“ママじゃない私” ポートレート

いつものあなたの、いつもと少しだけ違う顔。いろんなママたちの、「ママじゃない顔」ポートレート。

vol.20 itsuko の 「ママじゃない私」 ポートレート

 

 

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梶田さんのどんぐり文庫で“ママじゃな”を紹介させてもらった数日後、メールでコンタクトくださったのが今回のモデルのitsukoさんです。

「いつも子どもの写真を撮るか、子どもと一緒の写真がほとんどのお母さん。たまには自分が主役になって、一人で映ってみませんか?」というのが“ママじゃな”のテーマのひとつなんですが、彼女からのメールには
 『本当に自分の写真って少ないので、30歳という節目の年でもある今、お願いしたいと思いました』
とありました。わー、大歓迎です! 

7歳、4歳、2歳と3人のお子さん達のママであり、【グローバル育児®】のインストラクター・コーディネーターというお仕事もされてるitsukoさん。ブログこちらですよ~!



納豆を一人で1パック食べられたときの幸せ!(笑)

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―――アンケートの回答で印象的だったのが、日々の楽しみや、幸せだな~と感じる瞬間について、とても身近で細かいことを列挙されてて。

そうでしたか? 何書いてたっけ(笑)。

―――「満月を見ること」、「家から朝日や夜景を見ること」、「子どもと一緒に9時に寝るぞ!と決めてお布団に入ること」、「納豆を1人で1パック食べられたこと(普段は娘さんに横取りされるから)」とかね。

あー、書いてましたね(笑)。

―――身近な小さいことでちょっとした幸せを感じられるのって、暮らしを楽しむ秘訣じゃないかなと思って。それが、itsukoさんのハッピーオーラにもつながってるんじゃないかな。アンケートに、「昔から、よく人に“いつも楽しそうやね”と言われる」と書いてありましたよね。

そうなんです。

―――昔から、そんなふうに、小さなことで楽しめるタイプでしたか?

そうですね。くだらないことでも企画して盛り上げたくなっちゃったり。自分なりの、なんかマニアックなツボに入っちゃって笑いが止まらなくなったり・・・。

―――企画! すごいですね。アイデア出したりするのは・・・

もう、大好きですね。なんかこう、「全部楽しいほうにもっていきたい」って感じでした、昔は。母親になってからはそんな機会は少なくなったけど、学生時代の友だちに久しぶりに会ったときとか、そういう感じを思い出しますね。今ちょうど、結婚式が多い時期なんですよ。

―――そっか、30才前後って、そうですよね(←もう久しく結婚式に行っていない人 笑)。

 

◆ご主人は、「生きる力が強い人」

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―――itsukoさんは、ご主人との出会いは?

大学時代ですね。

―――ご主人、釣りがお好きとか。

今日、ちょうど休みで、めちゃめちゃ久しぶりに行ってるんですよ。夜3時ごろに家を出たかな。

―――えー、本格的なやつですね! 何が釣れるんだろう?

本人はマグロを狙ってるんですけど(笑)。だいたいは、ヤズとかタイとかイカ、カサゴ・・・。

―――(ちひろ)あー、お刺身おいしそう・・・

―――ブログで、釣った魚をご主人が自分でさばいてる写真、見ましたよ。

それが好きっていうか、自分でちゃんとやりたいみたい。神経を締めてウロコは水につけず・・・・みたいな、鮮度を保つためのやり方がいろいろあるみたいなんですよ。

―――へー! 新鮮な魚をさばいたくれて、丸ごといただけるなんて贅沢! ほかにも、アウトドアなことされるんですか?

バイクとかスノボ、バレーボールとかスポーツも好きだったけど、子どもができて仕事も忙しくなって、いちばん好きな釣りに絞って。なんか、そういう、「これだけは」っていう好きなものがあるのは、うらやましいなと思います。

―――ああ、わかります、そういう気持ち。

私は、何でも手を付けるけど、極められないタイプなんですよね(笑)。

―――ご主人について「生きる力が強い人」とアンケートに書いてたのは、どういうことですか?

なんか、人と接するのがうまいんですよね。すごい面白い話をするとか、めっちゃ笑顔…とかいう感じじゃないんですけど、人に好かれる。たぶん、人にいろいろしてあげられる人だから。気を遣ってるわけじゃないんです。無理してないから、本人も疲れずに、ほんとに自然とやってあげてる。

―――へええ、それはすごいですね! でも、ご自分がそうだったら、奥さんにも、そういう優しさや気遣いを求めてはこられないですか?

それは感じたことないですね。人として、変にやらしい部分がないから、ものすごく付き合いやすいです。

 

◆「自分の軸」がわかれば楽になる

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―――itsukoさん自身は、くよくよしたりすることありますか? 楽しいことだけじゃなく、悲しいことや、人のちょっとした言葉・・・マイナスのことも気づきやすいほうですか?

感じやすいですね。自分ではそう思います。

―――そうなんだ。じゃ、それで苦しい時もあったりします?

昔はそうでしたね。何か言われたとき、全部相手のせいにして、自分には目を向けないで・・・。今は、「なんでそうなったのかな」「ほんとは、全然違う感情が影響してたんじゃないかな」みたいに考えられるようになりました。たとえば自分に自信がない部分や、コンプレックスがあるから、悪いように受け取っちゃったんじゃないかなとか。

―――(ちひろ) ああ、ある程度、年をとらないとわからないような気がしますね。

―――いつごろから、そんなふうに思えるようになりましたか? 若くしてお母さんになられて、最初は自信がなかったと書かれてましたが・・・

やっぱりすぐにはできなかったですね。何かのタイミングで、だんだん・・・という感じかな。

“自分のいいところも悪いところも客観的に見る” っていう視点を持てたときだと思うんですけど・・・。昔は人のいいところを見ると、なんでもかんでも「自分もそうなれたらいいな」みたいに思ったり、人が持ってて自分にないものを「なんで?」って思ったりしてたんです。


―――ああ、あるある!

でも、できないことはできないと割り切る。自分は得意なことを強みとして伸ばしていけたら、それが自分の軸だなって。あれもこれも、ないものに目を向けてたら、ぐらぐらで軸が持てない。

―――アンケートや、ご自身のブログでも、「自分の軸」という言葉を使われてますよね。「自分の軸を見つける」ってちょっと難しい気もしますが・・・抽象的な言葉でもあるので。

そうですね、自分を引いた目線で見ることですかね。生まれたときから現在に至るまで、どんな時間と空間の中で過ごしてきたか、振り返ることがとても重要だと思います。
私けっこう、ひとつひとつ考えるほうなんですよ。「なんで私これが好きなんだろう?」とか。そうするとやっぱり小さいころにあることが多い。


―――親の影響や、生まれ育った環境の影響って、本当に大きいですよね。

そうなんですよ。そうやってルーツを探って自分と向き合っていったうえで、「じゃあ、今の自分が本当に求めているものってなんだろう? どういう生き方を望んでるんだろう?」と考えると、本質的なものが見えてくるんじゃないかな。
私はそれで、なんかすごく楽になったんですね。人の悪口を言っても何もみたされない、素直に愛情を表現して、ハッピーを追求したい・・・とても自分らしく生きてるって感じがしてきて。


―――自分の中にもともとあるけど整理しきれていない、気づけていない、そういうことがたくさんあるんですかね。

自分を愛せていないところが大きいのかなと思いますね。「こういう気持ち、なんでかな?」と考えたときに、「あ、これって我慢してたことなんだな」とか「それって必要なのかな?」と整理していくと、自分らしさがどんどん浮き彫りになっていくように思います。

―――自分を認める、愛するって大事ですよね。どうしても、人と比べたり、「ちゃんとしなきゃ」って思ったりしちゃうけど・・・。特に、母親になってからが、そういうことを一番考えさせられる。直面してしまうんですよね。誰でも、子どもにとっていい母親になりたいから。

 

◆身の回りのものすべてが「私らしさ」


―――そうやって見つけてきたitsukoさんの軸・・・itsukoさんの強みや、itsukoさんらしさはどういうことだと思いますか?

私は、アイデアを出すとか、何かをスタートするのとかは得意なんですけど、リスクを管理したり、コツコツやったりとか、そういうのが苦手。でも、苦手なことは「しょうがないや」と思ってます。

自分らしさって、自分の身の回りすべてかな、と思います。身の回りすべてに、人それぞれの価値観が表現されてますよね。たとえば出会う人、一緒にいる人もそうだし。使っている食器なんかも、自分がいいと思っているからここにある。使う言葉も。


―――ふむふむふむ。

例えば、自分のことをするための時間をつくること・・・美容室ひとつとっても、小さい子どもがいると難しかったりしますよね。

―――はい、はい。

子どもを置いて美容院なんて、ダメなお母さんかも・・・」って、前は思ってたんですよ。そんなヒマがあるなら遊んであげなきゃ、って化粧も全然してなかった。
でも私、綺麗な雑誌を見るのも好きだし、ビューティーとかヘルシーって自分の中で大事にしたいことなんですね。自分が自分らしく生きることで、笑顔になれるんだなと思うようになりました。


―――「自分はこれでいいんだ、人がどうであろうと、自分はこのやり方なんだ」って思えることですね。

23才で出産して、社会経験もほとんどない状態で、それが未熟とすら思わない、何も知らない状態で子育てをスタートして。たとえばもっと年齢が上だったりしたら、子どもに対しても違う声かけとかできたんだろうなと思う時期もありました。でも今はそこも通り過ぎて、今を楽しめるようになったかな。

 


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  (お洒落なアジアンリゾート風のお家、そんな中にも自然とマッチしていた

    可愛い世界地図コーナー。そしてitukoさん超笑顔!)

