“ママじゃない私” ポートレート

いつものあなたの、いつもと少しだけ違う顔。いろんなママたちの、「ママじゃない顔」ポートレート。

やっぱり好きなことを伸ばしていきたい ~インタビューと写真、“ママじゃな” エミ編~

 

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「ママじゃな」写真担当ちひろちゃんに続いて、インタビュー担当のわたくしことエミの記事も久しぶりに*1作ってみました。

インタビューしてくれたのは、独身時代からの友だち、たなかまさんです。
彼女的には、これまで「ママじゃな」で私に根掘り葉掘り聞き出されたモデルさんたちと一緒になって私を囲み、答えにくいあれこれを問い詰めたかったもよう(笑)なので、事前にfacebookで私への質問を募集してみたりもしました。質問お寄せくださったみなさんありがとうございます。本文中で回答できなかったものは、記事の末尾に書かせてもらってます。



◆「ヒマと空想」の子ども時代

 

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―――アンケートの「子どもを持つ前、あなたはどんな人でしたか?」の答えが「小学校:ヒマと空想」ってどういうこと?

小学生時代の放課後って、とりあえずヒマやったんよね。習い事も続かないタイプで、ほとんど何もやってなくて。だから団地の公園で誰か友達が来るまで一人で遊んでて、その間ずっと空想してた。鉄棒しながら。

―――じゃあ、ぱっと見は体を動かすのが好きな子だね。

実際、友だちと外で遊ぶのも大好きだったんだけどね。とにかく時間がたっぷりあった感覚だね。

―――長くて濃い小学校時代を「ヒマと空想」ってまとめるってすごいなぁ。でも、基本的に友達付き合いが長い印象あるな。

うーん、数は多くないよ。

―――でも、0と1じゃずいぶん違うよ。

そうだよね。だからありがたいって思う。

―――バイト時代の友達もいるし。

バイト時代(大学時代)って最近のような気がしてるけど、もう20年も前のことだったりするんよね(笑)。

―――私がエミちゃんと会ったのはライブハウスだったね。

うん、ライブハウスに一番よく行ってたのは24-25歳くらい、社会人生活にも慣れた頃で。

―――ああいう所に出入りしてた人の割には(笑)他にも友達がいるな、珍しいなっていう感じかな、私から見ると。

ずいぶん語弊があるなあ(笑)。

―――ライブハウスに来てるけど、染まりきってはない感じだった。“嗜みはしますけど”って。

“嗜み”! そうかもね(笑)。いや、“嗜んだ経験”は大きかったと思うよ。

―――そんな関わり方で、こうして友達付き合いは続いてるよね。

うん、たなかまさんともそうだし、ちひろちゃんともだしね。

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◆毎日書いてるもの。昔は「先生あのね」、今は晩ごはんの献立

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―――会った頃ってもうブログ書いてたよね。毎日エリンギ食べてるような記録も含めて(笑)。今もその日の晩ごはんのメニューをブログに書いてるよね。

あれね、「今日の夜ごはん何にしよう~決まらない~」ってときに助かるんよ。人のブログにその日の献立が書いてあると参考になるから、自分のもそんな風に使ってもらえたらと思ってる。

―――あ、参考にしてるときあるよ! 「こんにゃくって食材あったな」とかね。助かる~。ブログは大学生の時から?

大学3、4年の頃かな。でもリアルの友達には明かしてなかった。「この人なら大丈夫かな」って人に少しずつカミングアウト。そんなに恥ずかしいことじゃないんだなって。

―――最初は恥ずかしかったの?

恥ずかしいやろ! 自分の日記をネットで公開してるなんて、今の言葉で言うと「ドン引きされるかな」って気持ちがやっぱりあったよ。でも、それこそライブハウスなんかに行くと、人前で歌ってるとか自分で書いた曲を発表してるとかいう人がたくさんいるわけで。

―――自分をさらけ出してる人が多いよね。

そう! 私はそういうの見るの好きだし、自分もさらけ出してもいい、というか・・・「それでも大丈夫」っていう人たちと付き合えばいいんだなって。

―――書くことはずっと好きだったんでしょ?

小学校一年生の時から好きだっていう自覚があった。「先生あのね」っていう、先生に向けて何でも書いていいノートが一人一冊あって、好きなときに書いて提出したら先生が返事くれるの。それをもう、毎っ日!書いてた。ほんとに迷惑だったと思う(笑)。
「ヒマと空想」の時代だから、読んでる本の登場人物の紹介とか書き連ねてさ、先生わけわかんなかったと思うよ(笑)。でも1、2年の担任の先生はちゃんと読んでくれて。書きたい気持ちを大事にしてくれた。


―――1、2年生のときにそういう風にスタートするって大きいよね。

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今はこの机で、しこしこと書き物をしている。子どもが今春、小学生になったので、私がここを独占する日々もそのうち終わるかも。(エミ) )

 

◆息子が「ジャニーズに入りたい」と言い出したら…?

 

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―――アンケートの「あなたはどんな人?」の回答、小学校が「ヒマと空想」 、中学校も「部活とマンガの貸し借り」ってのんびりした感じなのに、高校はいきなり「バイトと遊びと勤勉」なんて、急に忙し屋さんだよね?

そうだよねー! でも、ヒマゆえに自分の好きなことばっかりできた土台があるから、その後の忙しさに対応できたのかも・・・。自分のルーツで「ヒマ」ってすごく大事だと思ってて、だから子どもにもヒマを満喫させたいって気持ちあるね。習い事もできればさせたくないくらい。

―――でも本人がやりたいって言ったら?

・・・やらせるしかないよね・・・。

―――すごく渋々だね(笑)。たとえば、超難関私立中学を受験したいって子どもが言い出したらどうするの?

うーん。私立中受験したいって言いだす頃って大人の論理はどのくらい通用するのかな? 
私立中受験って、もちろん悪いわけじゃないけどやっぱりある程度の重みがある選択で、それを子どもが分かっているかどうか確認したい。単に、自分の成績がクラス1番で「クラス2番の子が受験するから自分も受けたい」とかだとしたら、ちょっとね。
・・・みたいなことを伝えて、「どう思う?」って訊く。なんかかわいそうだね(笑) でも手放しでどうぞどうぞって言えない気がする。


―――あと、募集した質問で「子どもが(今のままの組織の)ジャニーズに入りたいと言ったらどうする?」っていうものもあったね。

それもね、「お母さんはこういうリスクがあると思います」って説明するかなー。でも、リスクより希望が大きく見えるかもしれないし、反対されると逆に燃え上がるかもしれないけど、でもとにかく、手放しで応援はできない・・・ジャニーズは・・・

―――そうなんだ、ジャニーズって・・・

ジャニーズのタレントさんたちは大好きなんだけどね・・・。ま、息子はさ、親のそういう価値観に自然に影響されて、ジャニーズ(に入りたい)とか言い出さないんじゃないかと思うけどね。

―――自分は親の価値観に影響されたなっていう部分が結構あるの?

うん、あると思う。「平穏無事が一番」っていう価値観。あとね、うちの親は、「目立つ」とか「突出する」とかにあまり良いイメージを持ってないの。いわゆる「出る杭は打たれる」、まあ日本人らしいんだけどね。

―――でもエミちゃん、割とキラキラした人が好きだよね(アンケート回答にずらっと並ぶ「好きなこと・関心のあること」に挙げられた面々を見ながら)。

そう、そう、そう、すごく好き! 突出してる人、大好き! 浅田真央とか、今なら菅田将暉とか・・・

―――(ニヤニヤしつつも長くなるので訊かない)

だから、うちの親は私が大学に行くのも基本的にいい顔しなかったんだよね。「高学歴な女子は世間で敬遠されるから」って。あ! これジャニーズ案件よね!? そうか・・・!(笑)

―――うんうんうん(笑)。

まあ、うちの親は内心じゃ渋々だったかもだけど、結局は子どもが行きたいところに送り出してくれたかな、とは思います。今になると、親の気持ち分かるねー(笑)

 

◆「普通の暮らしを守るため」に歴史を知ってほしい

 

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――アンケートの中で小学校から社会人~退職までを「流れてきた人生」ってまとめてるけど、その一方で「これからの自分に関心がある」って書いてるよね。

うん、流れていく人生でも多分それなりに楽しめると思うけど、それでいいのかな?と思ったりもする。

―――でも「仕事をしない生活に耐えられるんだろうかと思ってたけど、全然いつまでも楽しめそう」とも書いてて、もう仕事をする線は消えたのかな?って思ってた。

いやー、好きなことばっかりする高等遊民みたいな生活も楽しいんだけどさ、世の中にこんなたくさんの仕事があって色んな人が働いているのに、自分に仕事がないのはなんでだろう?とも思うんよ。まだ若いし、幸い健康だし、働かないのはもったいないかな、って。

―――なにかぼんやりとした方向ってあるの?

この前、歴史の勉強会をやったんだけど、面白かったんだよね。私が知ってる知識を話すだけじゃなくて、みなさんの話も聞いたり、おしゃべりしながらでね。

特に近現代の歴史については、今は自分が勉強したいだけじゃなくて、みんなに知ってほしいって気持ちがある。中学高校で習っても忘れちゃうし、大人にならないと分からないこともあるから。

例えば戦争が時代背景にある朝ドラって多くて、戦争が描かれた回の放送後は「普通の暮らしが一番大事」「暮らしを壊す戦争はやっぱり良くない」って感想がSNSにいっぱい流れるんだけど、そう思うだけじゃ普通の暮らしは守れないんじゃないかな。
「守るために何をしたらいいだろう?」ってとこまであまり考えられてない気がするの。


―――うん、「自分たちの普通の暮らしを守るために、やむなく相手を攻撃するしかない」とかいう論理もあり得るよね。で、戦争になる。

そうそう! 子どもに一生懸命ご飯食べさせて、習い事とかさせて、大事に育て上げて、そして子どもが出て行った世の中が戦争してたら元も子もないよね?

今ってテレビも見ない・新聞も読まないのも普通だしさ、見るともなしに朝夕のニュースを見るとか、新聞の一面で「今日は広島原爆の日だな」とか思うことなんかが減ってると思う。
そうやってみんなが「自分には関係ないこと」って思ってしまうとねー、気づいたときにはやばいことになるのだと、歴史が証明してるのですよ。

でも、歴史って、ちゃんと勉強したことないけど興味ある、っていう人が意外に多いし、人生経験積んだ分、学生時代より大人になってからのほうが理解しやすいんだよね。昔、なぜ戦争をすることになったのか、なぜ終わらせられなかったのか・・・っていう因果関係がさ、大人になって勉強すると「なるほどなー」って思うんよ。


 

◆“今・ここ・私”から浮遊する楽しさ

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―――歴史って元々好きだったの?学校で習うより前から?

