まゆみさんは、4歳と1歳の男の子のママさん。私が2年ちょっと前に出会った、育児サークル時代のお友だちです。一年間は、一緒にサークルの役員(副代表)もやってたので、雑談も、話し合いも、イベントもいろいろ共にしてきました。柔らかな雰囲気のまゆみさんは、周りをリラックスさせてくれるような、穏やかで優しい、落ち着いた女性。・・・って、あれ? しょっぱなから、ちょっと違うキャラクターが見えてきたよ、お酒…?(笑) もうすぐ歩き出しそうな、かわゆい次男くんも今日は一緒だよ~(はぁと)
◆ちょっとビックリな なれそめ(笑)
―――育児サークル時代、お住まいが社宅って聞いて、ダンナさんは転勤族で、まゆみさんも遠くから来てる人…って勝手に、思いこんでたんですね。でも聞いてみたら、こっちの人で。
ずっと地元。高校短大、南区から出たことなくて。
―――私もずっと福岡なんですよ、一人暮らしとか結婚とかで区は転々としてますけど。まゆみさんは、地元から出たいと思ったことはなかったですか?
今は、福岡がいいかなーって思うけど、社会人になってからは、大阪が好きで。
―――大阪?!
大阪支社の人と仲良くなって、しょっちゅう行ってて、USJの年間パスポートまで持ってて(笑)。
―――どんだけ行く気なん?っていう(笑)
すっごいハマってて。その一年間は、金曜日出張にして土曜日USJに行って、近くに泊まって、また日曜の朝から…。大阪に住んでもいいなと思ってた。
―――あれ、ダンナさんとはどこで知り合ったんでしたっけ?
仕事の先輩とクリスマスパーティしようってことになって、みんな友だちを呼んで出入り自由みたいにして、そのとき、先輩の友だちの友だちとして来てたんですよ。
―――へー、それが出会い。なんかおしゃれ!
でも、そのとき私、泥酔してて(笑)。
―――え?(笑)
暴れまわってたんですよ。
―――暴れまわるって何(笑)。
トイレ行こうとして、ふらふらしてるのを周りの人が支えてくれようとしてるんだけど、全部はねのけながら行ったっていう・・・
―――それが第一印象(笑)。
2回目会った時も、先輩と友だちと・・・何人か一緒だったんですけど、私がまた酔っぱらって。
―――ちょっとちょっと(笑)
先輩に「謝りの電話しといたら?」って言われて電話して、そんなこんなで仲良くなって、家も近かったし、しょっちゅうごはん食べに行ったりするようになって。結婚まで6年つきあったのかな。
―――あ、わりと長い。じゃ、知り合ったとき若かったんだ。
23とか、それぐらい。
―――あ、そりゃ泥酔するね(笑)。
あのころは若かったなー、と。たまに、やらかすことしてたから。最近はもう飲んでないけど。
―――いやー、若いころはしょうがない( ← 身に覚えがありすぎるらしい)。
―――(ちひろ) ギャップが面白そう~(笑)
◆「今年のクリスマスプレゼントはもう買いました!・・・ダンナが」
―――事前アンケートに書いてあったけど、ダンナさん、面白い人なんですね。
なんか変な・・・子どもが喜ぶような変なこと言ったりとか。
―――へぇー、面白そう(笑)
子どもはすごーく喜ぶ。頭が固くない感じはすごくあるかな。
―――家事や育児もしてくれますか?
それがねー。かわいがるけど、育児はあんまりしてくれないっていう。
―――家事も?
ゴミ出しくらいかなー。こっちは、子どものペースに合わせて動かなきゃいけないけど、向こうはお風呂とか寝るとか、自分のペースを崩さないとこあって・・・。子どもが、こう、ぐずったり大変なときでも・・・。
―――男の人ってそういうとこありますよね・・・そういうの、文句言ったりケンカになったりしない?