 

 

忙しい日々。葛藤もあります 

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―――敢えて聞きたいんですけど、逆に今、現在進行形で、すごい葛藤したり悩んだりしたことってあります?

葛藤ですか? うーん・・・。

―――お母さん自身が楽しく、楽に生きることが大事である一方で、人間って、悩んだり葛藤したりの経験によって成長する面もあるじゃないですか。

うーん。仕事と子育ての両立・バランスは、常に葛藤してますね。子育てを100%したい気持ちもあり、仕事をどんどんしたい気持ちもあり。「やっぱりこれは手放した方がいいのかな」「でもやれるとこまでやってみたい」とか。頼れることろは人に頼るんですが、「あれ、頼りすぎたかな?」というときもありますし・・・。相当意識しないと、どっちも中途半端になってしまう。

―――やっぱり、まだまだお子さんたち小さいですもんね。

子どもとの時間も含めて、すべて自分の時間だとは思うんですが、それこそ「ママじゃない私」である時間も確保したいんですよ。リラックスして本を読んだりとか。でも、目の前のことが忙しくて、そういう時間は本当に少ない。寝てる時でさえおっぱいあげたり・・・。

―――なんたって、子どもたちはママが大好きですもんね。

もうあと何年かは、この時間の中で、ほんとに細切れの時間の中でできることを、っていう感じですね。

あー、おいしかった。ごちそうさまでした。食べるのすごく好きなんで・・・


―――(ちひろ) でも、よく動くからかな? そんなにぽっちゃりしてないですよね。

あ、娘もだけど、私のことですよ。食べるのが好きって。

―――(ちひろ) え、itsukoさんは全然スリムじゃないですか!

いえいえ。ほんとよく食べちゃって。そういう葛藤もありますね(笑)。

―――どこまで食べるべきか、ガマンすべきか(笑)。


 

◆考える前に動く。子どもを信じる。

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―――ご主人は接客業で週末もお仕事の日が多いそうですが、お子さん3人とのお休みの日、どうしてますか?

出かけますね。もう全然、苦じゃなくなったというか。「3人いて、ああなったら大変、こうなったら・・・」って考えたら出られなくなるから、何も考えずに出ます。

―――ああ、それもitsukoさんらしさですね。まず動く。

失敗して、痛い思いを体験しないとわからないんですよ。でもそういうのもいいかな、って。やってみて気づけばいいや、って。


―――子どもたち連れて、どういうところに行きますか?

自然の中に行くと私も落ち着くので、糸島とか、海ノ中道とか、花畑園芸公園とか・・・そんなに遠出しなくても、もちろん、すぐそこの公園にもよく行きますよ。

―――疲れて、「もうっ! キーッ」ってなったり、「はぁーっ」みたいなことはないですか?

ありますよ! しょっちゅうですね。だいたい3時半くらいに「10分寝かせて…」って感じになるけど、できないまま後半戦突入(笑)。パパがいないときは全部自分でやって、生活だけでいっぱいいっぱい。「何でこんなにきついとかいな?」て考えたら、もっとおかずを作りおきしとけば楽なんだな、と思うけど、でも、だんだんまた、おんなじようになっていっちゃうんですよね(笑)。

―――だんだん余裕がなくなってね。わかります(笑)。

その中で、長男の宿題も見なきゃ、とか。子育ても1人目はいつも手探りですね。声かけとか、慎重にしてますけど、それでOKなのかどうかは、まだわからないですよね。

―――子育ての正解はわからないですもんね。少なくともずっと先にならないと・・・。

とにかく信じていくのが一番だな、って。子どもを。

―――そうですねー。でもそれがまた、難しいんですよね。信じたいけどやっぱり心配、ってのもあるし。

無意識に、「こうなったらどうしよう?」って思って先回りしてやっちゃったりしますもんね。でも、子どもが今できないことも、まだその段階まで来てないだけかもしれないし、親が意識しすぎてるだけかもしれないし、やっぱり自然体が一番だなって。

 

 

◆「サボっちゃった」でなく「手放せてよかった」と思う

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私の中では、「何とかなるやろ」っていうのが落ち着く言葉。「死にゃぁせん」みたいな(笑)。

―――サボることはありますか? 「もういい、今日はお弁当買っちゃおう!」とか。「今日は掃除せん!」とか。

掃除はもう、適当ですよ。それこそ「死にゃあせん」ですね。自分がイライラするくらい汚れると、本末転倒になるから、そこが基準かな。

食事に関しては、お弁当買ったりとかはあんまりしないんですけど・・・。私、料理もすごく得意ってわけじゃなくて、でもあんまり変なもの食べたくはないし、自分でできることを選んで、続けてる感じです。たまに手抜きしちゃったな、ってときは、「サボっちゃった」じゃなくて、「手放せてよかった」って思います。


―――(ちひろ)それ、私も思うようにしよう! 「手放せてよかったんだ」って。いっぱいいっぱいになっちゃってねー、時々。

時々の1回が、長い人生でどれくらいの重さがあるかって考えたらね。3人目で「ほんと限界」みたいなのが結構あって。2人目まで、けっこう頭でっかちでやってたことが、3人目で「もう無理やん」って。

―――物理的に無理になるんでしょうね。手が足りないもん。

もう、深く考えない。「それ汚いやん」とか1人目のとき思ってたけど、もう見ない(笑)。前に次男が、ズボンを前・後ろ反対に履いてて。それ自体、昔だったら「みっともないから履きかえて」って思ってたけど、もういいや、って。で、そのまま、公園で石のすべり台をすべって、破けてるんですね。前後反対だから、前が破れてるうえに、ちょっとおしっこが出て染みができちゃって。

―――あらら(笑)。

もうめちゃくちゃなんですね(笑)。おっかしくて(笑)。着替えさせてもまたどうせすぐ汚れるけん、お風呂までそのままでいいやとか思って。お隣の奥さんも「いいんだよ、それで」と言ってくれて(笑)。世間体や、「こうしなきゃ」って思い込みを手放すと、笑えてくることっていっぱいありますね。


(おわり。)

 

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【編集後記】

インタビュー:イノウエエミ

「ママが自分らしく生きてハッピーであること」「多様性」「今の時代を生きる子どもたちを育ててる」。事前にitsukoさんのブログを見て、キーワードにはすごく共感しつつも、のんびりフワッとやってる「ママじゃな」ですので、キッチリした理論とかはよくわかんないかも・・・と、ちょっとドキドキしつつの ほぼ初対面だったのですが、itsukoさんは優しく気さくに接してくれました。ありがとうございます。

大人っぽいルックスや聡明なお話の内容とは裏腹に、「まず行動してみる。痛い目に合わないとわからないタイプだから」というように、度胸があってひょうきんな部分もあるのかなと。笑い転げていた学生時代の姿も思い浮かぶような気がしました。一緒にいた2歳の娘さんが、すごく天真爛漫に、のびのびと遊んでいて…! itsukoさんが、子どもが今やりたいことをやらせてあげる自由を確保しているのがよくわかりました。

まだ小さい3人の子どもたちの育児を日々がんばってるんだけど、しんどいがんばりじゃなくて、楽しんでる。自分らしさを失わずに・・・。そんなitsukoさんの生活スタイルや考え方を聞いてると、「私もがんばらなきゃ、しっかりしなきゃ」と気負うんじゃなく、なんだかホッとするような気持ちがしてきたのでした。自分は自分でいいんだよね。ほんとそう思います。


写真:橘 ちひろ

お若いこともあるけれど、それでもとびっきり美肌・美髪のitukoさん、写真を編集しながらほ~っとため息ついておりました。すばらしいです。
そして大人っぽい外見からは意外や意外、「大きく口開けて笑ってる写真とかいいなって思う」って聞いて思い切り撮影できました。「どんな写真が好きですか?」って聞いてみてよかった。これからは聞いてみようかな。
itukoさんご本人はあまり迷いのない方なのかな、一つ一つ向き合って考えて答えを出していくことを積み重ねてきた上の迷いのなさというか・・・写真も不思議と迷いなく撮れて、文章にスイスイ入っていきました。

 

vol.19 のでぃか の「ママじゃない私」ポートレート

 

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のどかさん(通称 のでぃかさん)は、年中さんと1歳、2人の娘さんをもつ、27歳の若いお母さん。ご主人の転勤で来た福岡で、しっかりと家庭を切りまわしています。女の子らしい雰囲気と柔らかい声で、「ふんわりして見られがち」だけど「仲良くなったら“おばあちゃんみたい”って言われます」ですって(笑)。ちひろちゃんの幼稚園ママ友、初登場です! M幼稚園のママさんたち~、これからもお待ちしています!!



◆「若くてふんわりしてるようで、すごいしっかりしてる!」(by ちひろ)

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―――ちひろちゃんが、のでぃかさんのこと、「すごくしっかりしてていつも感心してる」って言っててね。

―――(ちひろ) 幼稚園のお母さんたちも、のでぃかちゃんからしたら、だーいぶ年上の人が多いのに、すごく堂々としてて。前に出てくれたあやちゃんもそうだったけど、しっかり交わってて、すごいよね。自分だったらできないと思うなー。


―――うん、他のママと、話すことすらできないかも。

でも、最初1ヶ月ぐらいはどうしたらいいんだろうと思ってましたよ。

―――(ちひろ) あ、思ってたんだ!

娘が遊んでるから帰るに帰れなくて、どうしようみたいな・・・

―――やっぱそういう気持ちはあったんだね。そうだよね。

―――(ちひろ) お料理も上手なんよ。お野菜とか豆腐を使った料理とか。お菓子もね、すごく自然な甘みを生かして作ってくれて、美味しいんよ。前に持ち寄りスイーツ会やったときに、私はガトーショコラ持って行ったんだけど、のでぃかちゃんのココアっぽい・・・。

お豆腐のショコラ

―――(ちひろ) そうそう。すごく美味しくてね。あー、こういうのがいいなーと思って、私それまで生クリームとかバターとかよく使ってたけど、多分そこから変わったよ。

―――すごい影響力やん!!