まずはNHK大河ドラマで「独眼竜政宗」を小学校1年か2年で見て、次の年が「武田信玄」で。
あ、でもそれより前、お姉ちゃんが読んでたマンガ雑誌・・・「ちゃお」だったと思うんだけど、その中に『おんな風林火山』っていう少女漫画を読んだのが本当の始まりだな。信玄の娘たち4姉妹の恋愛話がメインで。もちろん『あさきゆめみし』にもハマったよ。

“今・ここ・私”からちょっと離れたファンタジー感が好きだったんだよね。妄想力を刺激されるから。でも妄想に走り過ぎるのも危ないな、っていうのも、その頃から何となく分かってた。


―――それはやっぱり「平穏無事が一番」って家風だったから?

うん、そうだろうね。そもそも小学校で歴史に興味ある子が周りにいなかったし、同好の士を探そうという発想もなくて、隠れキリシタン的に歴史の十字架を首に下げてて、時々そっと取り出して眺めてた感じよ(笑)。

(ちひろ)結婚するならどの戦国武将、とかは?

あ、そういうのはなかったんだよねー。戦国武将ってそれぞれが個性的でいいんだけど、それよりは小沢(健二)くんとかの方が好きで。生身の人間にも興味があったんだよ、やっぱり(笑)

今は、北条家(戦国大名)とか好きだねー。領地の経営がすごくしっかりしてるんだよね。だから強くなったのか、それとも強くて領地が広がったから、そんな行政システムが出来たのか・・・そんなことをつらつら考えながら、博物館とか資料集とかで当時の手紙や帳簿や契約書を見て、「超萌え~!」ってなってる。


(ちひろ)あー、あれって博物館行って一番困るとこだけど・・・(笑)

 

◆夫から見た私の長所とは?!

 

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―――募集した質問の中に、「タローさんはエミちゃんのどこに惚れているか?」っていうのがあったけど?

あ、それね、本人に訊いてみた。惚れてる…とはさすがに聞ききらんで、長所を尋ねたんだけどね(笑)。そしたら「マイペースなところ、人の物差しで左右されないところ」って。
あと、知的なところ、って(笑)。私、配偶者に、知的さが長所だと思われてるんだよ! すごくない?(笑) びっくりした。
ただ、だからって、私のことを尊敬してるわけでもなさそうだし、自分を卑下するわけでもないんだよね。


―――そういうことで上下が決まるとは思ってないし、そもそもそれに拘ってないのかな。いろいろ知ってて便利って、ぐらいな感じかな。どうやって会ったんだったっけ?

合コン的な集まりですね。

―――そんな集まりの中で目立つ感じの人じゃない・・・よね?

うん(笑)。

(ちひろ)今まで付き合った人たちと決定的に違う?

うん、私はそう思う。5年くらい前に会ってたら彼の良さは分からなかったかも。

(ちひろ)タローさんはエミちゃんのブログ読む?

まったく読まない。そもそも文字を読まない。テレビのテロップも見てなかったりするもん。びっくりするよ。「そこに文字が出てるのに、読まないのか!」って。

―――ある意味、“文字禍”にあってない人だね(笑)。


◆静かなインタビュアーたち

 

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さてさて、マイラブ♡本棚の前での撮影へ。写真ではわかりにくいかな? これ、引っ越してきたときから備え付けてあった、クローゼット型の本棚なんです! 扉を閉めることができるし、とにかくものすごい収納力!!

エミ  「ここに引っ越すこと、私は最初あまり乗り気じゃなかったんだよね。でもタローさんがこの本棚を見て、“これなら!”って思ったんだって。」
たなかま「これならエミちゃんの蔵書が入るって?」
エミ  「この本棚があるなら引越しを説得できるなって」
たなかま「タローさん、分かってるね・・・!」

 
―――あ、村上春樹の『雑文集』を単行本で持ってるんだ。

小説と違って全然話題にならなかった本だけど、大好き! 

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そう、いただいた質問の中に「目標とするインタビュアはいますか?」ってあったけど、目標というか、好きなインタビュアとして思い浮かんだのは、村上春樹是枝裕和


―――村上春樹が人にインタビューした本って?

ここにはないんだけど、『アンダーグラウンド』と『約束された場所で』。

地下鉄サリン事件のあと、オウム真理教の信者と、地下鉄に乗っていて事件に遭った人たちに、それぞれ生い立ちからサリン事件の前後までインタビューした本なんだよ。
オウムに入信する人のほうは、やっぱり複雑な家庭環境とか、いわゆる特殊な半生がある。地下鉄乗客のほうは、ほとんどが普通の会社員とか学生さん。

インタビュアーとしては、オウムの人に切り込むほうが、刺激的な仕事って感じするやん? 
でも、村上春樹は、「被害者=ごく普通の会社員や学生さんたちのごく普通の話のほうに惹かれた」んだって、『雑文集』の中で書いてたの。「すごくわかる!」と思った。

それ読んだときは、まだ「ママじゃな」を始めてはいなかったんだけど、「私がインタビュアーでも、きっとそうだろうな」と思ったの覚えてる。


―――それ、エミちゃんが「約束された場所で」を読んだ時にも思った?

「約束された場所で」は読んでないの!「アンダーグラウンド」も!!

―――(爆笑)

ひどいよね! まだ読んでないの(笑)

是枝さんはね、震災に遭った人にインタビューしてる場面をテレビで見たことがあって。それがすごく心に残ってる。インタビュアって普通、相手にいろいろ質問したり、ちょっと大げさな相槌やリアクションしたりするやん。

でも、是枝さんは朴訥としてて、すごく静かなんだよ。なのに、最初は黙ってた相手が、だんだん深い話をしてくれる。「こんなインタビューができるんだ!」って衝撃だった。
何だろうね・・・変に相手を理解しようとしないで、ただ寄り添ってるって感じ。

私は「ママじゃな」でインタビューしてると、ついつい面白い話を引き出そうとしちゃうときもあるけど、是枝さんは驚くほど何も質問しないの。


―――エミちゃんがインタビューをするようになって、その2人の影響を感じることはあるの?

うん、もちろんその2人のようにできてるわけじゃないけど、影響はされてると思う。

(ちひろ)エミちゃん、寄り添ってるなって思うよ、インタビューされる人に。

あ、そう(笑)?

(ちひろ)ずっと思ってたよ。エミちゃんって割とピリッとした顔立ちで、知的だとかお喋りが上手っていう印象があったけど、「ママじゃな」を一緒にやり始めて、すっごく優しいなーって思うようになった。

―――あ、それ分かる。エミちゃんって歴史好きの割に、クラスの中で暗いオタクと思われるようなヘマはしてないように見えるし、学校で少数派グループに入ったこともなさそう。なのに、ちょっと外れちゃった人の気持ちを分かってるような、そんな人の存在を忘れないというか。

あと、「いつ誰がそんな立場になってもおかしくない」って思ってるところもある感じだよね。

そんなふうに見えてるならうれしいです・・・(笑)。

普通の人の話を聞くのって面白いだろうな、と思って「ママじゃな」始めたけど、本当に面白い!って毎回思う。やっぱり、人の話を聞くのが好きなんだろうね。

人の話を聞くこと、書くこと、歴史のこと・・・そういうのが仕事にも繋がるといいけど、今のとこ趣味レベルの話だから、仕事にするなら何かもう一つ必要だとは思う。課題やね。
でもとにかく、好きなことを伸ばす方向でいきたい! って、子どもの話みたいやけど(笑)。


―――ここだけ聞いたら子どもの話みたいだけど、自分の長所を伸ばすっていう話(笑)

(ちひろ)いいよ、いいよね(笑)


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(インタビュー・おわり)

 

★みなさんからいただいたご質問と回答★ 

―――ストレス発散方法は何ですかー??

飲み食いしながらしゃべる、寝る、好きな本 or テレビ、ランニング・・・これらいずれかの組み合わせでだいたい発散できます

―――旦那様の一番得意な料理は何ですかー??

敢えていうなら、揚げ物が得意だそうです。唐揚げや天ぷらやチーズカツなど、確かに美味しい。

―――これだけは絶対にタローメシに負けないという晩ごはんメニューは?

・・・・・。ハンバーグ? 負けないというか、夫があまり作らないだけか。

―――歴史上人物で誰が一番好きか、その理由とともに熱く語っていただきたい。

これですねー、本文中でも述べましたが、キャラ的にこの人が好きッ!ていうのはないんですけど、歴史に出会わせてくれたので武田信玄および武田家(家臣団含む)には、ただならぬ思いがありますね。遠い親戚の先祖みたいな(笑)

あと、源頼朝天智天皇についてもっと本とか読んで詳しく勉強したいなーと思ってます。彼らは巨人ですよ!!

―――「エミちゃんて、人の住宅購入契約書に鼻息荒く興味あったり、本格的な家計簿作ったり、とてもやり繰り上手と言うか、好きよね、お金? どういう財テクしてるのかなあ

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はっはっは。お金の計算、好きです。ゲスです! 記録するのが好きなだけで、特に節約や財テクはしてませんが・・・。

でも、記録を続けていると、大事なことも見えてきます。「小さい出費をケチるより大きな出費について真剣に検討すべし」「資産はある程度リスク分散せよ」とかね。

―――自分がニガテな事ってありますか? あるとすればそれを立ち向かって克服するタイプorスルーするタイプ?それとも他に良策はある?

苦手なこといっぱいありますよー。できうる限りスルーです! 限られた人生、好きなこと・やりたいことがいっぱいあるのに、わざわざ苦手なことにエネルギー注ぎたくないもん。でもごくたまに、一念発起して取り組むこともあります。

―――日常の中で一番ママじゃない私を実感する瞬間。逆に、一番ママな自分を感じる瞬間。

ママじゃない私・・・二日酔いのときでしょうか。あと、俳優さんとか見て萌えてるとき。
ママな私・・・子どもの痛みや悲しみに胸を痛めているとき。病気とか、集団生活でイヤなことがあったとか。


―――インタビュアーになったきっかけと、もうすぐ一仕事が終わるので(卒園)、これからどこに向かっていくのかが気になってます

きっかけはちひろちゃんと夜中のTwitterで急に盛り上がっちゃったからですが、思えば、インタビューを見たり読んだりするのが昔から好きでした。これからの私・・・たぶん試行錯誤でしょうね。

―――ご自分をインタビュアーとして、どこに個性があると自己分析していますか?

