vol.15 みずた のりこ の 「ママじゃない私」ポートレート
初めて訪れたのは秋の午後、この家で催されたイベント「ピアニモ」のとき(詳しくは後述)。何から何まで素敵で個性的だけれど、声高に主張することなく、あたりと自然に調和して、訪れる人みんなを優しく迎えてくれる家・・・。こんな家を作り、暮らしているのはどんな人なんだろう? と思わずにはいられませんでした。
それから2か月、友人を介して、この家に住む典子さん(7歳の女の子と3歳の男の子のママ)に取材できる運びに! 今日は、3歳のオウくん、仲介してくれた友人・京子ちゃんも一緒です。
暖かいお部屋に入ると、3歳になる女の子のワンちゃん、くるりが大歓迎してくれました。
◆「無理をしないのが今年のテーマ」
(美犬!!・・・なのになかなかのやんちゃ娘(笑) くるりちゃんと一緒に)
―――事前アンケートの回答、すごく面白かったです。本当に率直に書いてもらってて。
―――(ちひろ) そのあとにいただいたメールも、また良くて。
えー、どのへんですかね?
―――「一品ずつ、持ち寄りランチにしませんか?」ってお誘いのあとに、「無理をしないのが今年のテーマ」、「理想の自分を演じるのをやめて、素の自分で・・・」って。
そうなんです。今日みたいなときも、去年までだったら「何かお昼作りますね」って言っちゃうタイプなんですよ、出来ないのに。で、結局あたふたして、お客さんが来てもできてない(笑)。だから、もう無理をしないように・・・。そう決めてから、少し楽になったかな。
―――(ちひろ) ますます素敵です。
―――もしかして、割と内省的じゃないですか? 普段からご自分と対話されてるような。アンケートも、内面を言葉にするのがすごく上手で・・・
内省っていうか妄想癖ですね、妄想族! なんか、常に現実じゃなく、こうだったらああだったら・・・って考えて、それはすごく楽しくてポジティブなんですけど、思うだけでなかなか行動はできない。日々反省です。
―――え、すごい行動力じゃないですかー。今回、家づくりについてのブログ( 『イエコト日記』 )を事前に読ませてもらいましたが、本当に面白かった! 土地探しの段階から竣工、お引っ越しまで、3年以上に渡る記録が、すごーーーく詳細に・・・! 本にしてほしいくらい。
自分のための記録で、自己満足の世界ですけどねー。
―――「こういうことがあった」「こう決まった」だけじゃなく、感じたこと・考えたことまで、ひとつひとつ書いてある。たとえば「棟上げ式をしました」って出来事だけじゃなくて、「棟上げってなんだろう? 定義としてはこうらしいけど、じゃあ、自分にとっての意味は?」ってとこまで掘り下げてあって。
今思えば、よくあんなにエネルギー注げたなっていう・・・。ハマったら、すごいのめりこむタイプなんで。
―――そうなんでしょうね(笑)。子ども部屋、キッチン、照明器具、天井の高さとか、ひとつひとつ記事にしてあるし・・・建築家さんとの50回以上にわたる打ち合わせの記録も、すべて網羅されてますよね。
家とかインテリアは学生時代や仕事でも少しかじってたし、もともと大好きな分野なので。建築家さんとの3年間は、本当に楽しかったですね。いろいろワガママ言って困らせたりもしたけれど。
―――自分たちが住む家だから当然ですよー。
◆季節感が楽しめる、夫婦本位の家
(ささやかにクリスマスバージョンの中庭。DIYでの庭づくりはいまだ続行中。)
―――家を建てる、しかも建築家さんにお願いして建てるって、建てる人の価値観や生活スタイルがかなり反映されると思うんですけど、どういうこだわりがありました? 土間が印象的なおうちですよね。
土間はね、建築家さんの強い勧めがあったんですが、私たちは最初“えー!?”て感じで。でも実際暮らしてみて、ほんとよかったなーって。それぞれ部屋の箱があって、それを土間でつなぐイメージ。
私のこだわりは・・・土地探しで言うならば、「景色が抜けてる」ことかな。大分の田舎育ちなので、何かしら自然に触れていたいっていうのが潜在意識であったのかも。ここ、想定以上に広くて予算もオーバーしたんですけどね(笑)、急坂の上に山の景色が広がってるのに夫婦で一目ぼれして。
―――確か、割とすぐ見つかったんですよね?