―――(ちひろ) 字もきれいだし、イラストとかも上手だよね。消しゴムハンコとか、あそこの窓に貼ってあるのとかも作ってるよね。


―――すごい! 器用でセンスあるんだ~!

いえいえ、器用じゃないけど、作るのは好きで。それはもう完全に両親の影響ですね。

―――ご両親は何を作られるんですか?

父は日曜大工で、母は絵を描いたりする人で、祖母は私の小さいころの洋服をほとんど全部作ってくれてました。もう、なんでも作る人たちだったから・・・。


―――うわ~。いいね~。

実家の近所も、割とそういう人が多くて、お買い物もほとんどお肉ぐらいしかしなくて、畑もするし、釣りする人もいるみたいな。



                      

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(窓ガラスに貼るステッカーも手作り。可愛い!最近はアボカドの成長を楽しみしているそう)



イギリスで泣いた悔しさをバネに、ニュージーランドへ。

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―――和香(のどか)さんって名前、すごくかわいいですね。漢字も。ご両親がつけたお名前ですか?

そうです。父が。

―――由来とか聞いたことあります?

それが、なんか、はぐらかされるんですけど(笑)。のんびりゆっくり、自分の好きなように生きてください、っていう感じ?

―――自分の名前は好きですか?

うーん、学校では、読み方がわかりにくいのが困りましたけど、ニュージーランドに留学したとき、やっぱり漢字があるってすごくいいなーと思いました。複雑に意味を持たせて名前をつけられるじゃないですか。


―――音の雰囲気とかのほかに、漢字の意味もあるしね。

それがすごくいいなと思って。

―――ニュージーランドへはいつ留学してたんですか?

高校の時に一年間ですね。

―――わ、長い。高校生で。

でも行ったらあっという間ですけどね。

―――(ちひろ)それも単位になるんだよね?

ならなくて。一年間留年したんです。


―――それは、なかなかの決心ですよね。

中学生の時にイギリスホームステイしたことがあったんですけど、毎日泣きながら暮らしてて。バス間違えて迷子になったり、学校の授業も全然わかんなくて。それで、なんか目覚めたっていうか、英語をちゃんとやろうと思って。

―――悔しさから?

そうですね。

―――すごい。大変な思いをしたら、普通は「もう行きたくない」ってなりそうだけど。

英語の面では苦労したけど、外国の空気感とかはすっごい好きだったんです。今でも、空気がすごく冷たくてひんやりした朝とか、「あ、イギリスみたい」って思ったりします。





◆「厳しい道」を選ぶクセ。

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―――のどかなお名前だけど、声もかわいらしくて話し方とかもとっても柔らかいけど、内面は強いんですね。事前アンケートにも、「学生時代は厳しい道を選ぶことが多かった」って。たとえば、どんなことですか?

なんか、そんな大それたことじゃないんですけど(笑)。たとえばゼミを選ぶときでも、この先生は楽とか大変とか、噂ってあるじゃないですか。私が興味があったゼミは、「学科で一番怖い先生だよ」って言われてて。でも、まあいいやと思って入ったりとか。

―――何学部ですか?

法学部です。国際関係法っていって、半分政治学、半分法律みたいな学科で。

―――そういう勉強に興味があったんですか?

そうですね、国際協力とかに興味があって。安全保障の面とかでも有名な先生がいたり。

―――実際に入ってみてどうだった? 面白かった?

面白かったですね。実際に法整備とかで途上国に行ってやってる方の話とかも聞けたし。でも、日本の学生って感じじゃなかったですけど。

―――日本で一番、卒業するのが難しい大学って聞くもんね。

サークルもガチで勉強するような・・・


―――ただでさえ勉強しなきゃいけない大学で、ゼミも厳しい先生で、そのうえサークルでも勉強ですか!? 

国際法で、紛争処理とかの模擬裁判をするサークルだったんです。ゼミの先生に「それ単位認定してもらうべきだよ」って言われたぐらい(笑)。


―――はぁ~、そこもまた厳しい道を選んだんですね・・・。

 

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◆親に反対されたことは一度もありません

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―――そういう、厳しい道にチャレンジするようになった背景って何だろう。いつごろからとか自覚ありますか?

どうですかね・・・中学くらいですかね・・・自分の興味があったら、難しかろうがなんだろうが、没頭するタイプかもしれない。


―――もっと小さいころは、どういう子どもでしたか?

もう、ひったすら、自分の世界に入ってる子どもでした。友だちが何してようが関係ないっていう。

―――ほぉ。自分の世界って、どんな世界に?

ひたすらブランコを漕ぎ続けたりとか。たぶん、感覚的にもけっこう他の子とずれてたような気がします。ポロって何か一言いうとみんなに笑われるとか、そういう子でした。


―――ほぉぉ。やりたいことがハッキリしてたんですね。周りの子につられるっていうよりは。

真ん中の子って、そういう感じなんじゃないかな?

―――そうなんだ。のどかさんは真ん中っ子なんですね。そうそう、「実家がすごく好き」って書いてあったけど、実家のどこが好きですか? おうち? 家族? 親?

家も好きだし家族も大好きで、兄とも仲良いですけど、特に妹が大好き! 妹がいると、ずーっと喋りたおしてます。夏休みに出産で帰って来てたから、ずーっとベタベタしてて。一緒にお風呂に入ったり(笑)。

―――えーっ! 子どものころからずっと仲良しだったんですか?

子どもの頃はケンカが多かったですね。一緒の部屋だったし、音楽がうるさいとか、モノが私の領域に入ってるとか、よくケンカしてました。

―――ご両親とも仲良しですか?

そうですね、でも親は親で“二人の世界”みたいな人たちなんで。

―――へーっ、夫婦仲がいいんだ。

すごい仲良いです。二人でずーっと温泉に出かけたりとか。


―――何かしたいって言ったときに、親に反対されたこととかないですか?

ないですね(即答)。

―――1年間の留学も?

はい。

―――東京の大学に行くときも?

そうですね、18歳になったら家を出なさいっていうのがうちの方針だったから、あたりまえのように。


―――ああ、すてきなご両親ですね。なんか、すごいいろいろ納得いく気がします。難しいことにチャレンジするとかって、“ホーム”っていうのかな、自分のしっかりした本拠地みたいなのがあるからできるんじゃないのかな、と思うんです。だから安心して外で頑張れるっていうか。

うーん、そうかもしれないですね。今もこうして離れていても(※のでぃかさんのご実家は愛媛)、転勤があっても、だから平気でやってこれたのかも。夏休みも帰れるし、すごい息抜きになってます。





◆お母さんになって、転勤生活の始まり・・

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―――結婚するときは、不安はなかったですか?

なかったわけじゃないけど・・・夫の配属が富山になって、そこに行くことのほうが不安でした。

―――そうなんだ。ニュージーランド1年間よりも?

ニュージーランドは先輩から話も聞けたし、自分が行くって決めて行ったけど、富山は行かざるを得ない状況で、知っている人もいないし、雪国の暮らしって想像もつかないし・・・。

―――ダンナさんにとっても、最初の赴任先だったんですか? 彼は、横浜の人ですよね。

そうです。

―――じゃ、ダンナさんも不安だったでしょうね。就職して初めて行く場所で、赤ちゃんもいて・・・。何もかもがゼロからで、大変だったでしょう。

不安っていうより忙しかった。割とのんきな性格ではあるんですけど・・・。あ、でも、夫が仕事で凹んでたのかわかんないんですけど、家でほとんど口をきかなくなった時期があって。

―――うわ、つらいね。

全然友だちもいなくて、もう耐えられない!と思って、赤ちゃんだった上の娘を抱っこで抱えて、電車とバスに乗って遠くまで行ったことはあります。遊歩道みたいなところを歩いて帰ってきて・・・道が道だったから、みんなに「えっ、赤ちゃん連れて一人で?」ってびっくりされて。立山っていって、草がボーボー生えてて、尾瀬みたいなイメージのところで。

―――あー、なんか想像したら心細い・・・。

でも、帰りの電車の中で、同じくらいの年の女の子と話して、すっごく気が楽になったんです。彼女は赤ちゃん連れではなく一人で、旅人だったみたいですけど・・・

―――なんかいい話したの?

すごいふつうの、他愛ない話だったんですけど。

―――それだけ、誰とも話してなかったってことかな。

そうですね。

―――ダンナさんは、その後どうでしたか? 

いつのまにか、自然に普通になって。

―――まあ、お仕事もいろいろあるだろうからね。でも赤ちゃんと2人きりでいる状況もつらいんだよねーっ!!

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◆いつかまた、何かにチャレンジするのだろうか?と。

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―――大学を卒業したらこうしたい、というのは、当時、漠然とでもありましたか?

NGOに行こうかなと思ってて。国際協力の貧困支援みたいなところでインターンもちょっとだけやってて。


―――あ、実際に経験したんだ。

終了させられなかったので、正確には「やった」とは言えないんですけど。

―――高校・大学と、やりたいことにチャレンジしていた生活から、子どもを産んで、それまでゆかりのなかった場所で暮らし始めるって180度な転換だと思うんだけど、精神的にすぐ受け容れられましたか? 周りは、卒業して、さあ今から働こうとか、そういう時期だよね。

うーん。それほど、戸惑いはなかったんですけど・・・。

―――私だったら、「隣の芝生は青い」的な、いいなーみんなお金稼いで自分のために使って、みたいな気持ちになりそう。

悩ましいなって思うことはあります。友だちが、大学時代から留学したくて、働いてコツコツお金を貯めて、それを叶えて満喫しているのとか見ると・・・。やっぱり、昔からの夢を叶えていっている姿を見ると、うらやましいなって思います。

―――専門性も高い勉強をしていたと思うから、もったいないって思ったりしない?