インタビュアーって人にいわれると「いえいえシロートです」って恐縮しちゃうぐらいにはまだ自信ないですけど、インタビューしてる時間はもちろん、その前後(取材の日程調整とか、録音を聞き直すとか)の作業も好きなたちです。個性とは違うか・・・

―――ママじゃなをするようになって ご自分に起きた変化

より厚かましくなったような? というとアレですが、いろんな人の人生経験や個性を間近で聞いているとすごく励まされて、「私ももっと自分らしく、楽しくいこう~!」って気分になります。

―――やっぱり、恋愛のこと話してほしいです!! 付き合うのと結婚って違う? 恋人と夫婦って違う?? 20代のうちにこれしとけ~!あれしとけ~!とかも経験談交えながら語ってほしいです!!

人それぞれ答えは違うでしょうが、個人的には違うと思いますね。恋愛と結婚。すごく好きでも、生活がうまくいかないというのはあるんじゃないでしょーか。どうでしょーか。でも、好きじゃないと結婚できませんしね。「好き」は前提で、かつ、共に生活できるかどーか?と考えたらどうでしょーか。

私が若いひとに老婆心でアドバイスなんてするならば、「事務処理が苦手 or 嫌いな相手と結婚するな!」ってことですね。
生活は事務雑務の連続です。住民票の異動、公共料金の引き落とし、出生届、保険、病院、銀行、家電や住宅設備の故障、粗大ごみ、町内会、年賀状子どもの園や学校の書類、お祝いを送る、相手の親の誕生日・・・・もう、キリがないくらい延々と雑事があります。それを、「俺は外で働いてるんだから!」とか、「私、難しいことはわかんないから~」とか理由をつけて、非協力的だったり、能力が低い配偶者だと、なっかなか消耗するんじゃないかと思います。
結婚したら、愛は言葉以上に行動で示すのが大切。相手を思いやる気持ちがあるなら書類の一枚でも書きましょう。もちろん、自分も事務雑務の能力を高めておくことが大事。ある程度は慣れです。その意味でも、ひとり暮らしはいい経験になると思います。マーヤちゃん、がんばってー!


―――自分のことどう思ってる?

私、ずーっと自分は根暗で気難しい人間だと思ってたんだけど、この数年、実は案外、深く考え込まないお調子者なんじゃないかって気がしてきました。でもやっぱり、めんどくさい奴ではあるかな。や、人間誰だって、めんどくさいとこってあるもんですよね~それでいいですよね~(←楽天的)。

 

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【編集後記】

インタビュイー:イノウエ エミ

いやー、喋りました! 答えました! もう何も言うことはありません。(←うそつけ)
この日わたし、朝から急に体調が悪く、それを「あら?二日酔い?」と思い込んで、たなかまさんとちひろちゃんをお招きしていたのでした。実際は軽い胃腸炎っぽいやつだったようで・・・時折寝込みながらのインタビューとなり、ご迷惑をおかけしました・・・。一時はちひろちゃんに、「いつもより10才ぐらい老けて見えるけど、大丈夫? 撮影はまた今度にしようか?」と提案されるほどでしたのよ(笑)。なんとかかんとか感じよい写真に持っていってくれてありがとう~!

インタビューしてくれたたなかまさんからは、
「エミちゃんの「厚かまキュート」な感じが読んだ人に伝わればなぁ」 とのお言葉をいただきました。めっちゃ伝わるんじゃないかと思うんですけどどーでしょーか(にっこり)。たなかまさんありがとう。

質問してくださった皆さんもありがとうございます。いつもモデルさんの家にお邪魔してばかりだったので、自分ちを晒してやっとフェアになれたような気分。雑な家で雑に暮らしていますが私はそれで充ち足りています。

写真:橘ちひろ

「厚かまキュート」いいですね!
さすがたなかまさん!
違う人に入ってもらってインタビューを作るなんてすごく新鮮でした。
たなかまさん、ありがとうございました!

インタビューの中で私も割り込んでいますが、エミちゃんはとても優しいんですよ。
人によりそってくれるのが上手で。でも、エミちゃん自身は無理せず理性的に物事を考えることができるからそれがずっと安定しているのです。本当にすごい!

でもエミちゃんもたまには感情的になったり悩むこともあるのかな・・・。

白バックの写真は後日ちひろスタジオ(自宅のリビング)で、おうち写真はエミちゃんのお家で具合が悪い中、本当に撮りました 笑。本当に寝込みながらです!

 

皆さんの 「こんなこと実践してるよ」 をシェアします

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(最後、「あっ写真!」て気づいて、その場に残っていた人だけで撮りました~ 以下、今回も、撮影はすべて、橘ちひろちゃんです。)

 
 
・・・の最後に、皆さんに私から質問をして、書いてもらいました。
 
質問: 
「世の中、こうなってほしいなあ」「子どもには、こんなふうに育ってほしいなあ」などの思いから、身近で実践していること・気を付けていることはありませんか? どんな観点からでもOKです
 
「わかるわかる!」とか、「なるへそ~!(死語)」とか、「マネしたい!」と思えるようなご回答をたくさんいただいたので、シェアさせてくださいね。
-------(点線)に続くのは、私のコメントです。見づらくてすみません~! 以下、長いですがレッツゴー! 
 

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ジェンダーの観点から】

●男の子だから、女の子だからではなく、人として何が必要か考える(家事は全員必要なこと)

●我が子には、「女だから」「男だから」ということは絶対に言わないようにしてきたつもり。でもどこからかやはりジェンダーバイアスがかかり、家庭内の声かけだけでは足りないなあとも感じる。

●保育園の保護者会の役員さん。(会長の男性以外は)「○○ちゃん母」という記名でびっくり。全員、名前を書いてほしいと提案した。

---------わかります~。ブログやネット投稿等で、みずから「○○(←子どもの名前)ママ」と名乗ったり、ママ友同士でも、「○○ちゃんママ」と呼び合う姿に違和感があって、「ママじゃない私、ポートレート」というタイトルをつけたという経緯もあります!


●「ひと昔前とは社会も変わった。女性でも経済的自立は最低限必要だよ!」と、娘に中学生の頃から刷り込んできた。

●学生に会社などを紹介するとき、女性が活躍できている会社かどうか? 実際にその会社で働いている女性に聞くようにしている。

●「遠慮」は女性の美だと思っていたが、男女共同参画の学びを通じて、そうではないと気づきました。運営する女性コミュニティでは、自分の考えを語る時間を大切にしています。言葉にすることで「自分」という気づきが生まれていくことを実感しています。

----------特に、女性は男性に比べて(一般的に)、意見を表明する・求められる経験が少ないと感じます。自分の考えを言葉にすることで、「意見を求められない → 言わない → 言う必要がないから考えなくなる」という悲しい循環が断てますよね

LGBTの話題をありえないこととして笑い話にしない。我が子にも可能性があると考える。

●子どもをレインボーパレードに連れていく!

-------- 同様に、たとえばメイクしていたり、スカートを履いている芸能人男性を見て「チャラい」とか「変」とか言わないようにしています。
 


【子どもや家族に対して】

●子どもが集団などに迷惑をかけたとき、つい「なんでそんなことしたの?」と聞いてしまいそうになるが、「何をしたかったの?」と聞くようにしている

-------これ、稲生のまりちゃんですね! 前に幼稚園の懇談会でこの話聞いたとき、心の中で「超いいね!」押したけど、すっかり忘れてた。実践します~!

●1日の始まりを大切にしている。朝食は家族そろって。その前にみんなでストレッチ! 心と体はつながっているから。「1日、1日を笑顔で」 その積み重ねが豊かな心を育てるのではないかな

●娘にとって祖父母と暮らしていたことがとても良かったようで、年配者慣れしていて、思いやれる。

●自分のやりたいことにどんどん突き進める子になってほしい。規範etcにとらわれないでほしい。自分の気持ちに正直にいてほしい。ごはんを食べながら、たわいない会話をしっかりする中で、上記を伝えるようにしている。

●子どもを遠慮なく夫に預ける。とはいっても、なかなか難しく、練習中。どうしても感じてしまう罪悪感を減らしたい

●「親」→「子ども」への縛りは強いとつくづく思う。30代、40代、50代になってもずっと、精神的には親の影響下にある。親が威圧的であってもそうでなくても同じ。自分は娘(長女)に「あなたが決めなさい!」「自由に生きるのよ!」「好きなことを見つけなさい」と、つい強く言ってしまうけれど、逆効果かも・・・。

---------あー、それホントに思います。環境からの刷り込みって本当に大きくて、その筆頭が親で、それはすごーーーく深く埋め込まれてるんですよね。良くも悪くも。一見、正しかったり素晴らしかったりする考え方であっても、押しつけてはいけないんだろうなあ。「子どもの心を育てる」って、教え込むのとは違うんでしょうね。難しいけど、大事な視点ですね。

●母、嫁、妻という社会通念の中の姿ではない自分・・・たとえば一人旅に行く姿などもどんどん見せている。自分を大事にすると、笑顔でいられる時間がとても多くなる。

●理不尽なことがあっても、どう対応していくのか、試行錯誤する姿を見せたい

●大人がいろんな姿を見せること、話すこと、一緒に時間を過ごすこと。近道はないと思う

--------「会社でこんな理不尽があった~」とか、「今こんなトラブルに直面している~」みたいな話も、子どもが大きくなってきたら、どんどんしていいんでしょうね。親が悩む姿、格闘する姿を見せるのも大切かも。
そして、「近道はない」というお言葉、首がもげそうなほど頷きたい。激しく同意です! 
育児に限らず、何事もそうだと思う、「○○と○○さえ、やればOK」、「○○というスローガンを唱えれば」、「○○が政権をとれば(○○政権を倒せば)」・・・・そういうハウツー思考や革命思想じゃなくて、忍耐強く、試行錯誤しながら一歩ずついくしかないのですよね。

 

【その他、いろいろな実践】

●隣人との会話を大切にする。腹を割って話す。

-------「腹を割って」というのがキモですね! 