2か月くらい。そのときもけっこうエネルギー注いで、毎日、不動産のサイトをチェックしたり、ヒマさえあれば子どもをベビーカーに乗せて歩いて回って・・・ベビーカー押してたら不審者に見られないんですよ、キョロキョロしてても。
―――子どもが中和してくれるんですね(笑)。
「お散歩」っていうムードで、実はかなりギラギラしながら(笑)。
あとは・・・。「のびのび楽しく暮らせる家」っていうのは私たちも建築家さんも共通してた。暮らしやすいのはもちろんだけど、なんかこう、楽しく、いろんな場がある家。
―――いろんな場?
実際に住むと、中庭で遊んだり、土間を開け放したり、季節に応じていろんな楽しみ方ができるなーって。土間は冬なんてめちゃめちゃ冷たいですけどね、夏は涼しいのか犬と下の子がよく昼寝してます(笑)。
学校への距離とか利便性とか・・・家って子どものためにって考え方もあるだろうけど、結局ずっと住むのは自分たち夫婦だから、まずは自分たちが心地よく過ごせること。そしたらおのずと子どもたちも楽しめるのかなって。自分たち本位な家です。
―――坂を上がってきたら、おうちの全面のガラスが目に入って、すごく開放的な感じだけど、中は見えないんですよね。不思議。
見えるんですよー。でも、意外と慣れて(笑)。インターホンも買ってるんだけど、どこにつけようか迷ってるうちに3年経っちゃって。モニターはあるけど外から押すほうがついてない。
―――なかった、なかった。ちょっと探したもん(笑)。
でもここなら、インターホン押す前に見えるし、コンコンってやったら聞こえるし。なくても暮らせるもんだなって。
―――昔はそうだったんですよね。今は「インターホンがあるものだ」と思い込んでるけど。
防犯的にもね、密閉された家は、入りにくいけど入られたら外から見えない。うちは、外から見えるから・・・
―――泥棒さんも入りたくない家かも(笑)。濡れ縁もすごい素敵ですね、ウッドデッキっていうのかな。
何もしてないんですけど、すごく季節感があります。今、いちょうが散り始めてるんですけど、その前は柿がなってたし、春は梅が咲いたり・・・すべて借景なんですけど(笑)。
―――すばらしいですよね~!
◆ひとつひとつ考え尽くして。家づくりの楽しい年月
―――家づくりには、当然、ご主人の希望もありますよね。夫婦でその都度、話し合いを重ねて・・・?
何度ケンカしたかわかんないです(笑)。家って価値観だから、主人と重なる部分もあるけど、やっぱり一緒ではないから。逆に、スムーズにいく夫婦ってあるのかな?と思いますね。
―――ケンカになるってことは、ご主人もこだわりがあったんですよね。
でも、最後はもう早く建ってくれればそれでいい、って。ガレージは彼のためにがんばって予算残したけど、あとは割と好きにさせてもらいました、結果的に。私の根気勝ちというか(笑)。
―――ほんと、取捨選択もそうだし、何かと大変そうですよね。
そう言われますけど、大変と思わなかったんですよね、楽しかった。毎週の打ち合わせとか・・・。キッチン作るときはキッチンメーカー巡りしたり。
―――ワークショップとかにも参加されてましたよね。
あのときは、こんな行動力が自分にもあったんだなって。今は忘れがちなんですけど。
―――目標がさだまったら、俄然、動くタイプなんですかね。
目標と、それなりに納期があるじゃないですか。
―――ああ、そうですよね。
住んでみて、やっぱりここにコンセントつけたらよかったなーとかはあるけど、でも、ある程度考え尽くして決めたから・・・。
―――なるほど、考え尽くしたから納得できるんですね。
(ダイニング横、階段の下には小学生の娘さんの机。電球もちゃんとある。リビングに自分のスペースがあるって素敵!)
◆知らないうちに自分を追いつめていたのかも
そうやって、納得のいく、大好きなおうちを作って暮らす典子さんですが・・・。実は、家事や片付け、おもてなしの類も苦手で、理想の姿とのギャップに「なんで私にはできないんだろう?」と真剣に思い悩む時期もあったそうです。や、私から見れば、本当に素敵なおうちだし、整ってるし、お料理もすごーくおいしくて、我が家がケモノの棲み家のように思えてくるんですけど!(笑)
極端にいえば、これだけ時間をかけてこだわって作ってもらった家で、すごく満足してるんですけど、なぜかどこかでくつろげない自分がいたんですよ。出かけてるときのほうが気が楽で、ホッとできて。
―――えっ。なんで・・・?