もったいないっていう感覚はあんまりないです。だけど、それまでやってきたような達成感とかが、今はないじゃないですか。それがもどかしいっていうのはあるかな。


―――うんうん。何かに打ち込んだからこその充実感、達成感ってあるもんね。でもそういうのってブランクがあっても体が覚えてると思うんだよね。

そうですかね。

―――そうだよ、未来は明るいよー。将来的にまたいつか、自分がやってみたいと思うことにチャレンジしたりすると思いますか? 別に仕事じゃなくても何でもいいんだけど。

それが、意外とならないんじゃないかなと思って。上の子が成人したら42歳で、そこからまだ先が長いのに・・・

―――(ちひろ・エミ)えっ、子どもがハタチで、42歳! (ざわざわする2人 笑)

―――(ちひろ) なんか久々にショック受けたような(笑)。

―――希望に満ちあふれてるやん。その若さ。

そのときに、何かやりたいって思えなかったら、そのあとの人生どうしよう?って思ったりするんです。

―――ああ、逆にそっちのほうがしんどいのか・・・。

仕事したことがないから、いざ「働きたい」ってなったときにどうしたらいいんだろう?っていう不安もあります。

―――(ちひろ) 母親としてすごくちゃんとできてるから、社会人としては自信もっていいんじゃないかな。

―――ほんと、そう思うよ。


◆毎日の楽しみ、手帳! のでぃか流・手帳術!! 

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―――アンケートに、手帳のこと書いてたよね。今は何を使ってるんですか?

今はEDiTです。

―――(ちひろ) わ、わ、わ、なんかすごいの出てきた! 写真撮ろ!!

―――ちょ、これ、手帳の域を超えとうよね。絶対、“手”に収まらない(笑)。

―――(ちひろ) メモ魔のエミちゃんもびっくりやね。

私もメモ魔だと思います(笑)。

―――この付箋の場所には、レシピを書いてるの?

はい。美味しいって言われたときにレシピを書いて、付箋をつけて。メニューに迷ったときもここから選べるし。


―――なるほどね! 賢い! 私も同じように、いいなと思ったレシピを手帳に書いてるけど、それを何月何日に書いたのか、あとから検索するのが大変で(笑)。1日1ページ? すごい、毎日埋まってるね~。

行ったところのチケットとか、お店のシールとか、もう何でも貼ってます。娘の落書きも(笑)。


―――いつ書くの? 夜?

みんなが寝たあとですね。

―――これ何年ぐらいやってるの?

1日1ページのは2年目ぐらいですけど、でもなんだかんだ、手帳はずっとやってます。

―――これだけ書くの、相当時間かかるよね?

15分くらいですかね。

―――15分で書けるんだ! でも毎晩・・・子どもと一緒に寝ちゃうときとかない?

ありますあります。

―――そういうときは、次の日に?

そうですね。書きたいことがあればあるほど、後回しになっちゃう。


―――わかるわかる、同じ! 書きたいことが多すぎて、書ききれない自分が想像できるからね。

集中して書きたいっていう・・・。そういうときは、あとで思い出せるように付箋にかんたんに書いて、ピッと貼っときます。


―――すごい! 手帳術だわ~、面白い! これ、あとで読み返したら絶対楽しいよね~。

もう、閉まらなくなっちゃってて(笑)。

―――まだ9月なのに(笑)。あと3か月あるのに(笑)。ね、イヤなこととかも書き留めるタイプ?

書きます書きます。「腹立った!」とか。

―――いいよね。日記を書くって、精神衛生上ものすごくいいの。やめられないもん私も。
そうだ、のどかさんが、アンケートに「これまで何とかならなかったことないんだから、これからもどうにかなる」って書いてたじゃない。日記書いてると、そういうふうに思えてくるよね。いつでも、何かしら楽しいことはちょいちょいあるんだな、っていう実感がしてくるよね。

そうそうそう。すごいわかります。あと、悩みごととかも、順序だって考えられるからいいんですよね。ここがいい点でここが悪い点で・・・って。

―――でも、これだけ大きいページは、私には埋められないかな~。

最初は大変かもしれないけど、慣れたらこれでも、「あー、まだ書きたかった」ってなりますよ(笑)。

―――えーっ、これでもまだ足りないの(笑)。

私、これ書いたあとに、親友に5枚くらい手紙書いたりします。

―――すごすぎる!!!

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(終わり)

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[編集後記]

インタビュー:イノウエ エミ
おうちの生活感の様子にも、お話を聞いていても、わたくしすっかり感じ入ってしまいました。留学や大学、すごくチャレンジし続けてきたのでぃかさんだけど、お名前のとおり、のんびり柔らかで、いい意味で楽観的にかまえてる感じ。とても「生きやすい」性格なんじゃないかなって想像します。それはのでぃかさんの性質というのもあるけど、やりたいことを何でも応援してくれる親御さんのもとで育って、「自己肯定感」を自然にしっかり身につけられたのも大きいのかなあ、と思います。なんだか、親御さんにもお話を聞きたい気分になりました。

いつか時期がきたら、のでぃかさんはまた何かに意欲を燃やす気がする、そのときはすんごい気がする! 何かに打ち込んだことのある経験はブランクがあっても消えてなくなりはしないと思うし、今この子育て生活でも、彼女は大切なものを積み重ねていると思うんです。なんというか、のでぃかさんに“生きる基礎体力”みたいなものを強く感じました。ああー、びっしり書かれたあの手帳、半日くらいかけてじっくり読みふけってみたい!(笑)

写真:橘 ちひろ
今回私の娘の通っている幼稚園のママからは初の「ママじゃな」です。嬉しい!ママじゃなはいつもよく読んでくれていて「恥ずかしいし話すことあんまりないと思うけど、でも、(インタビューの)エミさんに会ってみたいです」ってOKしてくれました。本当にありがとう。
産後撮影を再開してから色々チャレンジしたいことも多く、今回お家が近くということもありお願いして気のすむまで撮らせてもらいました。おつきあいありがとう!一枚目の白壁で撮ったもので、スナップではなくしっかりポートレート寄りのものが撮れて嬉しいです。

個展終了! 南志保子さんに一部始終を聞いてきました。

 

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  (みた夢は、遠くない地   2015年  300×450mm)

2015年8月17日~8月23日
アクロス福岡2Fメッセージホワイエにて
『南志保テンペラ画 初個展
   ~花・テーブル・サイロの差し出す色と唄声~』

さる8月、上記のとおり、南志保子さんの初めての個展が開催されました。12年間の作品たちから選ばれた24点によって、アクロス福岡の開放的なスペースが彼女の色に染められました。用意していた芳名帳が足りないくらい、たくさんの人が見に来た7日間。このビッグ・プロジェクトを終えた今の気持ちをぜひ聞いておきたい! 陽気も秋の色濃くなった9月のある日、ランチしながらのおしゃべりです。



◆そわそわしすぎてぐるぐる回ってた

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7日間、よく無事に終わったなー、と。

―――ほんと、おつかれさまでした。

始まる前は、会期中はお祭りみたいな気持ちかな?って想像してたけど、お祭りっていうよりね、なんかすごい感動した。ずっと感動してた。

―――みんなが足を運んでくれたんだもんね。自分のために…。結婚式以来ってぐらいじゃない?

ねー。ほんと、やってよかった。全然知らん人が「すごい面白いね」って言ってくれたり、「まだ若いからこれからがんばってね」とか。ほんといろんな人が来たね。

―――会期中、子どもをどこかしらに預けて、ずっと会場に詰めてたやん。大丈夫だった?

うん、友だちがみてくれたり、しんちゃん(ダンナさん)が休みをとってくれたり。みんなにお世話になって。一週間あったから、子どもたちも「ママ、また行くと?」みたいな感じもあったりしたけど。

―――自分も、子どもと離れるのは淋しいやんね。

そうなんよ、実家に泊まりに行かせるとき、2日間会えんくなるけん、たくさんぺたぺた触って別れたんだけど、自分がちょっと泣きそうやった。

―――そうだよね~。でもそこまでやっただけのものは得たんじゃない?

得た、得た。これまでも共同展はやってきたけど、全然違うね。何から何まで全部自分でやるっていうのは。ほんと、最後の日の残り3時間ぐらいのとき、ちょっと黄昏れてたもん(笑)。「もうこんなに(自分の絵が)並ぶことないな」って思って。

それで、終わって外に出たら、空がすっごく綺麗で。うわーっ、てなって。そのあと、たまたま友だちの結婚パーティでライブハウスに行って、音楽にまた感動して。「もっともっと大きい音でもいいよ」ってぐらいにスパークしてた(笑)。


―――すごい高揚した精神状態だよね、やっぱり。

で、「すごく感動したんだよ」って話を聞いてくれる友だちとか、近しい人がいることがまた感動でさ。「よかったね」って、みんなほんとに自分のことみたいに喜んでくれて。恵まれとうね、と思った。

―――初日の前の晩は眠れんかったらしいやん。

そうよ。でも予報が大雨で、「これ、今日は誰も来んな」と思ったらちょっと落ち着いた(笑)
その前からそわそわしてる日々で、下手に出かけて事故ったりしたくないけん、出かけない。近場だけ。夏休みの前半は子どもとプール行きよったけど、個展前は絶対行かなくて(笑)。


―――泳ぐのは危険を伴うけんね(笑)。

本も頭に入らなくて全然読めんけんさ、ピアノをずーーーっと弾いたり。前日とか、そわそわしすぎて家の中ぐるぐる回ってた

―――そのそわそわは何なんやろ。緊張?