●地元の人々、子ども会の(前)役員、夫の両親などなどに対して・・・自分の気持ちに正直に行動しているときのほうが、うまくいっている。仲間も増える。我慢しているときは何も考えられなかった。

●皆が分け隔てなくいきいきと生きる社会を希望。
会社で心がけていること・・・・あいさつ。円滑なコミュニケーションのため。目標を持ち、実践(行動)する力。

●仕事を効率的に進めて、会社に滞在する時間を短くしている。健康的な食生活の実践。

●会社の同じチームの男性社員がなるべく残業しないで帰るように常にうるさく言っている。自分の夫が早く帰って来るようになってとてもうれしいし、そもそも残業ってすごく効率悪いことが多いので。

-------会場でも言いましたが、「本気で(←重要!)効率的に働いて残業を減らす」って、その気になれば、もっとできる場合もあるんですよね! 勉強会後、ランチしながらのアフタートークでも出ていましたが。保育園の迎えや、夕食づくりを担う女性のほうが、効率性に関しては男性よりも死に物狂いで仕事をしている面はあるかもしれません。でも、男性の場合、「毎日定時で帰る社員はやる気がないとみなされる / 会社社会から浮く」みたいなこともあるんだろうなー。むーん。

●市民政治ネットでの活動を通じて地域政治に関わっている。「男女共同参画」に関心。でも、ネーミングどうにかならない?

-------「男女共同参画」ねぇ。かなり市民権を得たとは思いますが、硬ーい、よね。でも、もう20年以上(ぐらい?)変わってないってことは、良いネーミングが出てこないのかなぁ。なんか思いつく人いませんか?
 

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(勉強会主催の雁瀬さん(左)は、福岡市の男女共同参画サポーターもつとめていらっしゃいます)




さてさて、みなさま。
想像以上に、たくさんの、実のあるご回答をいただけて、うれしいです。

そもそものプレゼンを右から左で流し聞きしてたら、こういうのって身を入れて書く気にならないんじゃないかと思うので、私のひよっこなプレゼンに、よくよく耳を傾けていただいたのだなあ(←楽天的)と有難い限りです! 

自分でプレゼンするのは新しい経験でとても充実したけど、
ご回答を拝見しながら、やっぱり、人のご意見をうかがったり、こうしてレポートしたりするのも好きだなあ、やっていきたいなあと思いました。
 
みんな、それぞれにいろんなことを考えていて、それを持ち寄ったりシェアしたりするのって面白い! ほんと、みんないろいろ考えてる。なかなか、普段は話す機会がないけど。
だから、雁瀬さんの勉強会もそうですが、みんなの考えを持ち寄ってシェアできる場があるって、とても大切。それは、私たちの希望になるのではないかと思うのです。
 

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※ふと思い立ち。本記事と前記事のような、イベントレポート(写真付き)をお望みの方、いませんか? カメラマン:橘ちひろ と ライター:イノウエエミ にご相談くださーい。
 
 

「“私が大事” は こんなに大事!」 presented by エミ

こんにちは。息子がめでたく入学。幼稚園の送り迎えがなくなって運動不足が懸念されるエミです。

さる某日、「ワークライフバランスプレゼン勉強会」にて、30分間のプレゼンをしてまいりました。(以下、撮影はすべて、橘ちひろちゃんです。)

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これは、マミースマイル保育園の代表であり、ワークライフバランス研究をされている雁瀬暁子さん が月に1度ひらいている勉強会。

テーマはほぼ、発表者の自由にまかされていて、私のプレゼンタイトルは、
「“私が大事”は こんなに大事!」
という、自己肯定に関するお話。

ええ、子育て中だしね、子どもの自己肯定感を育てる話・・・かと思いきや!
 「大人こそ、自己肯定感を大事にしようじゃぁ、ありませんか!!」
という思いを、熱く語らせてもらいました。気分は松岡修造ですよ!

いやでも、修造ってすごいのね。
録音で自分のプレゼンを聞き返してみると、全然熱くなかった(笑)。
スササササー、と、そうめん流しのそうめんのように、駆け足に流れていってました。たはっ。

それでも、やってみてよかったなー、と思いましたよ。
こんな機会はもう二度とないかもしれないので、朝ドラとか歴史とか夫とか、
話したい話はギューギューに詰め込んでね!!
 

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( 唐突に夫婦写真・・・私のSNSとか「ママじゃな」とか、全然嫌がらず協力はしてくれる(子どもを見てくれるとか)けど、普段まったく見ることのない夫。なぜか?今回は発表を聞きにきたので、ちひろちゃんが写真を撮ってくれましたー。私「発表どうだった?」 夫「ママじゃな の意味が初めてわかった。「ママさんジャーナル」の略だと思っていた」 私「・・・・・」 )




もちろん、「ママじゃな」の話もメインのひとつでした。
「ママじゃない“私”ポートレート」。
私、という言葉が入っている。

いくつになっても、どんな状況にあっても、まずは「私」。
私は、どうしたいか。私は、どう思うか。

そんな「私」をしっかり持って、
なおかつ、大人は、「私」を表現していくことが大事だと、今、思います。

いい年して、しかも女性で、しかも稼いでもいない専業主婦が、自分自分と言うなんて・・・
なんか、大人げなくて、恥ずかしいような気がしますよね。
でも、どれだけ多くの人が、「私」の声を挙げられるかが、すごく重要な時代なんじゃない?

みんなが「私」というものの優先順位を下げてしまったら。
その場の空気に流されたり・・・長いモノに巻かれたり・・・
「個人を尊重」するよりも「集団の利益」が優先されて、
個人の思いは、わがままとみなされる。そんな、悲しい、危ないことになりかねません。

みんなと違う子がいじめられるとかさ。ブラック企業とかさ。
自衛隊南スーダンが、日報を廃棄してるとかしてないとかさ。
集団の暴走でしょ。

子どもたち一人一人、私たち一人一人は、学校や、会社や、国のために存在してるわけじゃない。
私たち一人一人のために、集団があるのです。
人間が1人でできることには限界があるから、
助け合い、支え合うために、集団を作ったのです。本来。

「私」を大事にするのは、私自身のためでもあるけど、
私と同じように、あなたも、他の人も、誰もが尊重される社会を作って、
子どもたちに渡してあげるためでもあると思うのです。

ほんとにね。
どれだけ多くの人が、自分のことや、自分の家庭や自分の仕事「以外のこと」に目を向けて、発言・行動できるかどうかに、かかってると思うんですよね。

もちろん、今、たとえば闘病してるとか経済的に苦しいとか、
人生で「自分のことで精一杯なターン」にいる人は、今はそのことだけを考えてもらっていいのです。誰だって、いつそういうターンに入るか、わからないわけですよね。

でも、今はそうじゃない、ちょっとは余裕があるという人は、
自分の半径5mより先のことも、ちょいちょい見てさ、
「これはおかしい」 「こうあってほしい」 
と、いちいち意思表示していかないと、
社会の歪みって、気づいたときには恐ろしい形で、自分たちに襲いかかって来るからね。

まして、自分の子ども・孫世代がその犠牲になったら、たまらない。

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(今回、定員14名のお部屋だったんですが、満席御礼で、“おしりあい” 初対面で椅子を半分こしてくださった方も~ありがとうございました!)
 

・・・と、この場で、修造ばりに熱く綴ってみましたが。
そんなプレゼンができる場をいただいて、本当に感謝しています。
幼稚園の仲間、茉莉ちゃんを通じて、カレー屋さんで偶然出会えた雁瀬さん!
(たった1ヶ月半前の話だ)

私のほうは雁瀬さんのことを以前から存じ上げていて、
ちゃっかりTwitterでもフォローしたりしてたので、
これはラッキー!と食いついて、その数時間後にはfacebookで友だち申請させてもらったのでした。
それがご縁で、今回プレゼンさせてもらって・・・

この勉強会は、「プレゼンの練習に使う場」として設定されているんです。
すばらしいことだと思います。
みんなどんどん活用したらいい! 特に、普段、人前で話す機会がない人!

持ち時間30分。長いような、短いような?
とにかく、それなりに準備が必要ではあります。

でもね、「ママじゃな」世代…30年、40年の人生経験があれば、
30分語れるテーマって、何かしらあるんじゃないかと思います。誰にでも。
それは、子育てのことかもしれないし、
転勤生活のことかもしれないし、
ごはんのこと、スポーツのこと、あるいは、病気をしたり離婚をしたことかもしれない。

そんな自分の経験や関心があることを、30分語れるように、整理して、深める。
・・・って、今後につながる、すごく大きな一歩だと思います。

そして、そんな話を聞いてくれる人たちが、きっといる。
私も、皆さんに聞いてもらって、「なんか・・・これからもっとがんばろう↑↑↑」って気分になりました。

それでね。
しろーとインタビュアーの私。せっかく皆さんに集まってもらったんだから、プレゼンが終わったあとに、ひとつ質問してみたのですよ。
その回答がまた、面白くて・・・。
長くなってきたので、次の記事に書きますね。

⇒皆さんの 「こんなこと実践してるよ」 をシェアします
 

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(プレゼンのあと、後半は、全員参加のディスカッションだったんです!
 これがまた面白くて! 6/18にまた、重なるところのあるテーマでやりますので、
 高宮アミカスに来られる方はぜひぜひ~!)
 
 

vol.26 むつみ の 「ママじゃない私」ポートレート

 

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学校を卒業したあと、地元の新潟県長岡市で、そして結婚して福岡に来てからも、図書館で働いていたむっちゃん。
子どもができてからは専業主婦になり、今では、小6から年少さんまで4人のお母さんです。
家族みんなヒツジが大好き! 
おうちのあちこちを羊毛グッズが彩り、本格的な糸車まであります。ヒツジのイベントに参加したり開催したりもしょっちゅうで、この年末年始はオランダへ。貸しバンガローを拠点に自炊しながら、2週間のヒツジ旅を家族で満喫したとのこと・・・!



オランダの人々の楽しみ方を知る

 

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―――オランダのヒツジ旅、facebookの投稿を見てたけど、すごくいいなって思ったよ。子ども時代の思い出になるってのもあるけど、「大人が自分の好きなことを楽しんでる姿を見せる」って、すごくメッセージになると思う。

そうなの。パパが一番好きで、楽しんでるからね(笑)。

―――印象に残ってることを教えてくれる?

