“ママじゃない私” ポートレート

いつものあなたの、いつもと少しだけ違う顔。いろんなママたちの、「ママじゃない顔」ポートレート。

特別編:デンマーク研修レポート(上)デンマークってどんな国?

 

こんにちは、秋ですね~! さつま芋大好き、エミです。

ポートレートの vol.17 に登場してもらった 稲生茉莉子ちゃん が、デンマーク研修の報告会を開いたので参加してきました。

 

幼稚園のママ友として知り合って、園で毎日のように会ってる彼女が、町の「男女共同参画推進センター」で何十人もの聴衆を前に立派に報告する姿に感動でしたよぉ。

本人は事前に「テンパり倒してどうなるかわからない」的なことを言っていましたが、何をおっしゃるうさぎさん!(古) 

はっきりとわかりやすく、なおかつ気負わない自然体のお話ぶりはとても聞きやすく、内容は豊富で、とても実りある時間でした。ありがとう。

興味深く感じる人もきっと多いと思うので、1時間にも及ぶ茉莉ちゃんの発表のうちのほんの一部になりますが、ここでシェアさせてもらいますね。

 

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(司会の方に紹介されている間、はにかんでいる茉莉ちゃん。)




茉莉ちゃんが参加したのは、福岡県が実施している海外研修事業「女性の翼」です。

男女共同参画社会づくりを推進するために行われていて、行き先は毎年違うらしく、2015年度はデンマークに一週間。
20人ほどの研修団員の中で、専業主婦は彼女だけだったそうです。

 

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(しかもこのとき、まりちゃんは3人目の赤ちゃんを妊娠中でした。悩んだけれど、安定期だったし、周囲の励ましやサポートに背中を押されて飛び立ったそうです!)

 


デンマークは九州とほぼ同じ大きさ、人口は約566万人で福岡県とあまり変わりませんね。

国会は一院制で179議席、任期4年。議員の平均年齢は45歳。
投票率は、なんと86%!

一期のみ務める人も多いそうなのですが、これには理由があって、
職場に休暇を申請して議員になる場合も多いからなのだそうです。

さらに、地方議員については報酬は時給制(議会の開会期間中など)。
多くの議員は自分の仕事を続けながら、夕方から開催される議会等に出席して務めます。
それでいて、インフラや教育など地方議会の裁量で行われることは非常に多いそうです。

国民一人当たりのGDPは 52,114 USドル、世界8位。
(ちなみに日本は 34,870 USドル、世界26位です。ともに2015年、IMFのデータより)
(日本って…生産性高くない国なんですね…)

 

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(レゴ発祥の地でもあります!)


女性の参政権が認められたのは1915年(日本は戦後、1945年ですね。)
出産育児休暇の取得や選択的夫婦別姓の権利、男女平等推進大臣の選出など、
だいたい日本の20~30年先を常に走っているイメージですね。

所得税率は55%、消費税率は25%と非常に高いのですが、国民幸福度は世界一!
「税金は国民に還元されている」という意識が強いのだそうです。

これはつまり、

「税金は無駄なく使わなければ」

という意識にもつながっていて、
たとえば医療費は無料だけれど、医者は風邪薬はほとんど出さない。
歯科治療は18才以上は有料。(逆に、子どもは校内にある診療所で虫歯治療をする!)
胃のポリープ除去の手術や、胃ろうはしない。
など・・・。

そういったことに税金を使うより、教育や福祉に使おうという感覚が共有されているそう。

だから、子どもの相対的貧困率は世界一低い
4%ですってよ、奥さん。
日本は、今や6人に1人の子どもが貧困状態にあるといいますよね…。ひとり親家庭貧困率は、実に50.8%。
離婚率は、デンマークのほうがずっと高いんですよ。
女性の就労率の高さと医療費・教育費無料によって、貧困に陥る家庭が少ないそうです。

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茉莉ちゃんたち研修団員たちは、男女共同参画を推進する公的機関や、民間団体、
ワークライフバランスに取り組んでいるデンマークの大企業などを訪問。

それらのレポートの中で私にとってとりわけ印象深かったのは、


1.デンマークでは、市民の社会参加・政治参加が特別なことではない!

前述した、兼業しながらの地方議員たちもそうだし、
移民や難民など外国人女性のメンター(指導・相談員)を務める女性たちもボランティア。
公的機関「KVINFO」には3,000人ものメンターが登録しているそうです。

茉莉ちゃんも言っていましたが、
こういうことができるのは、助け合いの意識があるのも当然ながら、
仕事をしながら社会参加できる時間的・精神的余裕があるからですよね。

 

2.デンマークでは、選挙活動がスマート!

デンマークでは大きな音を出す選挙活動は禁止されているそうです。
日本でおなじみの、うるさくがなりたてたり、妙な歌を流す街宣カーなんて、どこにもない世界なのです! 

民間団体「Women's Council」では、 女性議員を増やすことでよりよい社会を作ろうという信念のもと、政党にかかわりなく女性立候補者を支援する取り組みを行っているとのこと。

彼女たちが行った選挙支援活動は、「ウォーキング&トーキング」
ショッピングモールで花を配ったり、
カフェでお茶を提供して市民と話したり、
メディア関係者を招いてボウリング大会をひらいたり。

ああ、静かな選挙。うらやましい。


3.デンマークはカジュアル&おしゃれ!

街並みはもちろん、
男女共同参画センター」のような固い機関や、性暴力被害者のシェルターのような場所*1も、
美しく洗練され、かつ暖かみのある外装・内装。
どの研修先でも、手作りのお菓子やハーブティなどで心づくしのおもてなしを受けたそうです。

トイレが日本より綺麗かも、という話にはびっくり!

研修先で出会った女性たちも、皆さんおしゃれな装いで明るく働いていて、
要職にある方がワンピースとスニーカーというカジュアルな恰好で応対していたり、
妊娠中の若い女性職員が堂々と視察団への説明を行ったり。


・・・長くなってきたので、次の記事に続きます。

 

>>次の記事:デンマーク研修レポート(下)私たちも変われるかもしれない


 

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*1:オープンスペースのみの観覧