緊張と、不安と。飾ってみてないから、「ほんとにこれが展覧会として成立するのかな?」っていう不安。バランス悪かったらどうしよう? 自分はいいと思って描いてるけど、果たして人はどう思うんだろうか? とか、いろいろ考えて。でもやってみらんとわからんけん、することもなくそわそわしてた。

―――そうよね、もうできることはないんだもんね。

それこそ、会期中に着る服とかも全部決めてしまってさ。

―――えええ、すごい! でもなんかしほちゃんらしい(笑)。



 

◆自由に見てほしい、好きに言われていい

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 (  silo pink   2013年  100×148mm)


―――そんな不安を吹き飛ばすようにお客さんいっぱい来て、よかったよねー。

アクロス福岡ってやっぱり通りすがりの人が多くてね。よくコンサートとかもあってて、終わったらバーッて人が上がって来るんよ。ほかには、広報してもらってたけん、新聞を見てきたとか、ラジオ聞いていたとか。「テンペラ画」っていうのがアンテナに引っかかって来る人もおるとよ。「すごくいいね」って言ってもらって、名刺をいただいたり。

―――絵について言われたことで印象的なこととかあった?

たくさん言われたのは、「優しい色やね」って。「私は色にはうるさいのよ」って言ってた女性が、「中間色の使い方が面白いね」とか。

―――すごい的確な感想だね。わかる。中間色、しほちゃんの絵の特徴かも。

それが「優しい」と言われるとこかもしれんね。あと、いろいろ聞かれるのが面白かった。これは空なのか、海なのか? ギターか、マンドリンか? 竜?とか言われたりね。小学生が、「これは悪魔の後ろ姿だ!」って言ったり(タイトル「チカチカ」、山のようなフォルムが描かれた絵)。

―――しほちゃんの絵って、老若男女問わず、誰にでもすーっと見れる、入ってくる絵だよね。

自由に見てくれるとうれしい。「こんなんどこがいいと? 俺でも描けそう」って言ってる人もいたよ(笑)。待ち合わせた仲間たちとダベりながら見てた若い人で、作者の私がいるとは思わずに言ってたんだろうけどね。

―――あー、絵に対してそういう感想述べる人いるよね。描けやしないんだろうけど、実際には。

いいと、いいと。好きに言ってくれて。あと、「絵の題名がわからん」とか(笑)。

―――あ、私はそこが好きよ。しほちゃんの絵って題名と合わせて見ると、二度面白い。言葉のセンスとか、組み合わせとかも芸術家だなーって感じがするよ。「ポプラ走」とか「ゆたかな芽吹き」とか。「みた夢は、遠くない地」みたいなドラマチックなタイトルも好き。



 

◆絵の変化。勉強して、表現が広がった 

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 (音楽   2006年 F10  530×455mm)

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 (唄ってるような夜空みたいに君が好き  2011年 SM   227×158mm)

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多肉植物 居候  2015年  SM   227×158mm)


―――今回、描いた時系列で、横一列に展示しとったよね。しほちゃんの12年の歩みを感じたよ~。

やっぱり変わっていってるもんね。

―――若いころの絵は、しほちゃんの渦巻く内面が荒々しく表現されていて、圧倒されてさ(笑)。

若いころは、ガーッて描いてるもんね(笑)。テンペラ画を始める前は油絵を描いてたんだけど、それこそ誰に見られなくてもいいと思って描いてた。ほんと自分のためだけに。

―――ここ3、4年の絵は、より柔らかく穏やかなイメージもあるんだけど、それってつまり「幅が広がった、器が大きくなった」ってことかも。見る人に、より自由に、いろんな受け取り方をさせてくれるようになった気がする。

たぶん、その境目でね、大阪に絵を習いに行ってるんだよね(笑)。

―――そうそう、泊りがけでね。

去年も東京に、テンペラ画の大家の先生に習いに行ったんだよ。金箔の貼り方とか、古典技法とか、保存方法とかも。額装はちゃんとせないかんね、って思ったり。

―――いいね、そうやってしっかり習っておくと。

やっぱり、技術が足りないから表現できないっていうモヤモヤがあるんよね。勉強して知れば知るほど、表現は広がるんよ。

―――勉強することでもっと自由になるんだね。

若いときの「勢い」的な自由さはちょっとなくなるんだけどね(笑)。

―――でも、表現が広がれば広がるほど、私たち見る側の「自由」も広がるよね。絵を見る楽しさってそこにあるんじゃないかと思う。
絵には作者の思いが込められているけど、それをどう感じ取るかはそれぞれの自由であってさ。絵を見てるときって、自分の心がすごく自由になる感じがするんだよ。その感じがすごく気持ちいいと。

「いいものを見せてくれてありがとう」って言ってくれるんだよね、来てくれた人が。いやいや、こちらこそ、「来てくれてありがとう」なんだけど。

―――わかるよ。日常に追われてると、自分の心を自由に解き放つ時間ってなかなかないからさ。自分の感性にまかせて絵を見ることで、なんかすごくスーッとして、明るい気持になる。「こんな絵を描いて、こんな気持ちを味あわせてくれてありがとう」って言いたくなるよ。仕事や育児で忙しい私たち世代には、すごくいい機会だよね。

「私が描いてるって知らなかったら絵を見に行くこととかほとんどない、テンペラ画っていうものも知らなかった」ってママ友もいるもんね。そういう人にも「ありがとう」って言われた。


 

 

◆その人の大事な思いを受け取って自分の中に入れる

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  (あやこのPupe  2015年  SM  158×227mm)


最近、ありがたいことに、絵の依頼をいただくんだよね。

―――うんうん。

私、もともとは、そういうのしたかったわけじゃなかったんだ。自分の描きたいものを描いてきたけん。

―――そうだよね。

「描いてほしい」って言われるものは、その人が大事にしているもので。

―――依頼に応えるって難しいよね。その人にとって「大事なもの」でも、しほちゃんには知らないものだったりするわけで。

そう。でも、“私もそれを好きになる”っていう作業をしてから描くと、うまくいくなって思って。
こないだの鳥の絵も、依頼主さんから思い出話を聞いたりして、思いをふくらませて・・・今までで一番思いを込めて描けたっちゃん。もう、描き始めた瞬間から涙が止まらないような気持ちでね。自分で「うまくいったな」って思って、依頼主さんにもとても気に入ってもらえて、本当にうれしかった。


―――もうこの世にはいない、実際には会ったこともない鳥ちゃんだよね。そこまで思いを込められるのってすごいね。

ねぇ。すごい体験だった。

―――そういう、本来、自分には関係ないものにでも、思いを寄せられるようになったのって、大人になったからかもね。若いときには難しかったんじゃない?

そうね。その人の思いをもらって、いったん自分の中に入れるっていう・・・。描くって、幸せだったり元気だったりしないとできないと思う。

―――描けないときはないの?

最近ないね。最近っていうか、けっこうずっと元気やけんね。

―――逆に、描いてるから元気なのかな。

そうね、そうかもしれん。やっぱり、絵が、自分がいちばん勝負できるところやけん。


 

 

◆「できる」って思ったら、なんか、できた。 

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 (自画像 2009 natu  2009年 SM  227×158mm)


―――あのさ、不特定多数の人に絵や個展を紹介するのってドキドキしない? 私、「ママじゃな」のサイトを紹介するのでさえ、今でもちょっとね・・・。押しつけがましくないかなーとか。興味のない人だって当然いるしさ。

そりゃ当然いるよね。子育てバリバリモードの人だっているし、今回だって、アクロスみたいな場に行くどころじゃない人だっているよね、小さい子がいたりとか・・・。でも、どんな反応も気にしないことにしてる。人の状況って外からだと分かりようがないところあるやん? 

―――うんうん。

もちろん気遣いせないかんとは思うけど、別に悪いことをしているわけじゃないというか。「自分はこういう人間だ」って言ってるだけで、「だからこうしてほしい」と言ってるわけじゃない。

―――今、子どもたちを育てつつ、学校や園の保護者のお仕事もいっぱいしながら、こうやって自分の表現もやってて、周りからは「南さんって、すごい人だ~!」って思われることもあるかもしれんけど、しほちゃんも元々は「ただ絵を描くのが好きな女の子」だったんだよね。

そういう意味では、私ポジティブなんじゃない? 「できる」って思ったら、できたとよ、なんか。「できない」って思ってそこで思考停止したらそれまでやん。できるかできないかって、能力的に差があるわけじゃなくて、考え方の差なのかも。

(幼稚園の保護者会の)会長だって、ダンナさんが「そんな大変なことやめとけ」っていう家もあれば、うちのしんちゃんみたいに「応援するよ、がんばれ」って言ってくれる家もあるわけで。でも、ま、ダンナさんがどうこうっていうより、そういう人と結婚してるわけだから、それが私のしたいことなんだよね。逆に、したくない人がいるのも当然で。


―――人それぞれ違うもんね。



 

子どもを見送ってぐぐっと水底に潜り、ザバーッと上がってお迎えに行く(笑)

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(  追信 ゆびわ  2015年  70×160mm)


―――オンオフの切り替えは大丈夫なん? 子どものことで忙しいけん絵に気持ちが向かないこととかない?

子どもがいるときは描かないね。(幼稚園や学校に行って)一人になったら、朝から2時半とかまで、ずーっと没頭してる。水中の、ずっと底のほうに潜ってさ、幼稚園のお迎えに行く5分前になったらザバーッと上がってくるって感じ(笑)。

―――潜ろうと思ったら、すぐ潜れるわけ? すぐにモードを切り替えられる?

潜れるね。

―――そっかー。それも技術っていうか経験値じゃない? 切り替えってやっぱり難しいけんさ。

朝とか、子どもたちが行ったら何をするとか、考えながら家事しよるね。

―――で、集中してやってて、「今いいとこなのにお迎えの時間だ~」とか、ないと?