今回、滞在中に通った羊の農場でね、「森を2時間歩きましょう」っていう自然と歴史を巡るツアーがあって参加したんだけど、すっごく寒いの。緯度でいえば樺太と同じくらいなんだけどさ、でもオランダの人はそんなに分厚い防寒着じゃないの。で、2時間平気な顔してペースを乱さず歩いていくわけよ。

なんていうのかな・・・歩くことがレジャーになってるんだよね。ガイドさんが森の木の説明とかをサラッとしてくれるんだけど、それだけなの。日本人ってさ、もっと求めるじゃない?


―――求めるよね。なんか、エンターテイメント的な要素を…スタンプラリーとか。

でしょ? 回ったらお菓子をもらえるとかさ。でも、オランダにはそういうのないの。すっごく寒い中、ガイドさんのサラッとした説明を聞きながら、2時間スタスタ歩くんだよ。なんか、すごいなって思った。楽しみ方が違うんだろうね。

―――ある意味、主体的なのかもね。自分で歩いて、見て聞いて感じるものを大切にしてるというか。スタンプラリーとかって、いってみれば与えられたものを消費してるのかもしれない。

そう。日本人って、効果をすぐ求めたがるのかな。

―――「森に行ってきたよ」って言ったら「何があるの? そこで何するの?」って聞かれるような。

「何が得られるの?」とかね。

―――子どもたちはどういう反応だった?

けなげについて歩いてたよ、2時間。「これがオランダの人たちの楽しみ方なんだ」って、なんとなく感じたんじゃないかな。

そうだ、トイレもなくてねー。日本だったらさ、森の中でもあちこちにあって、絶対ガイドさんも頭に入れてて、「ここだったら借りれます」とかあるじゃない? ないからね、全然。


―――それ、どうするの?! ホントに。

2時間かかるってわかってたから、事前に何回も行かせて、大丈夫だったけど。今回の旅、トイレ問題はけっこうあったよ。お金もかかるしね。

―――ん? 有料なの?

駅のトイレも、1回につき0.5ユーロかかるんよ。お店にもトイレないことしょっちゅうあるね。マックとかでも。

―――私たちがそれ聞いたら「えーっ?!」て思うけど、逆に外国の人が日本にきたら「えーっ?!」なんだろうね。なんか、むやみやたらにトイレがある国だなーって。

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◆旅はスリルとアドベンチャー(とケンカ)でいっぱい!

 

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そうそう、空港とか、厳戒態勢なんだよ。日本の警察みたいなささやかなピストルを内側に持ってるんじゃなくて、すごい長い銃をみんなこうやって(両手で上に掲げ持つ)持ってるの。

―――おお、ドキッとするね。

実際にブリュッセル空港でテロもあったからね。平和への意識っていうのかな、全然違うよね。

―――日本人もいろいろ考えなきゃいけないんだろうけどね。
2週間の旅行中には、トラブルとかアクシデントはなかった?

あるある、しょっちゅうある。もうねー、まずブリュッセルの空港に着いたの昼の3時なのに、レンタカーに乗り込んだの5時だよ。

―――うわーっ。

ナビがついてないから空港でwifiSIMカード買おうとしたら、売ってる店がお休みなんだよ。日曜日で。日本で、空港の店が日曜午後に休んでるとかありえないでしょ?! もうさ、10何時間もフライトして、やっと着いて、よかったーって思ったら、子ども4人連れて、スーツケース3個とか持って空港をぐるぐるぐるぐる歩いて…

―――つ、つらい!

やっと車に乗っても、反対通行だしマニュアル車でしょ、「スタート、はいストン」ってエンスト(笑)。ダンナが運転して私がナビするんだけど、地図もめちゃくちゃ見にくいし、高速道路も、さっきの森の話と同じで、あんまり看板がないんだよね・・・。

なんとか泊まるホテルの近くまで来て、パーキング見つけようとしても、旧市街だから道が細くて、一方通行で、ぐるぐるぐるぐる・・・。見えてるのに曲がれない。


―――子どもたちは?

その頃にはもう疲れて、後ろで寝てた。

―――よかった。寝ててほしい(笑)。

最初はすごく心配してたけどね。がたんがたんエンストするしさ(笑)。

(ちひろ)家族でそういう経験をするって大事ですよね。アドベンチャーっていうか、スリルがあって。

もう、全然うまくいかないんだ、ってわかると思う(笑)。

―――でも、最後には何とかなる。なせばなる!

そうそう、自分でがんばればなんとかなる(笑)。

―――そういうアクシデントのとき、ダンナさんは、イライラしたりしないの?

すっごくする!

―――わーっ。そうかぁー。

だからもう、大げんかだよ、2人で! 

―――そうなのか(笑)。

もう、やりたいことは全部やりたい、家族と一緒にやりたい、って人だからさ・・・。

―――キャンプとかもハードそうだもんね。

そうなのよ。何でも家族と一緒にやりたい人だからさ、子どもが少々具合悪くても、「大丈夫だろ」とか言って連れていく。

前もさ、1月の始め、寒ーい時期のキャンプで、1人がお腹が痛くなっちゃって、夜中に寒ーい中おむつを替えに行ってさ、おトイレの電気がつかないからパパを叩き起こして電気を持たせて、子ども抱いてトイレに入って、「拭けたかー」とか言ってさ・・・寝袋も汚しちゃってさ・・・


―――ぎゃーっ。つ、つらい!

夜中にそういうことやってて、起きて朝ごはん食べてたら、ゲーゲー吐き出す子が2人・・・。

―――べ、別の人が?

そう。食中毒だったみたい。だから帰り道はさ、テント道具を後ろにいっぱい詰めてぎゅうぎゅうの車の中に、元気な子が1人、お腹痛い子が1人、ゲーゲーの子が2人、その看病で疲れてる私、みたいな(笑)

―――あはははは。いや笑いごとじゃないよね(笑


◆家族で世界を見て、触れて

 

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ほんっと、家族を連れまわすからね。もう、毎回ケンカだよ。

―――面白いね。なんかこう、ダンナさんについて行くけど従うわけじゃなく、ケンカもして(笑)。

主張しないと通じないのよ。言いたいことは言わないと伝わらない! 以心伝心なんてないな、って結婚してしばらくして気づいた(笑)。

―――いいと思う! 黙って受け容れるんじゃなくてさ、夫婦は対等なんだから、言いたいこと言い合って、折り合っていく姿を子どもに見せるのも大事じゃない?

子どもに見えないところでやればいいんだけどね、もう緊急事態の連続だから(笑)。

―――子どもたちもいろんな経験して強くなりそう。

丈夫になるよね、虫がいてもトイレに入れたりとか(笑)。

―――「懲りずに」というと言葉は悪いけど(笑)、いろんなトラブルがあってもまた行くってことは、しんどさ以上の価値があるんだよね。

やっぱり家族でやるのは価値があると思うよね。もうほんと、思い出がぼろぼろと(笑)。

オランダでも、基本的に親が行きたいところに行くからさ、大きい子たちは「なんで私たちが行かないかんと? パパの友だちの家やけん、パパだけ行けばいいやん」とか言ったりするんよね。


―――あー、そうだよね。

でも、普通、旅行ってホテルに泊まってごはんもお店で食べて、現地の人と話す機会なかったりするじゃない。でもパパの友だちの家に行ったらさ、そこの家にも子どもいるから、ごちそうしてもらって、子ども同士で言葉がわからないながらも遊ぶ・・・そういう経験っていいんじゃないかなって私たちは思うから、連れていくんだけど・・・

―――すごくいいよね。その良さが、今はまだ子どもたちにはわからないかもしれないけどね。

「あの家でこういうことしたね、日本とはやり方が違うよね」って気が付いたりね。
外国に知ってる人がいると、ニュースを聞いたときとかも、とらえ方が違うと思うんだよね。より身近に感じるというか。



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オランダ旅行中、農場のワークショップ子どもたちが作った作品。もちろん羊毛です!)
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オランダから買って帰った糸車たち。古いほうは約40年前、オランダに住んでいる時に入手したもの)
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(お部屋のいたるところに羊のモチーフが)


◆手をかけて、工夫する暮らしを

 

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―――アンケートに「家事が好き」って書いてあったよね。「ママじゃな」のモデルさんの中でも珍しいかも・・・

そうなんだ? 家がきれいになるのって、目に見えるからうれしいよね。手をかける意義があるというか。主婦の仕事って、やってたらどんどん上手になるしね。

―――料理も好き?

うん。でも料理はまだ全然。こういうおもてなしするのもさ、センスのいい人はすばらしいよね。

(ちひろ)えー、これ最高だよ! お皿もすてきだし。

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オランダの農村の伝統的なお料理、エルテンスープとトマトスープ、ハード系食事パンを添えて。エルテンって、えんどう豆です♪ すっごく美味しい!)

いやいや、もっと人を見習いたいよ。
家事は、うまくできてるかはわからないけど、イヤじゃないんだよ。次はあそこをこういうふうにしたい、とか考えるのが楽しかったりする。

ダンナも自分で何でもやりたい人だからさ、あの台所の扉も自分たちでつけたの。ホームセンターに行って木材買ってきて、ドリルで穴開けて・・・。楽しかったよ。どの木がいい?って選んだりして。


―――義務感でやるとつらいけど、自分の暮らしを好きなようにカスタマイズするのって、本来、楽しいことなんだろうね。

どうやったらできるかな?って考えたりね。これは難しいけど、どうしたらやりやすいかな?って工夫したり。

―――むっちゃんって、すごく真面目だよね。

そう! そうなの。私、真面目なの(笑)。

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◆大人になったら、楽になった 

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―――むっちゃんに書いてもらった事前アンケートを見ると、全体的に、充実感とか肯定感をすごく感じたんだよね。

(ちひろ)あー、わかる!

―――物事の捉え方もまっすぐな感じがして。

まっすぐかどうかはわからないけど、ぽわーんとした子だったのよ(笑)。こんなに喋る子じゃなかったし。
だから人の悪口とかは言わなかったけど、今思えば、あんまり人のこと見てないから、悪いところにも気づかなかったのかも。


―――強いほうだったと思う? 精神的に。

いやー、ものすごく動じるよー! くよくよもするし・・・。

―――でも、やっぱり今のほうが逞しくなったかな?