自分でも、最近になってわかったんですけど・・・家にいたら、義務感に追われるんですよね。引っ越してからまだ全部が完ぺきになってないし、日々の家事も含めて、あれを片づけなきゃとか、ここをもっと断捨離したいのにとか、庭づくりも、できてないところがたくさんあって・・・。
―――そういうこともあるんですね、素敵な家を建てると・・・。
外に出ると、「家にいないけん仕方ないやん」って自分に言い訳できるんですよ。
―――なるほどー。なんか想像できる気もするな。理想を追い求めて作った家だから、実際その中にいる自分はちゃんと理想の暮らしをしなきゃいけない、って気持ちになるのかもですね。
それに気づくまでは、どこかでモヤモヤしてて。
―――自分で気づいたんですか? 何かきっかけが?
無理をしないように心がけてる過程で、自分を苦しめているもののひとつに、目に見えない義務感があるんじゃないか、って気づいたのかな。「後回しでも別にいいやん、無理してすぐしなくても」と思い始めてから、少し楽になった。
―――そういうのって、まず気づくことが難しいし、長い年月でできたスタイルだから、気づいても簡単に変えられるわけじゃないですよね。毎回「無理はやめよう」って心がけて、少しずつ新しく積み重ねていって・・・。大変だけど、気づかないと始まらないから、気づきは大事ですよね。
ほんと、子どものころからあまり自己肯定感は持ててなくて、屈折してたかなー。
―――そういうこと、昔から自覚してました?
当初は自覚はなかったかも。いろいろと客観的に自分を判断できるようになったのは、きっと大人になってからですね。
その代表例がピアノ。姉は高校生まで続けてて今も上手なんですけど、私は小学校の途中で自分でも記憶がないくらいの理由で辞めちゃって。心の中でずっと、なんで私は弾けないんだろう?と思ってた。でも最近ようやく、今からでも遅くないのかな?って、気持ちを変革できるようになって。息抜きも兼ねて、隙間時間にちょこっと練習したりもしてるんですよ。
―――作家の梨木香歩って知ってます? 典子さんて、その世界観が似合うイメージ。
―――自然に親しんでいて、木や草花、湖や鳥なんかがたくさん出てくる小説なんですよ。手仕事も好きで、ジャムを作ったり染色をしたり。で、心のどこかに小さなコンプレックスがあったり・・・。
―――(ちひろ)ああ、なんかわかる気がする。
―――エッセイも内省的で、すごくいいんですよ。おすすめです。
「内省的なのがいい」って何だか新鮮です。ネガティブなイメージなのに・・・
―――え、そうですか? 内省的ってすごくいいと思いますよ、大好きですよ、私たち(笑)。
(なんとトイレの壁、ノリコさんのお気に入りディスプレイスペース)
◆主催イベントから得た学びと達成感
記事の冒頭で触れた、今秋のイベント「Pianemo(ピアニモ)」。
<小さな木の家 音楽会>と題し、
「オトナもコドモも。音楽をもっと身近に、もっと気軽に。感じよう、そして楽しもう!」
という音楽シェアプロジェクトでした。
ピアニスト國友章太郎さんをお招きし、この家のピアノでたっぷり1時間以上のコンサート。お庭やウッドデッキが開放され、美味しいベーグルやスイーツ、コーヒーなどの提供もありました。友人たちやご近所さんなどのお客さんが訪れ、スタッフ等も合わせると、イベント参加者はなんと総勢90人! なのに息苦しさもなく、私(と息子4歳)も本当にのびのびと楽しませてもらったのです。
今日の取材を仲介し、同席してくれた京子ちゃんは、このイベントの主催トリオ「キノメ」のひとりでもあります。そう、あの「みやこ食堂」の京子ちゃんです・・・!
(京子ちゃん) 典ちゃんの第一印象は、なんだか大きい人、包容力のある人。天然やったけどね(笑)。で、素敵なおうちに住んで、こういうことがやりたいっていう妄想(笑)もあるんだけど、「実際にやるのはちょっとなー」って・・・ちょっと肯定感が低いというか、元気のないときだったんだよね。
―――おうちができて、燃え尽きてるころですか?
燃え尽きてるし、育児のこととかいろいろで、自分の心に波があって・・・
(京子ちゃん) そんな感じだったから、ひとりでやるのは不安でも、一緒だったら力になれることもあるかもしれないと思って、「やろうよやろうよ」って。延ばすとその分、モヤモヤしたりするし、私は、楽しそうなことはすぐやったらいいなって思うタイプやけん。
―――行動派だもんね、京子ちゃん(笑)。
(京子ちゃん) 失敗してもいいし、やれば必ず前進はするけん。
私は、義務をクリアしないと進めないタイプだから、お客さんを呼ぶならもっとちゃんと家を整えてから、って思ってて。
(京子ちゃん) その時点でもすごく素敵なおうちだったけど、典ちゃんの中ではそうやったんよね。
結果、完ぺきじゃなかったけど、それを目標に整えられた部分もあったし、「キノメ」の仲間に背中を押してもらえたこと、一緒にやろうと言ってもらえたのはすごくうれしかった。
―――心強いですよね。
感謝してますね。あのままだったら進めてなかったし、反省したり、いろいろ学ぶのも、やってみなきゃわからない。
―――反省もありましたか?
