイジの子どもたちにとっても、それは驚きの展開で、そのころの子どもの内にあるエネルギーにも負けないパワーを持つお話だと思うんですね。

昔話には、「こわい」「残酷だ」と思う描写がよく出てくるように思われますが、それは大人の視点・大人の心配であって・・・。『かしこいモリー』にしても『三匹の子ブタ』にしても、主人公にとっては“喰うか喰われるか”の話。子どもはそのお話の本質、根本にあるもの・・・生き抜くたくましさとか、生きるエネルギーをちゃんと感じとりながら聞いているように思います。


―――なるほどー、言われてみればわかる気がしますね。小さければ小さいほど、自分中心というか、主人公になりきって聞いているんですよね。


●囲炉裏端で子どもに語ってあげるように・・・

 

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―――私、“絵本の読み聞かせ”ではなく、“語り聞かせ、ストーリーテリング”って、子どもが生まれてから初めて知りました。

ストーリーテリング」って思っちゃうと、それほど身近になかったかもしれないけれど、本当はもともと、お話って、囲炉裏端でおじいちゃん・おばあちゃんが子どもたちに語って聞かせるような・・・

―――あー、そうか!昔話や民話って、そうやって口伝いに受け継がれてきたものですよね。文字が身近でない時代からずっと・・・

子どもを喜ばせたいとか、笑わせたい、ドキドキさせたい、っていう気持ちで・・・キャッて耳を覆ったり、ハラハラドキドキしながら聞いている子どもの様子がかわいくて、慈しむような気持ちで語ってたんじゃないかなあ、なんて思うんです。

―――語り聞かせは、自然な形態なんですね。でも、今はそういった昔話の伝承も、かなり失われてきているんでしょうね・・・。

そうですねえ、だから、たくさんの子に聞いてほしいと思うと、学校とか図書館とかでの読み聞かせになりますが、あんまり大げさなパフォーマンスにならないようにとは思っているんです。
「こんなお話あるよ」って感じで、さりげなく語るだけで、子どもたちは「へえ」って驚いたり「ふーん」って聞いて、胸にすーっと入りやすいのかな、なんて・・・


―――授業や講演のような感じではなく、日常の延長みたいな感じでですね。

わらべうたなんかも、同じように思います。気持ちを整えたり、切り替えたり、たとえばハイハイを上手に誘ってあげたりするなど、生活していく術として伝わってきたものだと思うんですね。

―――うんうん、「あかちゃんどんぐり」では、とっても自然にやってくださいますよね。

わらべうたって、私もあんまり知らなくて、よーく知ってる方に教えていただきながら、来てくださる方と一緒に交わってやっているんですよ。

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―――語り聞かせるって、良い方法かもですね。
活字を読むのがあまり好きじゃない子に、「これ、面白いから読んでごらん、ほい」と言っても読まないだろうけど、実際に語ってもらえれば聞けるし、そういう体験が重なれば、本も身近に感じるようになるかも・・・

それにね、目で見るより、声に出した方が面白い本ってあるんですよ。我が家では、「くまのプーさん」。きっと、石井桃子さんの訳の、言葉の選び方やリズムが良いんでしょうけどね。

息子が小学校中学年のころ、難しい時期があって、本人も家族も、悩んだり、イライラしたりとあったんですけれど、そういうときでも、声に出して『プーさん』を読むと、あんまりおかしいもんだから、家族みーんな大笑いして、ひととき現実から離れるっていうか、楽しい時間だったんです。

その記憶が、息子にも娘にも夫にも、家族中にものすごく残っていてね。息子が高校で忙しくなって、ほんと朝早くと夜遅くしか家にいないようなころでも、たまたま私が『プーさん』を声に出して読んでいたりすると、帰ってきた息子が、階段のそこらへんから聞いててね、笑ってるんですよ。


―――へええ、すてきな話! いいですねぇ、そうやって家族で共有できる思い出の本・・・。

だから私、活字で見るのと、語りで聞くのとは、やっぱり違うものだなと思うし、本っていいなあ、とつくづく思ってねぇ。
覚えなくても、おうちだったら、一緒に読み聞かせてあげればいいからね。



●たくさんの人たちとのお付き合いの芯にあるもの 

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じゃじゃーん! 持ち寄りランチの真ん中に鎮座するのは、「みやこ食堂」のベーグルです。わーいわーい。いえ、決して、これをお目当てに京子ちゃんを誘ったわけではありませんよ!!
 