あるあるある。あきらめる、それは。

―――すっぱりあきらめるんだ。

明日やればいいことやしね。園や学校の用事が多くて、時間がとれないこともけっこうあるよ。
新学期も、ほんとはすぐ板(※しほちゃんはテンペラ画を木の板に描きます)とか買いに行きたいけどなかなか行けない。でも、いいといいと、来週は行けるんだからとか思ってさ。ありがたいことに、依頼も納期とかなくて、みんな「いつでもいいよ」って言ってくれてるけん、自分のペースでできる。もちろん早く描きたいけどね。


―――自分に合ったスタイルを作ってるんだね。

描きたいけど描けない・・・みたいな、あっためる時間も大事とよ。子どもといるときも、頭の中では絵のことを考えてるときはあるよ。たぶん、どんな仕事をしてる人もそうだよね。そうやっていろんな時間に考えてることがアイデアにつながったりするっちゃない?

―――なるほど、うまく時間を使ってますなあ。

いっぱい失敗もしてきたとよ。


 

 

◆今いるここが、私の居場所 

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―――私ね、「自分は自分」って思って、いい意味で勝手にやってるような人を見るの、すごく好きっちゃん。

うんうん。私も最近、不惑に近づいてきてさ・・・

―――おお、いいね。これから、「アラフォー」って言うのやめよう、「不惑」って言おう(笑)。

(笑)。最近、なんかもう、ぶれなくなったね。

―――ぶれない、惑わない。まさに「不惑」やん!

ははは(笑)。「自分はこうやって生きるんだ」ってものすごく納得してる。ハタチぐらいのときって、アメリカに住みたいとか妄想しよった。でもそういうこと思わなくなってさ、それは、“身の程を知った”ってていうよりは、「ここがいいな」って思うようになった。

―――おおおおお。深い。

どっか行ったら、家族とか友だちとか離れちゃうわけやん。そう思ったらどこにも行きたくない。いろんなもののバランスがミラクルにできてて、今こうやって絵を描けたりしてる。自分からそれを崩したくない。

―――うん。そしてそれは、周りの人の支えとかもあるけど、しほちゃんが自分で作ってきた場所なんだろうね。


(おわり。)

 


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  (アクロスを出て芝生広場へ 早速秋の気配漂う)


[編集後記]

インタビュー:イノウエ エミ
しほちゃんのおうちで、共同展で、飾ってあるお店で。これまでいろんなところで彼女の絵を見てきましたが、それらが時系列にずらーっと並んでいるのを順番に見ていってる最初の時間、ちょっと泣きそうでした、なんか胸がいっぱいで。12年。うれしいことも悲しいことも、私が知っていることも知らないことも無数のようにあったでしょう。その中で、彼女が静かに描き続けてきた絵たち。大切に集められた宝石のように輝いて見えました。

で、感動しつつも、「こりゃ、個展が終わったら燃え尽き症候群になってもおかしくないわな~」なんて感じたりもしていたんですが、新しい絵の注文があったり、次の個展の話が来たりと、個展の勢いのままに彼女は進み始めてました。個展終了後には娘ちゃんの誕生日があり、その後、子どもたちの新学期が始まりました。じきに運動会もやってきます。日々は続き、しほちゃんは描き続ける。それが頼もしく、励みにもなります。しほちゃん、おつかれさま、ありがとう。絵を見るって本当にいい気持ちですよ、みなさん。


撮影:橘 ちひろ
展示会初日の午前中、すでに絵を見に来られているお客さんがいました。しほこちゃん初の個展は「初」なだけあってすごいボリューム。しほこちゃんの思いや願いがぎゅっと詰まっている感じがあふれ出ていました。
またこれから第二回・三回とどんな風に展開していくのかとすごく楽しみにしています。

生活の中(子育ての中で)で絵を描くっていうことと、あと、自分の思いや願いだけじゃなく人の思いや願いを描くこと(これは感受性豊かなしほこちゃんだからこそできる事だと思います。なかなか誰にもはできない!)、インタビューの中でそのへんのお話が聞けてすごく参考になりました。
私も自分のスタイル見つけたいな、しほこちゃんの個展に励まされて、もうちょっともがいてみます。
私の今回の一番好きな絵は「あやこのPupe」インコの絵です。なんでだろう、涙が出る・・・。

vol.18 Masako の 「ママじゃない私」 ポートレート

 

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思いがけず、夏休みの取材機会に恵まれました。今回は戸外の広いロケーションでの撮影予定もあり、「思いっきり“夏!”って感じの記事にしよう!」と意気込んでいたのですが、取材当日は降水確率90%の予報。朝起きると、雷まで鳴っています。なんてこと!? 昨日までの猛暑はどこに行ったのでしょう? 毎日毎日、あんなに晴れあがってたのに!

それでもせっかく組んだ日程だもの、一縷の望みに賭けて博多から電車で40分、行ってきました、撮りました。すらっと背の高い今回のモデルさん、インタビュー担当エミとは今日が初対面になります。事前にお願いしたアンケートだけが、彼女を想像する材料で・・・。

 

 

 

◆ある日ふと、解き放たれて。

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―――アンケートの回答がすごい速くて。

ああ、確か、その日のうちに回答して返したような。

―――(ちひろ)「ママじゃな」史上、最速(笑)。

―――お仕事もしてて子どももいて、忙しいだろうに・・・何か、時間の使い方に工夫とかあるんですか?

工夫ですか。うーん、何かあるかなあ・・・

―――テキパキしてるほうですか?

あ、テキパキはしてるかも。ぐうたらする時間が欲しいから、やらなきゃいけないことはさっさとしてしまう。それに、子どもももう9歳で手がかからないから、声かけだけなんですよね。

―――そっかー。

「宿題しとったほうがいいっちゃない?」って。「しなさい」じゃ絶対ダメだから、「○○したほうがいいんやない?」みたいな言い方で。そしたら、「あっ」てなってくれる、まだ。

―――そうやって、自分の時間ができたら、何してますか?

何してるかなー。本読んだり、だらだらもします。日曜日、子どもが外に遊びに行ってて家に誰もいなかったら、テレビで野球のデーゲーム見ながらビール飲んだり。そんなぐうたらにも幸せを感じますね(笑)。

―――お酒、好きなんですよね? アンケートにも、「たまに友だちと酔っぱらって踊ったりするのが楽しい」って書いてあった。私たちもお酒大好き! 今はちひろちゃんは(授乳中)飲めないけど・・・

―――(ちひろ)下の子を妊娠するまでは、ちょくちょく飲んでたよね。子どもいるのにね(笑)。

ほんとは、子どもがいるから自分を律さないといけない、みたいなのが、長い間、自分の中であったんです。他のお母さんが「飲みに行って・・・」みたいな話を聞くと、いいなって思う反面、「この人たち、子育てどうしようっちゃろうか?」って思ったり。

―――うんうん。そういう人、けっこういると思います。

ちょっとした嫉妬心があったと思う。「この人たちは自由にしてていいな、私はがんばりよるのに」みたいな。それがある日、ふっとなくなって。本当に、ある日、ふっとなくなったんですよ。

―――えー、不思議!

「いいやん、私も行けばいいやん」って。

―――そう思えたのは、息子さんが何歳ぐらいのときですか?

小学校に上がってから。それまで、自分の中でもバタバタしてた時期が終わって、自分にも思いが向くようになったのかな。

―――初めての子育て子どもが小さいときって、ちょっと違う自分になってるような時期ですもんね。生活スタイルもがらっと変わって・・・。

確立できてなかったのかな、って思う。「あたしががんばらないかん!」って思いが強すぎて・・・みんなそうだと思うけど、自分のことが後回しになって。それが、だんだんと子どもにかかる割合が減っていって、自分の割合が増えてきた。今はいいバランスかな、と思います。


◆一人でも平気、一人が好き。クールで冷めていた過去

         

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―――アンケートに、「昔からクールに見られる」って書いてあって。クールってどんな感じですか? 背が高くてすらっとしてるからってのもあるのかな・・・

私、若いときは、けっこう冷たかったと思うんですよ。

―――冷たいって、人あたりとかも?

そうです、そうです。

―――あんまり、愛想よくとかしないタイプ?

愛想よくなかったー。子どもが生まれてからは変わったと思うけど。なんか、キャピキャピするのがダメなんですよ。

―――あー、うんうんうん。

そういうのすごく冷めた目で見てて。

―――女子同士で群れたりとか・・・

あ、もうダメ。いやだいやだ、そんなんだったら、ひとりがいい(笑)。

―――ははははは(笑)。さばけてるんですね。じゃ、周りの友だちもそういう・・・

サバサバしてる子が多かったですね。それに、昔から一人で行動するのも好きで。映画見るにしても、ラーメン食べるのも一人で行ったりするし。

―――好きなように行動できますもんね、一人だと。自由に、効率的に。

基本的に、自分のペースでやりたいんですよね。

―――でも、若いころって、どこに行くにも誰かと一緒って感じありましたよね? 女子は。

そうなんですよ。で、冷めてる私は、「この子たち、自分に自信がないから一人で動けないんだろうな」って(笑)。

―――思ってたんだ(笑)。クールだ(笑)。そういう群れから外れてて、人にどう見られても平気?

全然なんともない。

―――昔から?

昔からですね。

―――強いですね~。ひとりぼっちになるのも、そう見られるのも怖くて、とりあえず同調してグループに入っておく・・・みたいなのって日本人的にあるあるな気がするんですけど。

そういう気持ちはなかったですね~。人になんと思われようと全然平気だから、言葉も行動も冷めてて。でも、私がそうしてると、子どもも同じようにするだろうな、と思うから、子どもが生まれてから変わりました。

―――今、お話していても、とっても柔らかい雰囲気ですもんね。それに、最近は、「つるむ」ってわけじゃないんでしょうけど、すごく仲良くしてるお友だちの女性がいるとか・・・?