長男のときはあったけど、私も今は慣れたっていうか。ダンナも、2人めが生まれてからは、若干、空気を読むようになったかも(笑)
―――そうだよねえ、両方に抱えてるんだもんね。お母さんの手は2本しかないんやけん。
エミさん、うらやましい。ダンナさん、やってくれるんですよね。料理とか・・・。
―――ありがたいと思ってます。でもうちのダンナさんみたいな人のほうがやっぱり特殊だよね。
将来、子どもには自炊できるようになってほしい。
―――なってほしいですよねー! 男の子でもね。
一人暮らしする確率、高そうだし。男の子は。
―――子どものこととか、お金とか親戚づきあいとか、結婚してるといろいろありますけど、夫婦で話し合うほうですか?
うちは、私がだいたい決めて「それでいい?」って感じが多いかなー。でも子どものことに関してはけっこう言ってくる(笑)。
―――へぇー、やっぱり気になるのかな。子どものことはね。たとえばどんな?
おもちゃとか。下調べは一緒に行くけど、最終的にはダンナが決めて買ってくるっていう。
―――えーすごい! 最近のクリスマスとか誕生日とか、ダンナさんチョイスは何だったんですか?
今回のクリスマスはもう決まってて。
―――え、もう決まってるの?!
そうそう(笑)。
―――自分も楽しいのかもしれないね、おもちゃを選んだりするの。
―――(ちひろ) ちっちゃいころ欲しかった気持ちって、男同士だから分かり合えるのかな。
そんなこと言ってました、自分が欲しかったのと違うのをお母さんが買ってきたことあって・・・って。
◆自転車に乗ってどこまでも行きたい!
(風通し・日当たりのよいお家。秋風が呼んでます )
福岡都市圏で育ったとなれば、乗り回しますよねー、自転車。まゆみさんも、かつては「チャリ族」を自称していたそうです。(ご自宅の南区から)「天神やキャナル、博多駅は余裕で行ってました! 高校の頃は、自転車で山の上ホテルまで行って(!)、大濠の花火大会を見てました!」とのこと。こりゃ筋金入りですな(笑)。学生時代にハマったという、映画やサッカーのことも教えてください!
―――ママチャリデビューしようと思ったことはないんですか?
したいんだけど、ダンナが「危ない」って。ここらへん、坂が多いから・・・
―――あー、確かにね。
私は早く乗りたいんだけど・・・
―――(ちひろ) めちゃめちゃいいですよー。乗ったらもう、世界が変わる。
―――買ったらきっと、モト取れますよ、自転車好きだったら。
天神とかも、車では行きにくいから電車とバスで行くけど、それだったら自転車のほうが・・・
―――絶対、楽! やっぱり福岡って自転車文化だよねー
―――(ちひろ) バス代出すなんて考えられなかったもん。
ほんと、もったいないですよね(笑)。行けるところは全部チャリで(笑)。時間を気にしなくていいし、寄りたいところにパッと寄れるし。
◆青春時代はブラッド・ピットとJリーグ
―――映画は、どんなのを? 私たちの高校時代って、まだハリウッド系が主流でしたよね。
私、ブラッド・ピットがすごい好きで。学校帰りに見に行ったりとか・・・
―――(ちひろ) そのころって、何に出てましたかね。『ギルバート・グレイブ』・・・?
『リバー・ランズ・スルー・イット』とか、あと怖いヤツ、『セブン』とか・・・
―――だんだん若返っていくの、ありませんでした? それ、もうちょっと後ですかね。
―――(ちひろ) ほんと、時代感じる(笑)。
人気ありましたよね。友だちはレオナルド・ディカプリオが好きで。
―――あー! 時代感ー(笑)
―――(ちひろ) そっか、『ギルバート・グレイブ』はディカプリオでしたね。
―――あんなかっこいい人いない、って感じがありましたよね、そのころのハリウッドスターって。でも高校生にとって、映画ってそんなに安くないですよね?
千円のときに行ったりとか。あと試写会。
―――へー、当たります?