生きやすくなったなあと思う。どこにも所属しないでいい、無理しなくていい、っていうか。悪口を言う人とは距離をおけばいいんだ、って。
小さいときは、この空間イヤだなって思いながらそこにいた、とかあったけど、今はそこからすーっと離れる知恵だとか、あるでしょ。だから大人になったら楽になったと思うな。

今、子どもが「こういうことあった」ってメソっとしてたら、「あー、そういえば、昔こういうことあったな、どうすればいいかわかんなかったな」って思う。


(ちひろ)小さい頃って、酷だよね。クラスがすべてみたいなとこあるし。だから、小さい頃から海外を知ってるっていいですよね。

世界はここだけじゃない、ってことは知っておいてほしいかな。行きたいところに行っていいんだ、ってことをね。
私は大人になってから思ったけど、子どものときからそう思っていいと思う。無理することないんだ、って。幸せになっていい、っていうか。



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◆今ならもっとできるはず

 

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―――図書館司書になりたいっていう気持ちは、学生時代からあったんだよね?

中学の頃から、図書館で働きたいなーとは漠然と思ってた。地元(長岡市)では、図書館バスが楽しかったの。バスの車内に棚がずらっと並んでて、本を満載して市内を巡回するの。

―――福岡では聞いたことないね、図書館バスって。

うん。ステーションが決まっててね、毎日違うコースでいろんなところに行くの。来てくれる人の顔も覚えてて、「あの人はこういうのが好きだろう」って本を乗せて行ったり。

―――面白い! 

小学校に行くコースのときは、『かいけつゾロリ』を多めに持って行ったり。小学校で「お話会させてください」ってお願いして、やったりもしてた。

―――すごく積極的に働いてたんだね。

今思えば、よくやってたよなーって。そんな実力もなかったのに(笑)。

―――本の仕事が好きで一生懸命だった証拠だよね。結婚して福岡に来てからも、図書館に務めてたんでしょ?

そう、履歴書持ってね、「私は図書館で働いていたので、経験があります。ぜひ雇ってください」みたいなことを(笑)。

―――すごい! 募集してないのに?

募集してないのに(笑)。

―――飛び込みだね。

押し売りだよね(笑)。

―――それで採用されたんだから、すごいよ!

すごいよね、たまたまだろうね(笑)。

―――情熱が通じたんだろうねー。本当に、本のお仕事が好きなんだね。
今も、小学校で読み聞かせとかやってるんやろ?

やってるやってる。今、子どもが6、4、1年生だから、入れるときは全部入ってる。

―――楽しそう! 小学生への読み聞かせ

6年生は大人だからねー。笑わないよー。

―――ちょっと冷めた目で見てるんだろうね。

そうそう。冷や汗たらーってなったりするけど(笑)。
でも自分の子が6年生で、家で見せる表情もわかってるからね。家の顔と学校の顔、ちゃんと使い分けてるんだな、みんなもきっとそうなんだろうな、って思えるから、安心できるのよ。


(ちひろ)子供の成長とともに、ますます広がるね。

―――アンケートにも、「(図書館の仕事について)今だったらもっといろんなことができると思う」って書いてたよね。ほんとにそうだと思うし、すごくいい考え方だなと思った。
私もそうだけど、仕事を長く離れてると自信がなくなったりするやん? でも、年齢を重ねて経験が増えたり、若いころはわからなかったことがわかったり・・・できるようになってることも、いろいろあるはずだよね。

私が図書館で働いていたときは、自分に子どもがいなかったからさ。今は、子どもがどういう動きをするかもわかってるから、いろいろ工夫もできると思うんだよね。

―――むっちゃんは、学生時代はどういう本が好きだった?

私ね、読むという行為は好きだったんだよ。でも、何も知識はなくて、表紙とかで選んでたから、身になる読書はできてなかったかな。今思えばね。

―――ああ、私もそうかも。

文学みたいな面にはなかなか触れられないんだな、っていう実感があるね。図書館員になってからもそう思った。子どもって、本棚に行っても、その子が求めてるものにはなかなか辿りつけないんだなって。

―――そうだねー。ほんと、そうなんだよね。たとえば岩波少年文庫とかでも良いものはいっぱいあるけど、子どもがタイトルと表紙を見て、自分が面白いと思える本を選ぶのって難しいよね。

選びきれないんだよね。本棚の前で、どうしようかなどうしようかな、って悩んでる子をよく見るけど、自分もこうだったなーと思うんだよね。
だから、自分でもこれからもいろいろ読んで、「こういう本、どう?」って薦められるようになったらいいなと思う。もっと勉強したいね。




(おわり)
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(むっちゃんのキッチンの壁には何年も前にかいてくれた子供たちの絵、大きくなったらなかなかこんな言葉のお手紙は書いてくれなくなるそうです。なので大掃除してもまたここに張るのだそうです。)


【編集後記】

インタビュー:イノウエ エミ

オランダのおみやげ話を聞きながら、おいしいエルテンスープとパンでランチ・・・心躍る時間でした! オランダ食事や、にせアカシアの木の話、スケートリンクなど、記事で紹介しきれなかったエピソードがたくさんあります。むっちゃんのお友だちは、ぜひご本人から聞いてくださいね。数々のキャンプやイベントなど、一家での強行軍の話も! 人生はアドベンチャーですね。ダンナさんのほうにもお話を聞いてみたいです(笑)。

子どもを見ていると、「自分もそうだったなあ」と思い出してきゅんとする気持ち、わかります。子ども時代は楽しくて、でも時に窮屈でつらかった。子どもが成長すればするほど、親が直接的に助けてやれることは少なくなるかもしれないけど、「大丈夫だよ、自分の気持ちを大事にしていいんだよ、大人になっても楽しいこといっぱいあるし、大人のほうが楽になるよ」と伝えたい、親のそういう姿を見せたいなと思います。

飾らない笑顔で生活を楽しんでいるむっちゃんがすてきです。知り合ったばかりなのにこんなに楽しくリラックスした時間が過ごせて、やっぱり大人は楽しい!

撮影:橘 ちひろ

むっちゃんとは幼稚園で出会いました。熊本への支援チャリティマルシェで写真屋さんをしたときに撮らせていただいたのです。しかも確か朝一番のお客様・・・!100円、寄付金とはいえお金をいただいて写真を撮ったのは初めてのことで緊張して撮りました。
それ以来「むっちゃんって呼んでね」とか、いつも気さくに声をかけていただいて・・・なんだか知るごとに大好きになっていくむっちゃんです。この間共通の知り合いと話している時に「あれ!?なんかちひろちゃんはむっちゃんに雰囲気が似てるね~」と言われてすごくうれしかったです。今回のインタビューも共感するところがたくさんあって(もちろん人としての経験値や成熟度は全く持って違いますが💦)心の底の基礎のあたりが少し似ているのかもなぁと思いました。ほっとするのです。
私昔から羊に似ているってよく言われていたし・・・。いや、関係ないかな 笑

写真はそんなむっちゃんとむっちゃんをとりまくお部屋の雰囲気を出したくて試行錯誤しました。そして私はむっちゃんが冬服コーデが大好きなので冬の公園へ。強風の中でしたがバタバタと・・・。全体的にまとまり切れなかった余韻を残す感じは断然『良きことと』してUPしたいと思います。

「未来の子どもたちのための歴史勉強会&おしゃべり会」 なんてこと、やってます

こんにちは、冬になるとごぼう愛が止まらない、「ママじゃな」インタビュー担当エミです。

最近2回ほど、個人的に、小さな勉強会を催しました。
(↓来てくれる皆さんに持ち寄りを募るスタイル)

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「未来の子どもたちのための歴史勉強会&おしゃべり会」

大げさなタイトルですが、実は日本史関係は私の子ども時代からの趣味でありまして


今後も戦争をしない国であってほしい、
というのは、特に子どもを持つ人間にとっては共通の願いですよね。

けれど
過去に日本が行ってしまった戦争のこと
時の流れと共に風化している部分があります。

もちろん私たちも、戦争を経験した方から見ればコワッパのひよっこですが
そんな私たちでも伝えていかなければ、子どもたちは知りようがありませんよね。

2回目の会に来てくれたサニー安田さん
「若者たちの間には、
『日本は負けてはいけない、強くならなければ』という空気もあるかも」
というようなことを話していました。

若くて勢いがあって、そしてまだ守るものを持たない人たち
不況の中に育ち、将来の見えない若者たちが見ている世界は、
私たち子育て世代が見ているのとは、また違うのでしょう。
そこには深刻さや切実さもあるのでしょう。

若い人たちが過去の戦争についてあまり知らないことも、
今の世の中に対する見方も、その理由をたどれば、
もっと上の世代にあるともいえますね。今の世の中を作っているのは大人ですから。


ちょっと思うのは

勝つか負けるか
安保に賛成か反対か
白か黒か
かんたんにハッキリした答えを出してしまう、極論に走ってしまうのは
白と黒の間にある、無数のグラデーションを知らないからなんですよね。


同様に、
子育て世代のお母さんたちは、
「戦争反対」「原発反対」というスタンスはハッキリしていても
どうしても目の前の子どもや、慌ただしい日常生活にフォーカスしがちです。
政治とか歴史とかとても遠いですよね。


強い国でいなければ、勝たなければ、と思うことも
ただ戦争反対と唱えるのも
「戦争をしない」「負けない」ためには、それだけでは効果は薄くて
戦争をしないっていうのはとても現実的で地道な方策だと思うのです。

むやみに敵を作らないこと
違う民族や違う文化を理解すること
理解できなくても、彼らにも彼らの事情があると想像し受容すること
自分たちの文化や自分たちの希望を、ケンカせずにプレゼンして受け容れてもらえる能力

そして、過去の戦争について知識を深めることです。
人間が実際に犯した過ちを知ること
人間はものすごく愚かなことをしでかす生き物なんですよね・・・

いつの時代も人間の心理や国民性は意外と変わらない。
歴史オタクやってると、つくづくそう思います。
歴史を知ってると、現在の世界の見方もだーいーぶ、変わります。

歴史は教訓の宝庫・・・
それを伝えていくのが大人の責任かなと思っています。
そして、歴史オタクな私にうってつけの業務かなとw 



それでね、私が主催するので私の趣味に走って
近代のざっくりした歴史と共に、
朝ドラや、子育て世代にはおなじみの絵本も参照しつつ、お伝えしているわけです。

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私のトークのスキルはおいといて・・・
ふだん、社会とか政治とかの話をする機会は少なくても、皆さんそれぞれに思うところはあるもので、そんな話をしてもらったり
率直な驚きや質問を口にしてもらったり、
「うちはこうだったよ」という経験談など
みなさんのおしゃべりを聞くのもとても楽しいです。