そうなんです。職場の人つながりで、たまたま同席する機会があって、それからfacebookとかLINEとかでやりとりしてるうちに仲良くなって。いっしょにごはん食べに行ったり、築城にブルーインパルス見に行ったり・・・

―――すごい。デートみたい(笑)。

LINEとかも、私たちが学生の時はなかったツールですよね。今は手軽にやりとりできて、面白いなーと。やりとりが続いて最後は「おやすみ」まで言い合ったりして、「もうすぐ40になろうとする女2人が何しよるんやろか?」と自分でも思うけど(笑)。

―――この年になったから、肩の力が抜けたお付き合いができるのかもしれないですね。無理はせず、自分らしく楽しめるというか。

                 

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◆あんまり動じない。っていうか鈍感なのかも・・・(笑)

 

―――お話してると、強くてしっかりしてるなーって感じがするけど、ストレスたまったりすることないですか? ストレス解消はどうやってしてます?

うーん、なんだろう・・・・

―――ストレス、あんまり感じないほうですか?

感じない。痛みも感じない。子ども産むときも、なんか朝からお腹が痛いけど、まだ予定日より6日も前だし、「お腹の調子が悪いだけやろ」ぐらい思ってて、でも夜ごはんのあとどうしても痛くて病院に電話して。「そんなに痛いんなら、おいで。帰ってもらうかもしれんけど」って言われて、行って診てもらったら、子宮口が6cm開いてて。

―――ええええ、すごい!!!

―――(ちひろ)あれ、痛いよーーー!!

で、9時ぐらいにすぐ入院して、部屋でしばらく待ってて、痛かったり痛くなかったり・・・11時半に診てもらったら、もう10cm開いてて。

―――ひゃああああ!!

そのとき、私ていろんな感情に対して鈍感なんだなって思った。自分でも笑っちゃって。「道理で痛いと思いました(笑)」って。

―――強いんだろうね。耐性があるっていうか・・・・。ちなみに、まだ1cmも開いてないうちからギャーギャー言ってた私ですが(笑)。

―――(ちひろ)わかるそれ(笑)。

―――でも、ちょっとしたことで、いちいちギャーギャー言ってる人は、そうやって発散してるというか、ためこまないところもあると思うんですよ。逆に、強くて耐えられる人は、ギリギリまでがんばっちゃって、気づかないうちに抱え込んだり、バタッと倒れてからすごく疲れてたことに気づくとか、そういうのないですか?

うーん、あんまりないんですよね。たぶん、小出しにはしてると思う。しゃべって発散とかじゃないけど、今もジョギングとかウォーキングとかしてるんですけど、すっごいストレス解消になるんですよ。汗、だらだらかいて。

―――ああ、わかる! 汗かくとすっきりしますよね。

頭もクリアになるから。あんまり、わーーーってなることはない。

―――そっかー。逆に、しゅーーーんと落ち込むことも?

ないんじゃないかなあ。


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◆ジタバタしないで、静かに時が過ぎるのを待つ。

 

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―――若いときから、そうだったんですか? わーってなったり、落ち込んだすることなく。(←しつこい)

どうかなあ。落ち込むというより、静かにしてた。・・・うーん、うまい表現が見つからないけど。
イヤなことがあったとしても、「ギャーギャー言ったところで物事は変わらない」っていうのが自分の中に根底としてあるから、ジタバタするよりは、静かに時が過ぎるのを待つって感じ。


―――す、すごい・・・! そしたら、過ぎていくんですか? 実際。

過ぎました。いろいろ。やっぱり、時間が解決することが多い。

―――そうかー。「あまり動じないタイプ」ってアンケートにも書いてたもんね。

そうだと思う。そのときそのときで感情の波はあるけど、それに乗ってしまってもどうしようもないな、と思うし。

ずっと前の話になりますけど、私が高校2年のときに、身内が病気で亡くなって。大好きだった人だから、それが、初めての、なんていうのかな・・・・


―――人生での、すごく大きな・・・

ショックな、大きな出来事だった。でも、そのとき思ったのが、それでも時間が止まるわけじゃないし、誰かが何かをしてくれるわけでもない。自分や身内がしっかり立ってなきゃ、みんな共倒れやん、って。

―――初めての大きな出来事で、そう思えたってすごい。

もちろん、しばらくは情緒不安定で、思春期だし、突然泣いてみたりとかはあったけど・・・。倒れたのは、私が9歳のときだったんですね。

―――ああ、じゃあ、ずっと闘病されてて・・・

私がもうちょっと大きくて頼れる存在だったら(闘病中も)支えてあげられたのに、っていう思いもあって。

―――そのころから、子ども心に、いろいろ感じたり考えたりして、だんだん強さや冷静さができていったのかもしれないですね・・・。そういう意味で、周りの子たちよりも大人っぽかったのかもですね。

それはあったかもしれません。

―――自分では冷めてたと言ってたけど、そういう経験が、まさこさんをどこか達観させてたのかもしれないですね。

さらに言うと、私の祖父が僧侶だったんですね。

―――おお!

祖父は私が小さいころに亡くなったんですが、父は仏教の教えを受け継いでいるところがあって、「人はほどほどじゃないとダメだよ」って。“中庸”っていう言葉がありますよね。がんばらないかんときもあるけど、がんばりすぎてもダメ・・・

―――それを、お父さんから聞いたんですか?

そうなんですけど、そのときはふーんと聞いていて本当にはわかってなかったと思う。でも高校がたまたま仏教校だったから、授業中にその言葉を習って、「ああ!」って。

―――「これかー」って。そっか、やっぱり親の言うことって、心のどこかに残ってるんですよね。私たちの子どもも同じだと思うと、責任重大・・・。

親の影響って大きいですね。


◆自分は自分の中にしかない

 

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―――これは「ママじゃな」でお会いする人みんなに聞きたいことなんだけど、自分のこと好きですか? 普段はこういうこと考えないと思いますが。

好きになりました。最近特に。

―――あ、そうなんだー。

やっぱりそれは、自分の時間が増えてきたからだと思う。

―――自分らしくいられるようになった、ってことですかね。若いときはどうだったと思いますか? 想像しにくいかな。

たぶん、基本的に嫌いではなかったと思うんですよ。私、ほんとすごい冷めた人間で。『百万円と苦虫女』って映画があるんですけど・・・

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百万円と苦虫女 [DVD]

 


誰かが「自分探しをしてるんだ」と言うと、蒼井優が演じる主人公が
 「そんなくだらないことしてないで、自分なんて自分の中にしかいないんだから」
みたいなことを、さらっと言うんですよ。それ聞いて、「そうだそうだ、私は昔からそう思ってた!」って思った記憶があります。


―――ほおお。なんか、わかる気がするなあ。まさこさんがそんなふうに思うってのが。

なんか、「自分探し」って言葉に昔から引っかかるものがあって。

―――どっか行ったからって都合よく見つかるもんじゃないよ、ってね。

そうなんですよ。

―――そんなふうに思えるのは、まさこさんが昔から自分自身に満足していた・・・とまではいかなくても、“自分”をちゃんと持ってたってことなんだろうなあ。
 

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子ども子どもの人生を。でも、子どもに世界を広げてもらえることもある

 

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―――お子さんも大きくなるにつれ、“自分”を確立していくと思いますが、お子さんにどんなふうになってほしい、とかありますか? 

特にないです。好きなように進んでほしい。今のところ、まあ順調に・・・優しい性格なんですよ。

―――ああ、優しいっていいですよね。

遊び友だちもいっぱいいるし、そのままの状態で自分らしく・・・やりたいことを見つけたら、それは絶対応援するから、って常々言ってて。彼には彼の人生があるから、親はただフォローするだけ。時には厳しい言葉もかけなきゃいけないけど・・・。そういうスタンスでやってますね。

―――子育てでも、あんまり思い悩んだりしないほうですか?

子どもが何かやらかしたりしたら、ガクッとくることはありますよ。でも本人がきちんと反省して、次どうすればいいかって言えた時点でもう大丈夫だと思うから。子どもを自分の所有物のように見てしまうのだけはやめよう、ってずっと思ってて。自分の思い通りにしないように・・・。

―――そうなっちゃうのって、最初のほうにした話と同じで、自分に自信がないからかもしれないですね。

自分で自分を認めきれてないと、人のことが気になっちゃうんだろうな、って思う。

―――そこから解き放たれたら楽になりますよね。比べてもしょうがないもん。みんな絶対それぞれ違うし。

そうなんですよね。やっぱり、自分は自分の中にあるものでやっていくしかない。でも、自分の中にあるものは、増やしていけるとは思います。これからも新しい自分を・・・。それはちょっと楽しみですね。

―――ほんとですね~。

子どもに自分の世界を広げてもらう、っていうのもあるんですよ。彼はすごく電車が好きで、3歳になる前から、電車の写真が載った本を見て「これなに? これは?」って尋ねて、電車の名前を覚えて。私は全然興味なかったし、移動といえば車しか考えられなかったけど、彼と一緒に本を見てたら私も覚えちゃって、「これ乗りたいね。かっこいいね」とか言って。

―――うちもまったく同じです(笑)。

今ではうちは、電車で行けるところはどこでも電車で行きますね~。電車旅、楽しいですよ。



(おわり)



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[編集後記]

インタビュー: イノウエ エミ

ごらんのとおり、雨はやみました! 奇跡!! 