当たるんです。でも、当たって、行かないと当たらなくなる。
―――あ、なるほど。行き続けると、当たりやすくなるんですかね。
西部ガスの、千代のガスホールのとこの試写会によく行ってて。自転車で。
―――あそこまで、やっぱり自転車でね(笑)。今でも映画見ます? DVDとか。
見れてなくて。長男が生まれるまではレンタルして見たりしてたけど、生まれてからはもう・・・
―――映画って、2時間なら2時間、世界にどっぷり浸りたいけど、2時間って子どもがいるとなかなかとれないですよね・・・。だから主婦は朝ドラにいくんだ(笑)。
確かに(笑)。子どもが生まれてからは、それまでの自分の趣味とかがガラッと変わった気がする。
★
―――サッカーも、昔は見に行ってたんですよね?
そうそうJリーグ始まった年から。なぜかジェフ市原にハマッて、千葉の。
―――なぜ(笑)。別に強くなかったような…。好きな選手がいたの?
日本代表にもなったけど影は薄かったかも、中西永輔っていう人で、もう一人の中西は解説とかでテレビによく出てるんだけど・・・
―――あ、「サンデーモーニング」とかにも出てますね、そっちじゃないほう(笑)。
まだアビスパもないころは、テレビで見てて、たまーに福岡で試合があるときに行ったり、アビスパがJ1に入ってからは、けっこう来るから、よく行ってた。
―――サッカーって、ずっと見てたらわかるようになります? 私、ゴールはわかるけど、いまいち…
個別のプレーとか細かいことはよくわからないけど、ただもう雰囲気が好きで、スタジアムで見る雰囲気が。
―――ああ。サッカーって、野球よりずっと近いですもんね。足元までちゃんと見える感じ。
テレビで見るの迫力が全然違うんです。特に、ゴール裏に座って見てると、みんながバーッとこっち(ゴール)に向かって走ってくるのがすごい迫力があって。
―――あ、みんながワーッて攻めてくるのが見えるんだ! 私、走る姿見るのが好きだから、すっごく興奮しそう! なるほどー!
試合の流れとかは、横から見たほうがわかるんだけど、迫ってくる感じはゴール裏がすごくて。社会人になってしばらくしてかな? なんだか、パタッと見なくなったんですけどね。
◆ここにも発見! 手ゴネ派!
事前アンケートの回答を拝見すると、見落としそうなほどにサラッと一言、「パンの講師やってました、2年ほどですけど…」と。もちろん見落とすママじゃな組じゃございません(笑)。実は、育児サークルでも、よそでも、ママ友には今までほとんど言ったことがないとのこと…。
―――今も作ってますか? パン。
今はこの子が、後追いがすごいから…。作ってももう、食パンとか簡単なのばっかり。
―――(ちひろ) パン焼き器は使いますか?
ううん、もう、手ゴネで。
―――わ、手ゴネ派がまたここにも(笑)
ていうか、このアンケートを出したあとで、パン教室されてる方のポートレートを見て。「すごーい!」って思っちゃって。私なんか全然…
―――うん、すごいんだけど、まあ、アレはちょっとオタク入ってるっていうか、特殊事例だから(笑)。でも、まゆみさんにもそんな過去があったとは! びっくりでした。
某全国系の教室に生徒として通ってて、そこで資格をとって、そこの講師になったんです。
―――えーっと、もともとは、事務をされていて。お仕事と並行して資格を取ったんですか?
病院で使うような、医療関係のソフトウェアを作ってる会社で事務職してて。講師になる前に、ちょっとバイトっていうのか、料理のクラスのほうで、野菜とか材料の準備・・・分量をはかってみたいな・・・それは、前の仕事と並行してやってて。
―――あ、会社終わってから移動して、みたいな?
そう、チャリで(笑)。
―――やっぱりチャリでね(笑)。
で、資格を合格したのと同時くらいに、結婚も決まったしってことで前の仕事はキリよく辞めて、パンの講師のほうに移って・・・
―――週に何回、とかって感じで?
3,4回とか。土曜日はホント朝から夜まで。
―――えー! すごい。疲れそう・・・。
時間内に終わらせないと次の授業が始まるから、私の場合、時間に追われてて。どちらかというとテキパキできるほうじゃないから、次から次に、次の作業・次の作業って考えなきゃいけなくて、最後のほうはあんまり楽しめなかったかも・・・。
―――教えること自体は、もともと好きだった?