「家でピアニストさんの音楽を」って・・・自分が一番聴きたかったし、「みんなと一緒に聴いたら楽しいよね」って、会場提供はするけど、なんだか自分もお客さん気分だったんですね。甘く考えてた。
―――思い描いてるのと、違う部分は、やっぱりありますよね。
会場準備の大変さも知ったし、ピアニストさんにももっと気を遣うべきだったし。とにかくバタバタあたふたしてしまって。次回があるなら、自分が楽しむ気持ちは切り離して、みんなを迎えるホストに徹しようって。
(京子ちゃん) 回数を重ねると、提供しながら楽しむこともできていくとは思うんよね。なんせ規模が大きかったけん・・・
ありがたいことにね。みんなに楽しんでもらえたのは、すごく励みになったし、達成感もあった。日が経つにつれて、「本当にやってよかったなー」って思うようになって。
(京子ちゃん) そっちに寄ってきた? よかったー。
当日すばらしい演奏をしてくださった國友さんにも、「よかったねー!」て共感し合える仲間がいることにも、本当に感謝です。一歩踏み出すことは、少し勇気も要るけれど、踏み出したら見える景色も変わる。踏み出してみないと分からないわけで・・・それがわかったのが一番の「学び」だったかな。
◆情熱の次のゆく先は・・・
(キッチンの上のロフトスペースからの眺め。ちょうどオウくんと京子さんが遊んでいる。イベントの時は家具を全て片付けてかなりフレキシブルな空間に。もちろんこのロフトも客席に。)
―――「ピアニモ」イベントのとき、ご主人、ビデオ回してましたよね。なんだかステキな方だった~。今までのお話から、すごくしっかりしたご主人を想像してます。
主人のことは頼りにしてるし、日々感謝してます。ピアニモのときも土日仕事の彼を巻き込まないようにしようとしてたけど、結局前夜の準備に巻き込んじゃった(笑)。
ここまで自分の性質を理解してくれてる人がいるのってすごいなと思います。ケンカもするけど、特に最近、ありがたいなと思って、そしてこの気持ちはちゃんと表していかなきゃいけないな、と。
―――大事なことですね。家族だから逆に、言葉足らずになることありますもんね。
一昨年は結婚記念日もお互いに忘れてて、これじゃいけないな、と。ちゃんとお祝いするようにしました(笑)
★
京子ちゃんはお料理をみんなに振る舞って、お二人は「ママじゃない私」の活動・・・。この先、私にもやりがいというか、何か生活の軸みたいなものがもてたらいいな、とは思います。別に経済活動につながらなくても・・・
―――自分の心の支えになりますもんね。
そういうものがあったらいいなーって。
―――そうなりそうな「種」みたいなものは、すごくたくさんあるように感じますけどね、典子さんの中に。
興味やしたいことは、いろいろあるんだけど。まだ何も見えてこない(笑)。
―――それが何かのきっかけで芽吹くかもしれないし。別に、わかりやすい形じゃなくてもいいと思うんですよね。「料理してる」「絵を描いてる」「○○の職業」ってわかりやすいし、自信も持てそうだけど、そういうハッキリしたものがなくても、みんなそれぞれ魅力的だし。「ママじゃな」やってると特にそう思います。
以前、家の端材で何か作ろうって企画に参加させてもらったことがあって。そのとき、建築家さんとかデザイナーさんとか、みんな肩書がある。私どうしよう?と思ってたら「逆に主婦もかっこいいんじゃないか」って言われて、「主婦 みずたのりこ」で出品したんですよ。でもやっぱり“主婦”って響きにどこか誇りを持てなかったというか。
―――うんうん、それもなんかわかる。スーパー主婦でもないし・・・みたいな。
そうそう、別に引け目を感じることないんだけど、誇りをもって主婦をやれてるわけでもないし。家づくりのときのように、情熱を向けるものに出会えたらいいなって思います。
―――確かにね、あの情熱を見るとね。
―――(ちひろ) 息子くんが幼稚園に入るとちょっと時間ができるから、今のうちにいっぱい妄想しとけば、何か現実につながるかも?
陶芸教室に行きたいな、と思ってるんです。
―――似合いそう!