いつもより短い時間でのインタビューで、しかもまさこさんとは初対面。不安もあったんですが、濃密なお話が聞けた気がしてます。「静かな強さ」とでもいうんでしょうか、聞いていてとても気持ちが良かったです。心で思っていることを、的確に、コンパクトに言葉にできるって、すごいですよね。

まさこさんは強くて賢い人で、それもクールに見られてきた理由かもしれません。誰もが持ち得るものじゃないから。でも、「ママじゃな」世代になった今、彼女が経てきた経験や心の動きに思いを馳せ、共感する人も少なくないのではないでしょうか。彼女のほうも、芯の強さは変わらず、より柔らかく軽やかになってるんでしょうね。年齢を重ねるっていいなと思える、深いお話でした。

雨上がりの空気の中、すらりとした立ち姿がとても綺麗です。

撮影: 橘 ちひろ

久々の再会。中学校からのお友達です。取材できることになってうれしかったー!
エミちゃんが上に書いてくれてる感想がもう全くその通りって感じです。大人になってこうしてじっくり話きけて写真という形で関われて、想像以上に楽しく嬉しい経験となりました。

そして、写真について「気が付けば自分の写真ってなかなかないんよね」って言ってくれました、共感!本当に!正にそうなんですよ(はじめた頃の挨拶文にも書いているんですけど)、母になると子供が主役、そうこうしているうちにささっと子供を前に押し出して自分はおまけポジションに、ってかもう子供だけでいいかな、とか・・・。いやいや、この30年40年だてに歳を重ねていません。自分一人で写る写真、こんなにストレートで素敵です。インタビュー内の「子供は子供の人生を」という言葉が特に心に響いたのですが、ってことは「自分の人生は自分が主役」です!だから30代40代50代、自分が主役の写真をたまには撮るべきなんです(熱弁)!
そんな意味をもう一度思い出させてくれてありがとうー!今度本当に一緒に呑みたいっ。

長身とストイックそうな体型に白くてふわっとしたお肌のギャップ、くしゃっとした笑顔もいいけどふわっとした表情も味わいがある、特に私は横顔が好きです。横顔のアップ写真は「こういう写真が撮りたかった」って写真です。

 

 

南志保子さんの初めての個展が始まります

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こんにちは、「ママじゃな」インタビュー担当エミです。

ポートレートvol.4 に登場してくれた、南志保子さんの初めての個展が始まります。


・アクロス福岡 情報ひろば開催イベントのページ



『花・テーブル・サイロの差し出す 色と唄声展』

2015年8月17日(月)~23日(日) 
10:00~18:00 (最終日は16:00まで)

アクロス福岡2階 メッセージホワイエ
福岡県福岡市 中央区天神1−1−1)
入場無料   

お問い合わせ sihocoworld@i.softbank.jp
しほちゃんサイト内お知らせ→ http://www2.hp-ez.com/hp/sihocoworld/page4



メッセージホワイエ、オープンなスペースで、ふらっと入りやすいところです。
しほちゃんは常駐するとのこと。

「“ママじゃな” でお知らせを見て、来ましたー」
なんて一言をかけてくださったら、しほちゃんも、私たちも喜びます!


さてさて、初個展を前にした心境を、ちょっと聞いてきましたよ~。


◆準備段階ですでに幸せです

―――今回、この10年くらいの作品を一堂に展示するということだけど、自分の昔の絵を見返してみてどう?

うーん、「昔の絵のほうが好き」って人もいそうだな、とは思う。うあーーーーって描き殴ってる感じ。

―――絵も変わっていく?

うん、技術的な進歩もあると思うし、今は「こういうふうに描くんだ」って思って描いてる。気合も入ってるし、やっぱり最近のものが、今の自分の気持ちに近いからねー。

―――じゃ、昔の絵と今の絵を一緒に並べるの恥ずかしくない?

恥ずかしいと思うよ、たぶん(笑)。

―――どういうふうに並べるとか決めとうと?

やっぱ時系列じゃないですかね。

―――そうなんだ! だったらなおさら恥ずかしいっちゃない?

自画像もあるけんね(笑)。

―――うわー、いいね! 大きい絵もあるよね。

あるね、半畳くらいの・・・。気に入ってずっと家に飾ってたんだけど。うちに遊びに来る友だちとかは見慣れてるから、今さら個展で見てもつまんないかなーと思いつつ・・・

―――いや、新鮮だと思うよ! 普段は、しほちゃんちの一部だと思ってるからさ。ドキドキするかも。
絵をたくさんの人に見られるの、どういう気持ち? 楽しみ?

そうねー。ドキドキする。準備段階で幸せ。疲れと緊張感がたまらん。会期中はお祭り気分なんじゃないかな。

―――タイトルの意味は? 「花・テーブル・サイロの差し出す 色と唄声展」。とても個性的だよね。

描いたモチーフだよね、花とかテーブルとかサイロは。それが、色とか唄声とかで、どんなふうに見た人に届くかな?っていう・・・唄声って入れたかった。いつも音楽的なことを思いながら描いてるので。




しほちゃん、芳名帳もとても素敵に作っていて、お子さんにもちょっとした心遣いが用意されていました。
準備万端のようです!

12年間の作品を展示する。初めての個展を開く。
集大成であり、新しいチャレンジですよね。

会期が終えての感想も、また聞いてみたいなと思います。
そのときは、個展の写真(by ちひろちゃん)とともに、こちらでもお伝えできるといいな。

どうぞ、都会の緑の公園を抜けて、色彩の世界に遊びに来てくださいね。

 

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                       (お待ちしていまーす!)

                       

                                                                                           文章: イノウエ エミ

                                                                                           写真: 橘 ちひろ

”ママじゃない私” ポートレート facebookページつくりました


こんにちは、エミです。梅雨明け! アツがナツいですね~! (←年に一度は言いたくなる)

というわけで(標題)、「ママじゃない私、ポートレート」のfacebookページを作りました。

※ ↑ 公開ページなので、facebookやってない方でも見ていただけます(^^)

 

いまさらー? って言ってはいけません! 思い立ったが吉日なのダー!

これまでは、千尋・エミそれぞれ個人のfacebookページで紹介してたんだけど、私たちと直接知り合いでない方にも、見つけやすく、お届けしやすくなればいいなと思いまして。

更新や、種々のお知らせなど、随時こちらでやっていきたいと思ってます。フォローしていただいたらうれしいです。

そして、直接のお友だちたちには、もしや、もしかしたら、ページへの「いいね!」をリクエストさせていただくかもしれませんが・・・・
もし、あなたの「いいね! PUSH ポリシー」的に問題なくて、気が向いたら、「いいね!」してくださるとうれしいです。ほんと、タイミングよく気が向いた方だけでかまいませんので・・・

宣伝とか得意でない私たちですが、見てくださる方が増えたり、新しいご縁ができればうれしいなと思っているので、どうぞよろしくお願いできれば幸いでーす。

もう一度、アドレス貼りますね。あらためて、これからもどうぞよろしくお願いします。

https://www.facebook.com/mamajanaiwatashi



(撮影 橘ちひろ)

サニー安田さんからお返事いただいてます

こんにちは。夏休み、遊んでくださーい! エミです。うちの夫には「お盆休み」というものが特にないのであります!!

 

さて、 ↓ のサニーさんポートレート&インタビュー記事、 見ていただけましたでしょうか?

できあがった原稿を見たサニーさんが、ご自身のサイトで「“ママじゃな” へのお返事」として、とても素敵な文章を書いてくれました。

lifeismine.me


これ、経緯はと言いますと。

皆さんに公開する前、インタビュー記事の草稿をサニーさんにお見せして
「どこか手直しするところ、なーい?」と聞いたところ、


「世の中のダンナさんは、男社会のルールにどっぷり染まっちゃってるだけだから、
『結婚してダンナが変わった!』って思わないで、
 やさしい心で接してあげてほしいな。

 って、補足で伝えたい。
 子どもがもう一人いると思って、ダンナ育てがんばってほしい」

と、おっしゃるのです。

 

私は、

「ふむー、なるほど。
 しかし、妻社会&ママ社会において、
 『ダンナを大きい子どもだと思って育ててあげて』ってアドバイスは、
正直、地雷です。
 
 家事や育児なんて、24時間365日、お休みないのに、
 なぜ、さらにそのうえ、本来パートナーであるべき大の男を育てるなんて、
 女だけがそんな仕事をせねばならんのか?

 ・・・と、世の奥さま方はおっしゃると思います。」

と、謹んで申し上げました。


そこでサニーさんが「では、あらためて、思うところをじっくりと。」と言って書いてくれたのが、リンク先の文章なのです。リンクもう一度貼りますね。

「“ママじゃない私”ポートレート」へのお返事
http://lifeismine.me/archives/2269

 

すっごくわかりやすい。
そして、ちょっと泣けます。

ママじゃないあなたと、ダンナさんは恋に落ちて、キスして、結婚したのです。

 

いまは「ママ」なあなた。
何年か先、ママという囲いがなくなったあなたはもっと、あなた自身の力を使えます。
その時に絶対そばにおいていたほうがいいのは、今のあなたのパートナー。

 

いまママのあなたたちもきっと大丈夫。ヘトヘトでもいつか、楽になって、さびしくなります。


このあたりの文章にたどりついたとき、ホロッときます。
実際に泣いた人、確認できただけでも、数人います(笑)。

 

これ読んで、現在進行形で子育て真っ最中のママのポートレートだけでなく、“あの人に会いに行こう”のコーナーを始めてよかったなーと、すごく思いました。

同世代のママたちだって、十人十色でいろんな人生・いろんな価値観があって面白いけれど、
別の世代、別の性別、別の立場の人からのメッセージや提案をもらえるのは、また格別ですよね。

ブログ見てくれてる人には、「サニーさんって、誰ぞ?!」って人がほとんどだと思いますが、よかったらぜひ、読んでみてください。

とても親身で、心のこもった文章なんですよ。
じんわりして、そして新鮮な風が吹いてくるような感じがするんじゃないかな。


サニーさん、ありがとう!