うーん、ほんとはゆるい感じでやりたくて。夕方からの授業とかは人数少なくて、2人のときとかもあって、それだと余裕があって楽しいんだけど、マックスの人数で次(の授業)も詰まってて、初めての方もいて、習うパンがそれぞれ違って・・・ってなると、時間内にまわすのが大変。
―――え、習うパンがそれぞれ違うの? そりゃ大変だ。
でも、先生たちがみんないい人だから続けられたかな。まわりに助けられたって感じ。
―――いいですね、なんか、そういう経験が2年間あるっていうのは。
―――(ちひろ) 子どもが産まれる前にね。
―――今思えば、貴重な時間だもんね。
ほんと、今になってみたら、いろんな人と話ができる機会だったかな。職種とかも、いろんな人がいて・・・。
―――(ちひろ) また、子どもたちが少し大きくなって落ち着いたら、教えられるかも?
もう一回勉強し直して、できればなー、とは思ったりしますね。
―――それにしても、講師とか、そういう経験でいろんな人と会ってきたからですかね、まゆみさんが誰とでも自然におしゃべりする感じなのは。
や、私けっこう人見知りなんですよー!
―――え、そう? 育児サークルのときも、みんなとそれぞれに良い雰囲気で親しくて・・・雰囲気が柔らかいからおしゃべりしやすいのかなー、とか思ってたんですけど。
いや~、今でも人見知りって思います。ママさん同士でも、あまりよく知らない方だと、何しゃべったらいいんだろう?って考えちゃったり。2人目になると、公民館(の育児サロン)とかも全然行ってなくて、こないだも、久しぶりに行ったら、緊張してしゃべれなくて。
―――そうかー、とってもリラックスして見えるまゆみさんのようなママさんでも、心の中ではけっこうドキドキしてるってことは、ドキドキしてるのは自分だけじゃない、ってことなんだろうなあ。今でも、いろんなパン屋さんを買い歩いたりとかします?
最近、全然できなくて・・・近場のお店ばっかりなんですよ~。
―――(ちひろ) 自転車に乗ったら、いろいろ行けますよ~(笑)。
ほんと! 自転車ほしいなあ~。
(おわり。)
(日当たりの良い所に可愛いお花。長男くんと毎朝お水をあげるのが日課なんだそうです。いい習慣!)
[編集後記]
インタビュー:エミ
このブログをだいぶ前から「楽しく見ています」と言ってくださってたまゆみさんだけど、モデルを引き受けてくださるまでには迷ったんじゃないかと思います。見るのと出るのとでは、ずいぶん違いますもんね。でも最後は「自分のことを話す機会なんてめったにないし」とOKしてくれました。ありがとう!
てか、そんなに飲む人だったとは! 「ママじゃな」の2人も泥酔経験豊富なもんで、「飲んで自転車乗ったらコケるんだよね」「でも、酔ってると痛くないんだよね」「むしろコケたのが面白すぎて笑い続けてる」「道路が冷たくて気持ちいいーってなったり」…と、酔っぱらい談義は延々続いたのでした(笑)。
映画、サッカー・・・昔、何かに夢中だった自分を思い出すと、不思議な気持ちになりますね。確かに自分なんだけど、なんだか少し遠くて、「あのころの自分はどこにいったんだろう?」って。でもきっと、そのころの自分も、今の自分を形作るもののひとつなんですよね。「あのころのまゆみさん」が少し見えた気がする、なんだか愛おしい時間でした。
写真 :橘 ちひろ
近くのスーパーまで迎えに来ていただいて(申し訳ない!)「はじめまして」と声を交わしたらすぐにイメージがわいてきました。
やくしじさん、洗いざらしの綿に触れたような気持ちの良い方でした。
取り巻く環境にも笑顔にも人柄がそのまま出ていてとっても素敵!
小さい次男くんをかかえてまだまだ大変だけどだんだんと自分の事も楽しめそうな彼女のこれからが楽しみです。
同時に今しかないこの時期に取材をさせてもらえたことがとても貴重で、とても嬉しかったです!