今回は、絵本とお話にとっても詳しい どんぐり文庫の梶田さん が、
セレクトしてくれた絵本を読んでくださったり
サニーさんにはわざわざギターを持ってきてもらって
名曲『朝食に花を』を弾き語りしてもらったりもして、とても充実した時間でしたよ。

絵本や、絵や、音楽。文学。お芝居・・・
文化やアートが自由に表現できる世界を守らなければいけないですよねー

自分ちは狭くて万年散らかってますので、すぐ人の家に頼るわたくし
第1回も第2回も、別々のお友だちのすてきなお宅をお借りしましたの。
本当にありがとう。
居心地って大事・・・!(←掃除しろ)

みんなで持ち寄りして美味しいランチを食べて喋って、
(私のスマホ写真がヘボくてつらい泣)

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家に帰ったら、ちょっとあらたまった気持ちで
子どもたちに絵本を読んであげたり
ニュースに関心を持ったり、政治を身近に感じたり
芸術や文化を味わえる喜び、表現する喜び、
それを子どもたちの時代にも残していくこと

そんな小さなきっかけになればな、と。

歴史を学ぶと未来を考える
未来を考えると現在の政治について考えなきゃいけないことに気づきます。

政治は遠い気がするし、政治家の顔を見ると憂鬱になるし、
どんな政策が正しいのか、どんな政治家・どんな政党がよいのか
私にもよくわかりません。

でも、わからなくても、見捨てないことが大事なんだと思います。
みんなが無関心になると、そのツケは結局、
自分たちや、さらには子どもたちの世代が払うことになる。


どんなに子どもの食生活や、生活習慣や、人格形成に気を配っても
そうやって育てたあと子どもが大人になって出て行った世界が
そのとき戦争をしていたり、
働くにも結婚するにも暮らすにも困る世界だったら元も子もないですもんね・・・。

また、いつか機会があれば、他の方々ともお話したいなと思ってます
それまでに私もまた勉強しておきますね。

(こういうのって何でもそうだろうけど、反省点いろいろ!)
(でも、やってみなければ、始まらない、進歩しないのです。)
(そして、こういうこと自分でやると、貴重な時間を割いて来てもらえるのが本当に有難く、心からの感謝を覚えます)

次に来られる方々にはもうちっとうまく話せるはずー!
第1回、2回に参加してくださった皆さん、この経験を糧にさせてもらいます。
ありがとう~!

  

◆参加してくれたサニー安田さんが、ライフイズマインでレポートしてくださいました。とてもうれしいです、ありがとうございます!

lifeismine.me

 

 

ご紹介: 「リビング福岡」に、のりこさん!

新年ですね! 
福岡はあたたかいお正月、おみくじ大吉でしたよ!(2年連続ー!) エミです。

さて、ちょっとお知らせが遅くなってしまいましたが、
新年早々、ちょっとうれしい出来事をご紹介します♪

福岡地区にお住まいの皆さん、
フリーペーパー「リビング福岡」 1月1日号がお手元にありましたら、ごらんくださいませ。

5ページ目、
「“バージョンアップ”した3人の女性にインタビュー」のコーナーに、
以前「ママじゃな」に出てくださった、のりこさんが載っています!

しかも!! 
のりこさんとリビング福岡さんの橋渡しをしたのは、
なんと「ママじゃな」なのです(*^^*) 


のりこさんのポートレート記事↑ を見て、
「すてきな方だな。取材したいな」
と興味を持たれた編集者さんが「ママじゃな」に連絡をくださり、
私たちが仲立ちをしたのでした。

うーん、編集者さん、お目が高い。
いい写真、いいインタビューでしたもんね~(笑)


結果、のりこさんはリビング紙の取材を受けて
ちょっと新鮮で楽しい経験をなさったようだし、

「ママじゃな」がプロの方にも見られるサイトになってる!(偶然かもしれんけど!)
というのがわかったのもうれしい。

てか、あれやね。プロにネタ提供してあげてるって感じやね・・・
・・・と、すぐ調子に乗るのは私の悪いクセなんですけど、

思いがけない出会いやつながりがあるものだなあ、
うれしいなあ、面白いなあと思うのでした。

2017年も、カメラ担当ちひろちゃんと共に、マイペースにやっていきたいと思います。
みなさまよろしくお願いいたします♪


(チャレンジ2017! のりこさん掲載、1月1日号の一面です。
 WEBでも見られます! → ぱらぱらリビング|リビング福岡・北九州 )

※あ、「ママじゃな」に御用の方は、コメント欄または mamajanai.watashi@gmail.com までお願いします!

 

 

続いていく日常を ~インタビューと写真、“ママじゃな” ちひろ編~



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実はだいぶ前から私が心の中で温めていた企画、ちひろちゃんにもう一度インタビューをしようの巻を実現しました。
「ママじゃな」を見てて、「こういう写真を撮るちひろちゃんというのは、どんな人なんだろう?」と興味をもってる方もけっこういるんじゃないかと思って。

ちひろちゃんは2010年11月生まれの女の子と、2015年2月生まれの男の子のお母さん。2人目の妊娠中(臨月)にダンナさんの肺癌がわかり、出産3日後に手術。約1年後、肺にまた小さな影が現れて、今夏には転院。食事療法も開始。そんなこれまでのことを、最近、近しい人への報告と自分の整理も兼ねて、facebookに投稿していたちひろちゃんです。今回は、その辺りについても聞いています。

 

◆「なんかいつもカメラ持ってる人」です。

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―――facebookにアップした文章、すごく整理してまとめてあって、変な言い方になるけど、読みやすかったよね。

あ、そう? よかった。読んだ人の負担になったらいけないなーとも思ってたし。

―――ちひろちゃん自身が下を向いてるわけじゃなくて、それなりに普通にっていうか、前向きに暮らしてるのが伝わってきたよ。

よかったー。そんなふうに思ってもらえてたらうれしい。

―――「ママじゃな」の基本の質問やけどさ。ちひろちゃんは、自分では、自分の性格ってどういうふうに思ってる?

うーん。わからんねー。わからーーーん・・・。
あ、なんかね、「写真が好きな人」っていうスタンスがちょうどいいんよね。「あー、なんかいつもカメラ持ってる人ね」って見られ方が・・・楽。


―――それは、カメラのコミュニティの中でってこと? それとも、それ以外の場で?

あ、カメラのコミュニティの中ではね、逆に「子どもがいる母です」みたいな(笑)。でも、子供も大きくなっていくのだろうし、これからはね、そういうのなくして、ばーんと一人で立ち振る舞って・・・みたいとも思うけど。

―――確かに、なんか役割とか属性があるほうが楽ってのはあるかもね。何にもなく、裸でポーンといくよりも。

特に、コミュニケーションってとこで考えると楽やね。

―――10代、20代のころとか、考え込むタイプだったりした?

あー、考え込むタイプだったー。自意識過剰なまでに。よくいえば内省的っていうのかな? 悪くいえば、なんかうじうじした人みたいな。
今はね、もうそんなことないよ。写真のことで言ったら、楽しい、って思って、もっと知りたい上手になりたい、って思うけど、時間が少なすぎるやん、大人って。それでもうけっこう割り切って「ちょっと撮らせて!」って言える度胸がついたなあって思う。いいや、おばちゃんだし。おばちゃんっていいよね。楽。


―――なんか、楽なところにいくってことに対して、若い頃はちょっと否定的だった気がするよね。自分にも他人にも。でも、年を重ねてくるとだんだんね。

楽しむことがまず大事だしね。なんかほら、そういう意味では、夫が癌になってからも思ったけど、結局やりたいことが一番体に良かったりするし。あー、いつか死ぬんだな、って思ったら何でもしとこうって思うし。


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◆神様が手加減してくれた

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―――ダンナさんに癌があるってわかった日、私たち、一緒にいたんよね。たまたまっていうか、一緒にお昼食べようってことになっとって。

そうやったよねー! あのときさ、夫は仕事で私だけが結果聞きに行っていたんよね。もし結果が悪くってがん告知なんかされたらお昼行けんよ、って思っとったけどさ、実際とりあえず行って、スープカレーお代わりしたんよ、私。あれけっこう自信になった!

―――ああー、そうだったんだ。

「あのとき食べれた!」「私、大丈夫!」みたいな(笑)。

―――食べてたよねえ。お腹も大きかったしね。もう臨月でね。

明後日から里帰りします、ってタイミングだったんよね。あのときお代わりできたのが私の心のすごい支えよ。

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―――それからすぐ二人目も生まれて一年半以上経ったけど、ちひろちゃんはその間、よく動いてたよね。
写真にしろ、食事にしろ、治療や転院のことにしろ、いつも何かやったり勉強したりしてたし、友だちや園ママともよく遊んでたし。
家族が病気になったとき、そちらにかかりきりになったり、ふさいでおうちに籠もりがちになったりしても全然不思議じゃないと思うんだけど、ちひろちゃんがそうならなかったのは何でと思う?

わー、すごーくいい質問。
それはね、きっと神様が、私の性格を知ってて、手加減してくれて、妊娠・臨月・里帰り・出産のあたりに、告知と手術を重ねてくれたんだと思ってんのよ、ほんとにさ。赤ちゃん生まれてきたら考え込む暇がないほどノンストップやしね。
私、三番目で生まれて、あまっちょろくてさ、誰かが何とかしてくれるみたいな人生やけん、手加減してくれたんやと思うんよ。


―――自分ではそういうふうに思ってるんだね。私は、それだけじゃなくて、やっぱりちひろちゃんの性格的な強さもあるんじゃないかなと思ってた。

うーーーん? 心の中は、夫のことどうしようっていうのと、写真のこともっと勉強したいっていうのと半分半分でせめぎあってて、それもよかったのかもね。

―――あ、写真のこともなくならなかった?