京子ちゃんもやはり息子ちゃんと「赤ちゃんどんぐり」時代から来ていて梶田さんを慕っているから、ぜひにとお誘いして撮影をお願いしたんですけども、考えてみれば、おうちカフェをやってる京子ちゃんと、どんぐり文庫をされてる梶田さんは、
「自宅という私的な空間の中に、いろいろな人を迎え入れる公的な空間を設けている」
点、共通しているのでした。お昼ごはんを食べながら、そんな話でも盛り上がったり、私が敏腕営業マンのように、京子ちゃん作のスイーツを梶田さんに売り込んだり(笑)。

 

―――文庫をされていると、いろいろな方との出会い、素敵なご縁と同時に、人付き合いで困ったなあということや、悲しいこと、こちらが失礼しちゃったかなあというようなこともありませんか?

そうですねぇ・・・。

―――人付き合いで、ポリシーといったら大げさですけど、心がけていることとか、ありますか?

うーん、普段、あんまり意識していないかもしれません。どちらかというと、子どもとか、本とかのほうに気持ちが向いているので、うまくいかなかったなあって引っかかり続けることは、あんまり、ないかもですね。

―――人の反応が気になったり、くよくよしたりとか、ないです?

うーん、あるような気もするけれど・・・。失礼してしまったものは、どうしても取り返しがつかないからね。それで本が嫌いになったら悲しいけれど・・・。
また別のところで、いい出会いができたらいいなぁとか、巡りあわせのようなものもあるかな?と思います。


―――巡りあわせ! そうですよね、ありますよね。
ややもすると、人の反応が気になって、なかなか行動できない、ってことになったりしますが、全員に認められるってことは、なかなかないですもんね。

人がどう思うかとか、評価とかは、あんまり問題じゃなくて、子どものこと、本のこと・・・。自分がやりたいことがあるから、うまくいかないことがあっても、それをプラスにしていけたらなあ、と思うし、やりたいことを、はたらきかけたくなるのかな?っていう気はしますね。
私にとっては、子どもの姿から受け取るものが本当に多くて、楽しくて、うれしい時間なので・・・。


―――うんうん、やっぱり、「やりたいことがある」のが芯なんですね。

 

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(★おわり。)


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(どんぐり文庫の看板。文庫に来ている子のおじいちゃんが、心をこめて作ってくださったもの。梶田さんが書いた文字をトレースし、柿渋でつややかに仕上げてあります。少々の風では倒れない安定感と、あたたかみのある色合い、形。子どもたちはこれを触ったり、大きな子は持ち上げて運ぶのも大好きなのだとか。)


[編集後記]
インタビュー:エミ

「本は自分で(ひとりで、目で)読むもの」だと思いがちだけれど、本来、昔話や民話は人から人へ、口伝いで伝わってきたものなんですよね。語る大人と聞く子ども、お互いに楽しい時間と空間を共有し合うのが、物語の楽しみの原点かもしれません。

私は、子どもの心を育み、時には小さな魔法にもなる「物語の力」を信じています。今回お話をうかがって、それにプラスして「子どもが持っている力」を感じることができました。子どもたちはお話が大好きで、大人にはない特別な「聞く力」を持っているのだ、と。
読み聞かせ」といえば小さい子相手のイメージがありましたが、忙しかったり他の楽しみが増えたりで本から離れがちな小学生、中学生時代にも、とてもいいのかもしれませんね。
お話を聞いている顔が見える「語り聞かせ」、緊張しそう、でもすごく楽しそう!!

教育や、道徳のための読書ではなく。パフォーマンスでもなく。ただただ、「本が好き、子どもが好き」という、梶田さんの純粋で一途な心がどんぐり文庫をつくり、共鳴する方々が集まり、子どもたちが集まって、この素敵な雰囲気ができているのですね。心があたたかくなるお話をたくさん、ありがとうございました!

(最後に私からお願い、もしこれを見て「どんぐり文庫」に行ってみたいと思われた方がいたら、梶田さんを探して直接ではなく、私( mamajanai.watashi@gmail.com)にご連絡くださいますか? ご家庭でされていることでキャパシティの問題などあるかと思いますので・・・)

撮影: 「みやこ食堂」京子

家族の写真を撮ることはあっても他の誰かを撮るのは初めてでとても緊張しました~。

いつもは子どもたちと一緒に過ごす賑やかなお部屋もこの日はゆったりと落ち着いた雰囲気で、お話もできて幸せなひとときとなりました。
文庫のときにいつも笑顔で接してくれる梶田さん。そんな素敵な梶田さんのやりたいことへの情熱に私も勇気がもらえた気がします。

参加できてよかった、ベーグルも喜んでもらえてよかった! えみちゃん、ありがとー! 梶田さん、スイーツの発注、いつでもお待ちしてまーす(笑)