―――(ちひろ) どんなのを作るか、楽しみです!!
(玄関にあるハンモックは大人も子供も気軽に楽しめる。この土間型玄関は建具を開け放すと風の吹きぬける開放的な軒下となる。)
(★おわり。)
「これからも“家育て”をしていきたい」という典子さんに、お別れ間際、
「“家育て”って素敵な言葉ですね」
と言うと、後日、メールをいただきました。以下、抜粋します。●
家は建てたら終わり、という“モノ”じゃない。とても壮大なイベントだと思うので、それだけで終わらせたらもったいないと思うんです。
だから我が家は、引っ越しから三年経った今でも“未完の家”!
建築家さんから与えてもらった“箱”を、自分たち仕様に育て、より心地よい空間へと作り込んでいく作業。
家族と一緒に時間を重ねて、味わいを増しながら育っていく家。
ここをもっとこうしたいな~とか、ここでこんなことできたら楽しいだろうな~とか・・・家や庭のことを妄想しだしたらきりがなくて、とってもワクワクするんですよ。
[編集後記]
インタビュー: エミ
素敵な家に家族と住み、綺麗で、センスもすばらしく、お友だちもたくさん。そんな、誰もがうらやんじゃうような典子さんも、心の中にはいろいろなものを抱えているのですね。その「いろいろ」にちょっぴり触れて、とてもきゅんとしました。私が内省的な人に惹かれるのは、「自分のことは、自分で考えて自分で決める、作っていく」という態度に、愚直さや、愛すべき頑固さを感じるからかもしれません。流されることなく、すぐに答えの出ないことと向き合い続けている人は美しい。
理想って、真上を見あげると遥かな高みにあって、途方に暮れてしまいそうになります。けれど、小さな段々をひとつずつ架け、らせん階段のようにぐるりと渦を巻きながら上ってゆけば、ゆっくりでも、かなりの高さまで行けるんじゃないかな。ひとつひとつ自分で感じ、考え、自分なりの答えを出してゆく典子さんのお話を聞きながら、そんなこと考えました。帰り道、「私ももっと内省したくなった」と言った京子ちゃんの気持ちが分かる!
お話が進むうちに、この素敵なおうちも、彼女のひとつひとつの深い思索が作り上げてきたものなのだなと実感し、じんわりと感動・・・。次はこのお部屋から、春の景色が見たいなあ。典子さん、この取材にも本当に丁寧に応対してくださってありがとうございました。
撮影: 橘 ちひろ
その素敵なお家の事はお話やブログを通じて知っていたので、その素敵さをちゃんと撮れるのかちょっとドキドキしながら、でも興味の方が先だってワクワクしながら電車に揺られて向かいました。
まずは出合ってびっくり、モデルさんみたいにシュッとしてスタイリッシュなのにくしゃっと思い切り笑う笑顔やほっぺが親しみやすくキュートで、そしてエミちゃんも書いているけど話をを聞いているとたくさん思う事があって色々悩んでるだぁ。
繰り返し色々考えて、少しづつ自分の中に確実に残っていく答え・・・それが生活スタイルになっていっているのかな、いくつになってもずっとその作業を続けていくのってすごく価値のある素敵な事だと私も思います。大切ですよね。
(私、今まで換算50ミリと換算90ミリの単焦点レンズで撮影をしてきましたが、室内を撮るときに窮屈な事がしばしば・・・今回はお家の様子もしっかりと伝えたい撮影と言う事で、思い切って換算36ミリの広角レンズ買ってしまいました!(うふふ、中古だけどね)解像度はイマイチか・・・雨で暗かったからかな・・・でもすごくのびのびと室内撮影出来て解放感を感じています。これからも活躍しそうです。)
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
あ、もうひとつ、私、写真担当の橘は、妊娠9カ月目に入りましたので今回の撮影で産前のママじゃな撮影は一区切り。産休(一応そう呼んでいます 笑) の間は写真の上手なお友達や知り合いに撮影をお願いしたりしてこれもまた楽しみな出会いがありそう♡ママじゃなは続いていきます。どうぞどうぞよろしく!
2月に生まれる予定で、4月には復帰したいな。きっと赤ん坊抱っこスタイルでの撮影、「ママじゃない私」っていうタイトルが浮いてしまいますが・・・心と表現はフリーダムで!
これまでどうり被写体さんの生活空間でのポートレートの他に、白黒などでシンプルなポートレート(本当にポートレートっぽいやつ)2~3枚+インタビューとか、そんなシリーズにも挑戦してみたいなとか妄想してます。楽しみ~!これからもよろしくお願いします。