うん。なくならなかった。不思議よね。だから、癌のことも、本はあるけど拾い読みぐらいしかできなくて、ネットで調べたりするのもやめて・・・写真もしたいしインスタも上げたいけんさ(笑)。だから、人に聞いたら早いな、って聞くようになったりして。

―――転院も、幼稚園で聞いてみたのがきっかけだったよね。

そうそう、幼稚園のお母さんたちで持ち寄りの「雑穀の会」があってね、「これを作ってきました」って一人ずつ話すときに、尋ねてみたんだよ。この人たちならここで話しても許してくれるだろうと思って・・・。

―――言ってみれば、シリアスな話だもんね。楽しい会で。

そう。でもとても親身に聞いてもらえて、詳しい人がやっぱりいて、すぐにいろいろ教えてくれたり・・・。本当にありがたい。

―――そうやって、人に聞けたのが本当によかったしすごいと思うよ。それまでに信頼関係ができてたからだし、ちひろちゃんがそういうときでも心を閉ざさずにオープンにできたってことだよね。子育てしてても思うけど、助けを求めることができる力って大事だよね。

いや~もう背水の陣みたいなとこもあったけんね。

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◆どうしたら癒してあげられるだろう

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―――食事療法のこと勉強して実践したり、すごい愛を感じるよね。お金も時間も費やして、かんたんなことじゃないと思う。

いや~(笑) 自分のためでもあるかもよ~。

―――facebookの投稿に、「どうしたら癒してあげられるだろう」って書いてたのがすごく印象的で。

いや笑っちゃうんだけどさ、なんか、そういうふうに自分が思えたことが興奮するくらいうれしい。

―――あ、自分でもそうなんだ。すごく愛とか母性みたいなの感じたんだよね。

私、三番目でさ、甘えて育ってきたと思うんだよね。好きなようにやらせてもらったし、いるだけでかわいい、自分が幸せなことが両親にとっての幸せみたいな。自分の気持ちが一番大事と思ってわがままに生きてきたからさ。

―――そうやって、いっぱい愛されて大事にされて育ったからできることかもね。自分も、家族に愛情をかけて、大事にできる。

そうだね、しかもさ、今まで夫にもたっぷり見守られて、好き勝手やらせてもらってきたってのもあるかも(笑)。

―――なるほど~やっぱり愛だね~!

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◆夫婦ともに、よく眠れます 

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―――「病気になっても不幸にはならないどこうね」って話したって・・・。

うん、会話的には「不幸とは思わんどこうね」「あ、そうやね」ぐらいだけどね。状況の重大度はいろんなレベルで人それぞれあると思うけど気持ちの持ちようで感じ方は違うと思うんよね。ほら、不幸と思ったら、んー、・・・損じゃん 笑 いや、実際ね免疫学的にも気持ちが落ち込んだら免疫が落ちるわけだし。「幸せー」って思う回数が多い人生のほうがどう考えてもいいしって思って。

―――病気のこととか、生活の仕方を変えるとか、いろいろ話して決めたの?

散歩を始めようとか食生活は私主導なとこが多いんだけどね。

―――ダンナさんのほうで、そういう変化に抵抗感はなかった?

うん、意外にない。もっと抵抗あるかなって思ってたけど。

―――そうなんだね。夫婦で話し合えるのは大事だね。

大切だよね~ほんっとそうだよね。ほんと夫婦の時間ほしいなあと思う。なんか、小さい頃の話とかいっぱいしたりさ。

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―――最初にわかったときは、彼は落ち込んでた? やっぱり・・・。

んー。わかりにくいね。ただひとつ言えるのは、不思議とよく寝られる。私もだけどね。

―――ずっと? ちひろちゃん、眠れないことは?

うん、ないよ。写真の作業とか、好きなことしてて寝れないときはあるけど(笑)。

―――手術のあとは3か月ごとに検査があって、毎回検査前は夫婦でとても緊張してるって・・・不安だよね。

うん。自分は不安になるとイライラするってことがわかった(笑)。そのイライラが家族にも向かっちゃうんだよねー。

―――そういうときは、どうしてる?

延長保育を頼んで預けたりするのもいいよね。子ども子どもらしくいられる場所って大事だなあって思う。


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◆きらめいて見える瞬間を

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―――自分の写真についてはどう? 「ママじゃな」を始めた頃から比べても、ずいぶん進化したように思うけど。なんか写真のことわかってるみたいなこと言ってるけど私(笑)。

いやいや、言って言って。まだまだ、表現というよりは技術を得始めているっていう時期だけどね。

―――感性みたいなのが爆発するようになった感じがするよ。技術がついたからそう見えるのかな?

あ、そうかもね。たとえば、このコップを撮るにしても、いろんな撮り方に今のほうが気づいてると思う。角度とか光とか、カメラの操作でいろんな表現方法があるなって。
10年くらい前にさ、撮るのやめちゃったときは、どう撮っても同じような写真になっちゃって、光にばっかりこだわってたからかな。そこらへんの反省点も今はわかる。


―――技術的に行き詰まってたから、気持ち的にも行き詰まっちゃったのかもね。

同じ瞬間ってのはないからさ、撮り続けたらもっといい瞬間を切り取れたりするから、そこらへんが進めたらうれしい。

―――ちひろちゃんの写真人生で、写真を撮らなくなってたブランク時期がある、ってのは、案外重要かもね。

ふふふ。なかなか、オツなもんですよ。


(後述:今と昔の自分はきっと違う・・・っていうちょっとした自信も少し出てきたのです。昔はモロかったなぁ~しみじみ 笑 あと、「ありがたみ」や「時間の貴重さ」「続けることの価値」なんかも少しは理解できるようになりました。)

 


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―――写真を撮る人の目ってどんな感じなんだろ。ちひろちゃんの写真もだけど、日常を撮ってるの見ると「あ、こんなに素敵な瞬間があるんだな」って思う。普通の目では見逃しちゃってるような瞬間・・・

写真を趣味にしてる人でも、そうだよー。インスタとか見てると「写真してなかったら、こんな瞬間に気づいてなかったなあ」とかキャプションついてること多いね。ほんとそう。きらめいて見えるよ。

―――撮る前に、もう、ちゃんときらめいて見えてるってことだよね。

そうー。ある意味、冷静な目で見ないと撮れないとこもあるけどね。カメラの設定とか。

―――「これは素敵だな」って見えた通りに撮れるの? 撮ってみてから、「思ったより素敵だった」とかなる?

両方あるんだけど、今Lightroomっていうソフト使ってて、パソコンの中で現像できるんよね。色合いや明るさを調整したり、下半分を少し明るめにぼやかしたり、それを使い始めてからは、そのときの感動を思い出せるように仕上げることができるようになってきた。

―――あー、じゃあやっぱり感動に近づけるように調整してるんだよね。もともと目で見た感動に。それはやっぱり感性の世界だよね。写真やってる人や映画を撮る人とかって、目そのものがファインダーっていうか、みんなとは違うものを見てるんだろうなって感じる。

意外に狭くていいんだよ。写真撮るって。それが面白い。

―――そっかー。目は無意識に広く漠然と見てるからね。

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(「へ?ここで撮ったの?」ってくらい小さいスペースで写真が撮れるのも面白い。)


◆光と空のギフト

 

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―――ちひろちゃんは日常の写真をよく撮ってるけど、それって日常を見る目が豊かになって、日常そのものを豊かにしてくれるものかもしれないよね。

うん、ほんとそうなんだよー、めっちゃラッキーって感じ。写真が趣味で。

―――日常がとってもポジティブになるような気がする。

なんかね、光って、どこにでもあるやん。空もそうなんだけど、誰でもその美しさに気づこうと思えば気づけるし、空も見上げようと思えば見れるよね。感じ方はそれぞれだけど、でもだいたい、空はきれいやったら気持ちいいやん? 

それはさ、お金持ちでも貧乏でも、ハッピーでも今とても大変でも、厳しい生活をしてる人や戦争がある地域でもさ、みんな平等に見れるやない? ほんと、光って降り注いでてさ。ギフトだなあって思う。


―――ほんとだねえ。そういうことって、昔から思ってた?

いやいや最近。去年の今ごろに思ったんだよね。ほんと平等だなーって。秋は特に光が美しいからね。
ただ、自分が気づかないとね、気づけないんだけどね。


―――ちひろちゃん、前にさ、「そういう日常の美しいものを美しいと感じられなくなったらどうしよう」っていうようなこと書いてたよね。ツイッターだっけ・・・。

あ、うんうん。書いてたっけね。

―――それもわかる気がする。やっぱり、美しいものに気づけない、美しいと感じられなくなるときもきっとあるよね、人生いろんな状況があるから・・・。
でも、やっぱり普段から心がける、っていうとちょっと違うけど、普段から感じるアンテナを立てておくほうが、気づきやすくなるってのはあると思うんだよね。

そう。気づかなくなっちゃうからね。

―――で、写真に撮ると残るから、それがまたいいよね。撮った写真を見返すと、すてきな瞬間を積み重ねて暮らしてるんだ、っていうのが実感できる。私も日記書いててさ、楽しかったことや感動したことをたくさん書くようにしてるんだよね。

そうだねえ。

―――なんか、語り残したことない? これは話しときたい、みたいな。

いやいや(笑)。光と空が平等だなーって話ができてよかった!!

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【編集後記】

インタビュー:イノウエ エミ

大好きな友だちは、尊敬すべき友だちだった。
と、この2年近くのちひろちゃんを見て思っています。
きっと誰の人生にも、いろんな不安や苦しみに襲われる時期はある。そんな時期にも、美しいものを見て美しさを感じること。毎日の小さないろいろを楽しむこと。ちひろちゃんを見ているとその大切さがわかります。それは、苦しい時期には難しいことですが…。だからこそ普段から大切にしたい。美しいものを感じられる目をひらいておくこと。窓を閉ざさず開けること。外に出て季節の匂いを嗅ぐこと。
路上の花の思わぬ生命力や、眠たげな子どもの顔や、投げ出された赤いタイツ、ビルの上の鱗雲…落ち葉のじゅうたんに伸びる長い影・・・。
この写真たち! ちひろちゃん家族はいつのときも祝福されている。そう思います。それは私たちの家族、私たちの人生も同じ! 光と空はいつもみんなに降り注いでいます。どんなときも。

・・・あら? なんかちょっと、宗教っぽい文章になっちゃってるかしら?(笑) 普段は私たち、他の友人や子どもたちも含めて集まって、美味しいもの食べてご機嫌で飲んだりしながら、他愛ない話をしています。


写真:橘 ちひろ

いや~!ありがとうございます!
なかなか上手く文章でまとめられないでいるのでエミちゃんにまとめてもらって本当嬉しかったです。
本当、エミちゃんって聞き上手の聞き出し上手の汲み取り上手♡
例えば全くしゃべらない相手でも一記事書けちゃうんじゃないかと思います 笑 いや、本当に!
写真はインスタグラムにアップし続けている日々のスナップから抜粋しました。




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